ダホンD-Zeroの折り畳み式ペダルを定番のFD-7に交換してみた
DAHON(ダホン)の2021年新登場モデル:D-Zero(ディーゼロ)。
納車されて間もないですが、ペダルを交換することにしました。
今回は、ダホンD-Zeroのペダル交換を例に、ペダルの交換手順や、関連する情報をまとめてお届けします。
D-Zeroや、その他ミニベロ・折りたたみ自転車のペダル交換を検討している人の参考になればと思います。
このD-Zeroは、私が予約注文していたもので、私の友人が乗ることになりました。
新型コロナウイルスの影響で自転車業界も製造・流通に遅れが出ていて、ずいぶん待ちましたが、ようやく2021年8月に日本国内での流通・納車が始まり、私たちのところにも1台やってきました。
そんなD-Zeroの初期カスタマイズを友人に任されたので、友人のD-Zeroを私がカスタマイズした記録をお届けします。
ペダルを交換する理由・目的
今回、D-Zeroのペダルを交換する理由・目的は、主に「見た目・質感のグレードアップ」です。
D-Zeroの新車時に初めから付いている純正ペダルは、素材にプラスチックを多用した折り畳み式ペダル。
もちろん、通常使用には困らない機能・品質を持ち合わせていますが、「見た目が安っぽい」「剛性感に欠ける」など、あまり魅力的には見えないペダルです。
そんな純正ペダルから、もう少し格好良く、そして剛性感や信頼性がより高いペダルに交換したい。
というのが、今回D-Zeroのペダルを交換することになった理由です。
◎純正ペダルの見た目や質感に満足している人は、特に交換する必要はないと思います。好みやこだわりは人それぞれですね。
交換するペダル
三ヶ島の折り畳み式ペダル FD-7
「折り畳み式ペダル」から交換するなら、新しいペダルも「折り畳み式ペダル」が第1候補になります。
ということで今回は、折り畳み式ペダルの定番「三ヶ島のFD-7」を選びました。
ちなみに、「FD-7」には【シルバー】と【ブラック】があります。
「シルバー」は全体が銀色で、「ブラック」は踏面が黒で半分は銀色です。
「シルバー」と「ブラック」のどちらにしようか迷うところですが、
今回の赤いフレームのD-Zeroには黒が似合うと思ったので「ブラックのFD-7」をセレクト。(銀色のD-Zeroにはシルバーのペダルも似合うでしょう。)
同時に検討したペダル
「Wellgoの折り畳み式ペダル」もデザインが優れるので、上のFD-7とどちらにしようか悩みました。
見た目の好み次第で、三ヶ島とWellgoのいずれかを選択するのが良いと思います。
このような折り畳み式ペダルを選ぶことで、ワンタッチで折り畳めるという利便性をキープしたまま、見た目や質感をアップグレードできます。
ペダル交換作業に必要なもの
今回、D-Zeroのペダル交換作業に使ったものは以下の通りです。
ペダルレンチ:15mm・薄歯
「純正ペダル」も、今回交換する「FD-7」も、どちらも15mmのペダルレンチで取り付け・取り外しができます。
ただし、「FD-7」のレンチが掛かる幅が狭いので、レンチの歯厚は3.5mm以下をお勧めします。
▼私が使っているペダルレンチ(記事中の写真にあるもの)はこちらです。
▼三ヶ島からも下記の薄歯のレンチ(厚さ:3.2mm)が用意されていますよ。
「FD-7」には歯厚4.5mmくらいまでは入るのですが、余裕が少ないので、作業時にクランクに傷が付く恐れがあります。歯厚3.5mm以上のレンチを使う場合はお気を付けください。
「FD-7」はシャフトの反対側に六角穴があり、8mmの六角棒レンチにも対応しています。
とはいえ、クランクの裏側でトルクを掛けにくい位置なので、「本締めする手前までの、ネジをクルクル回す作業」にだけ六角棒レンチを使うのが良いと思います。
パーツ用グリス
自転車のパーツを組む時には、ネジ山などの各所にグリスを塗るのがセオリーですね。
ペダルを交換する際には、ネジ山にグリスを塗ることをお勧めします。
私が今回使ったのは昔からあるフィニッシュラインのグリスですが、ペダルにはもう少し硬めのグリスのほうがベターだと思います。(お好みのグリスでOK)
一言メモ・・・ネジ山などにグリスを塗る主な目的は、防水・防塵・防錆・固着防止など。初心者は「ネジ山に油?緩むんじゃないの?」と思うかもしれないが、適切なトルクで締め込めば、ネジが緩むことはない。
ペダルワッシャー
ペダルとクランクの相性によっては、取り付け時にワッシャー(スペーサー)を1枚挟んだほうが良いです。
具体的には、「ペダル穴の周囲が凹んでいるクランク」や「締めこみ時にペダル軸がクランクを傷付けてしまう場合」などです。
D-Zeroの純正クランクもまた、ペダル穴の周囲が凹んでいて、そのまま新しいペダル(FD-7)を取り付けると、クランクを傷付けてしまう状態だったので、ペダル用のワッシャーを追加しました。
ペダル用ワッシャーは「シマノ」や「三ヶ島」から用意されていますよ。
三ヶ島のワッシャーは「クランクスペーサー」という商品名です。
その他、パーツクリーナーや布ウエスなどを必要に応じて用意します。
ペダル交換の手順
ペダルの交換作業の流れを大まかにまとめると下記の通りです。
手順1:ペダルを外す
ペダルレンチを使って、純正ペダルを取り外します。
ペダルのネジを回す向きに注意が必要です。
- 右側ペダルは普通のネジと同じで、
- 左側ペダルは逆ネジ
ということを覚えておきましょう。
- 右側ペダル・・・時計回りで締まる/反時計回りでゆるむ
- 左側ペダル・・・反時計回りで締まる/時計回りでゆるむ
写真は右側ペダルのネジを緩めるところで、ここから反時計回りに回します。
ペダルの取り付け/取り外し作業は、ネジを締める/緩める時に大きな力が必要です。
「クランクの角度」と「ペダルレンチの向き」を調節して、力を入れやすい位置にセットしてからグイッと締める/緩めるというのがポイントです。
力をかけた時に自転車が倒れないように気を付けましょう。場合によっては、ペダルを足で踏みながらレンチを使うと作業しやすいこともあります。
クランクとペダルの相性によって、またはペダルレンチの歯の向きによって、力を入れやすい位置は変わります。実際の自転車に合わせて、力を入れやすい位置を探しましょう。
手順2:クランクのネジ穴を綺麗にする
ペダルを取り外したら、クランクのネジ穴を綺麗にしておきます。
理由は、元のペダルとクランクの間に発生した金属クズなどがネジ穴の溝に残っていることがあるからです。
「パーツクリーナー」と「不織布ウエス」などを使って、クランクのネジ穴をキレイにしましょう。
一言メモ・・・細長く捻ったウエスをネジ穴に通して、ネジが緩む方向に回転させながらネジ穴に通すと、汚れがネジ穴の外に出やすい。
手順3:新しいペダルを取り付ける
新しいペダルのネジ部分にワッシャーを付けて、ネジ山にグリスを塗ってから、クランクに取り付けます。
ペダルのネジを回す向きに注意が必要です。
- 右側ペダルは普通のネジと同じで、
- 左側ペダルは逆ネジです。
- 右側ペダル・・・時計回りで締まる/反時計回りでゆるむ
- 左側ペダル・・・反時計回りで締まる/時計回りでゆるむ
最後にネジを締め込む時は、クランクとレンチの角度を調節して、力を入れやすい位置にしてから締め込みます。
以上が「ペダルの交換作業」の大まかな手順です。
ペダルの交換が完了
ここまでの作業で、「純正ペダル」から「FD-7」に交換が完了しました。
重量と折り畳み寸法を比較
今回のペダル交換の前後で、【ペダルの重量】と【折り畳み時の寸法】がどのように変化するかを計測しておきました。
ペダルの重量
「純正ペダル」と「FD-7」の重量をそれぞれ計測した結果は下記の通りです。(実測値)
- 純正ペダル・・・片側241g
- FD-7・・・片側245g
「FD-7」のほうが片側で4g重いことが解りましたが、逆にFD-7の軽さに驚きます。純正ペダルは意外に重たいんですね。
純正ペダルは「ほぼプラスチック」で、FD-7は「オール金属」です。
FD-7は金属製でありながら、樹脂製のペダルに迫る軽さを成立させているんですね。おかげで、心配だった「重量の大幅アップ」というデメリットは発生しませんでした。
折り畳み時の出っ張り寸法
「純正ペダル」と「FD-7」はどちらも折り畳み式ペダルです。折り畳んだ時の寸法(出っ張り具合)は気になりますね。
折り畳み時の「クランク平面からの出っ張り寸法」を計測した結果は下記の通りです。
- 純正ペダル・・・約60mm
- FD-7・・・約54mm(ワッシャーを含む)
「FD-7」のほうが少しだけコンパクトになることが解りました。
また、ペダルの交換手順の項で説明したように、「FD-7」はレンチが掛かる部分の幅が狭いです。この「軸長の差」が折り畳み時の寸法の差を生んでいるように見えます。
- 折り畳んだ時の「寸法」は、より小さいFD-7が優れていると言えます。
- 折り畳んだ時の「形状」は、純正ペダルのほうがフラットで良いと思います。
ペダルを交換した感想
D-Zeroのペダルを「純正ペダル」から「FD-7」に交換した結果と感想をかんたんにまとめると下記のとおりです。
今回のペダル交換の目的である「見た目・質感のグレードアップ」を達成できたと思います。
見た目が良くなった
ペダルの素材が「プラスチック」から「金属」になったことで、見た目の安っぽさが消えて、普通で丈夫そうな印象に変わりました。
D-Zeroの足回りとコンポーネントは「黒と銀」で構成されているので、同じように「黒と銀」の色を持つペダルを組み合わせたことで、バランスが良く、引き締まった印象です。
また、FD-7を折り畳んだ時の形状は、中央が抜けていて向こうが見える状態です。この形状からくる「抜け感」が、停めてあるD-Zeroを軽やかな印象に見せてくれます。
「FD-7」は三ヶ島のペダルラインナップの中では低価格な製品なので、格別な高級感はありませんが、
組み合わせる自転車「D-Zero」がカジュアルバイクなので、このくらいの雰囲気でちょうど良いのではないでしょうか。
剛性感が向上
ペダルの踏面の主材が「プラスチック」から「金属」になったことで、剛性が上がっています。
のんびり走っている時は違いが解るものではありませんが、上り坂などで踏み込んだ時にはその違いが「しっかり感」として感じられます。
また、プラスチックを使ったペダルは長く使っていくうちに割れてしまうことがありますが、アルミ製のFD-7なら破損の心配も少ないと思います。
- 折り畳み時の横幅はあまり変わらない:
前項で比較した通り、折り畳み時の出っ張り寸法に大きな差はないので、「交換前後でこんなに違う」というほどの差はありません。 - 新品時のグリスに注意:
「FD-7」は新品時に可動部分の各所にグリスがたっぷり塗られていて、触れるとあちこちに付着するので、初めに余分なグリスをしっかり拭き取る必要がありました。
補足:着脱式ペダルという選択肢も
今回は「折り畳み式ペダル」から別の「折り畳み式ペダル」に交換するという選択をしましたが、第2の選択肢として『着脱式ペダル』も検討していました。
着脱式ペダルの検討ポイント
「折り畳み式ペダル」と「着脱式ペダル」は、どちらも自転車の収納時や輪行時にペダルの出っ張りを無くす(減らす)ことを主目的としたペダルであり、概ね同じように使えますが、着脱式ペダルのほうが優れる部分もあります。
「着脱式ペダル」が「折り畳み式ペダル」よりも優れる点は下記の3つが挙げられます。
- ペダルを取り外すと、折り畳み式ペダルよりも出っ張りが小さい。
- 折り畳み式ペダルよりも剛性感が高い。
- ペダルの種類をワンタッチで別の種類に交換することもできる。
上記のような特長・メリットを獲得したい場合は、着脱式ペダルを選択するのが良いでしょう。
候補にしたペダル
検討段階では、下記の製品を候補に考えていました。
また、「Wellgoの着脱式ペダル」も候補に挙がりました。
「Wellgoの着脱式ペダル」については、過去に下記ページで詳しくご紹介していますよ。
今回、最終的に「折り畳み式ペダル」を選んだ理由は、「シンプルに使いたい」ということでした。
「折り畳み式ペダル」なら折り畳むだけであり、分離しないので、取り外したペダルの置き場所などについて考える必要はありません。
一方、「着脱式ペダル」は取り外したペダルの収納などについて考える必要があります。
例えば、輪行や車載や収納の際に、取り外したペダルをどこかに収納したり、置き場所を決めておく必要がありますよね。これを面倒だと感じる人もいるでしょう。
また、着脱式ペダルでは、自転車を車に積んで出かけた時に「ペダルを家に忘れてきた!乗れない…」という失敗が起きることがあります。(そういう人をTwitterで時々見かけます)
D-Zeroに乗る私の友人はちょっと面倒くさがり&うっかり屋なところがあるので、今回は「着脱式ペダル」ではなく、よりシンプルに使える「折り畳み式ペダル」を選んだのでした。
まとめ
今回は、ダホンD-Zeroのペダル交換を例に、ペダルの交換手順や、関連する情報をまとめてお届けしました。
純正ペダルに大きな問題があるわけではないので、ペダルを交換する必要性は低いですが、
ペダルをアップグレードしたり、パーツ交換を楽しみたい人にはオススメのカスタマイズです。
今回のD-Zeroにおいては、ペダル交換の目的である「見た目・質感のグレードアップ」を達成できたと思います。私の友人も満足しています。
以上、お届けした内容が、必要な人の参考になれば幸いです。
ペダル・サドル・ハンドルの3点は自転車と体の接点だから、好みのものに交換してお気に入りの見た目や乗り味を手に入れると、乗るのが楽しくなりますね。
今回使ったペダル:三ヶ島のFD-7
今回D-Zeroに装着したペダルは、三ヶ島ペダルの「FD-7」でした。
交換手順や注意点などについては、本記事内でお伝えしているので、必要に応じて再確認してください。
DAHON D-Zeroの関連記事
DAHON D-Zeroのカスタマイズ等の記事を、今後もお届けしていく予定です。
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最後までお読みくださいまして、ありがとうございました。