自転車のチェーンオイルの正しい使い方・注油方法を紹介します【初心者向け】
自転車のチェーンに注油していますか?
油膜が切れるとチェーンが錆びたり・ペダリングが重たくなるので、ときどき注油が必要ですよ。
チェーンオイルは正しく使えてますか?
例えば「高性能なチェーンオイル」を買っても、使い方を間違っていたら性能が発揮できなかったり、オイルが飛び散って汚れたりします。
「チェーンへの注油」は空気圧管理とあわせて自転車の日常メンテの基本なので、ぜひ覚えておきたいですね。
ということで今回は自転車のチェーンオイルの使い方(注油方法)をわかりやすく簡潔に解説します。
- このページの写真では、1滴ずつ滴下する「リキッドタイプ」のオイルを使っていますが、「スプレータイプ」のオイルも基本的な手順・使い方は同じです。どちらをお使いの場合も参考にしていただければと思います。
- スプレータイプのオイルやクリーナーを使用する時は、ウエスで覆う・段ボールや新聞紙を敷くなどして、余計なところにかからないように気を付けましょう。
1. チェーンをキレイにする
まずはチェーンを洗浄します。チェーンについている「汚れ」や「古いオイル」を取り除きます。これは、新しいチェーンオイルの性能を100%発揮するために必要な作業。
古いオイルや汚れはチェーンの部品内側にもあるので、チェーンの表面を綺麗にするというよりは、内部のオイル・汚れを取り除くことが肝心です。
チェーンの洗浄には「チェーン洗浄器」を使う方法や、「スプレー式のクリーナーを吹き付ける」という方法があります。
- かなり汚れているorしっかりやるなら「チェーン洗浄器」
- それほど汚れていないor手早く済ませるなら「スプレー式クリーナー」
というふうに、お好みの方法でチェーンをきれいにしましょう。
日常メンテなら、毎回チェーンを切って・取り外して洗浄する必要はありません。
「洗浄力&噴射力が強いスプレー式クリーナー」があれば、洗浄器を使わなくても汚れがよく落ちるので捗りますよ。
私が使っているチェーンクリーナーはコレ
モチュールのチェーンクリーナーは、洗浄力と噴射力が強いのでよく落ちますよ。ゴムやシール類への攻撃性が無いので、安心して使えます。(ニオイは強いです)
こちらも洗浄力&噴射力が強いクリーナー
上記製品と同様の効果を狙った自転車用チェーンクリーナーが、シュアラスターからも発売されました。(ただし、こちらはゴム部分に付着した時は拭き取る必要があります)
- チェーンの洗浄後、注油せずに長時間放置すると錆びが発生することがあるので、続けて「注油」を行います。チェーンの洗浄と注油はセットの作業ですよ。
- ただし、洗浄直後の「クリーナー液が残った状態」でオイルを注すと分解されてしまうので、クリーナーがしっかり乾燥するまでは待ちましょう。
2. チェーンにオイルを注す
チェーンの「リンク部分」にオイルを付けていきます。チェーンの側面(プレート部分)にオイルが付いている必要は無いので、あくまでもリンク部分だけでOK。
- 「リキッドタイプ」の場合は、
リンク部分の丸いローラーにオイルを1滴垂らすと、そこから隣接する隙間にオイルが滲み込んで行きます。これを繰り返してチェーン1周全部に滴下します。 - 「スプレータイプ」の場合も同じで、
チェーンの側面ではなくローラーを狙って、ペダルを手で回してチェーンを動かしながらシューっと1周吹き付けます。
1周の目印には、1か所だけ見た目が違う「コネクトピン」を目印にするのが一般的で、他に「チェーンに糸を結んで目印にする方法」などがありますよ。「油性マーカー」で印を付けるのもお勧めです。
全てのリンクに注油できたら、30秒間くらいゆっくりクランクを回してチェーンの各部品を動かします。こうすることでオイルが隅々にまで行き渡ります。
クランクを回してオイルを行き渡らせる時に「チェーンの動きがスムーズじゃない」とか「チェーンから摩擦音が聞こえる」という場合はオイルの量が足りていません。
オイルが足りていないと思う場合は、もう一度注油。そして次回からはもう少しだけ多めに、リキッドタイプなら1滴の粒を大きめに注油しましょう。
「注油量の不足」は特にリキッドタイプで起きやすいですが、この「1滴の量の感覚」は何度か注油すると覚えられますよ。
オイルは「つけ過ぎ」もダメですが、「少な過ぎ」もいけません。「適量」を注油したいですね。
3. 余分なオイルを拭き取る(1回目)
次に、チェーン表面に付着しているオイルを拭き取ります。
チェーン表面のオイルは汚れの元になるだけで不要なので、しっかりと拭き取りましょう。
ウエスでチェーンを握るようにして、そのままクランクを回転させればチェーン表面のオイルが拭き取れます。
表面のオイルを拭き取っても、チェーン内部のオイルはちゃんと残ります。
この時、ギアにも余分なオイルが付着しているので、一緒に拭き取っておきましょう。
ちなみに、チェーンオイルの拭き取りには「紙ウエス」よりも「布ウエス」のほうが向いていますよ。(不織布ウエスでOK)
自転車整備の不織布ウエスといえばコレ
4. 余分なオイルを拭き取る(2回目・仕上げ)
チェーンオイル注油後の1回目の走行が終わった後、「チェーン」や「チェーンステー」「後輪のリム」などをチェックしてみてください。
チェーン内に余分なオイルが溜まっていた場合は、チェーン表面にオイルが出てきていたり、オイルが飛び散って車体に付着していることがありますよ。
大抵の場合、チェーンに注油後の初回走行では、遠心力によって少なからずオイルがチェーン表面に出てくるので、それをもう一度ウエスで拭き取れば、仕上げの拭き取りが完了です。
あとはオイル切れするまで快適に乗れるはずですよ。
その後の「お手入れ」と「次回の注油タイミング」は?
走行にともなってオイルが黒くなったり、チェーン&ギアの汚れが気になる時は、
表面の汚れたオイルを拭き取ることがメンテナンスになります。
そして、「チェーンの動きが渋くなった」「チェーンやギアから音がする」など、
オイル切れを感じたら、ふたたびチェーンに注油するタイミングです。
- 次回以降の注油時、チェーンがあまり汚れていない場合は洗浄せずにそのまま再注油してもOK。
- チェーンがどろどろに汚れている場合は「洗浄」からするのがベター。
ときどき様子を見て、「お手入れ」や「注油」をしていきましょう。
チェーンやギアが長持ちして、自転車も喜びますよ。
まとめ&おすすめオイル
以上、自転車のチェーンオイルの使い方・注油方法について解説してみました。
いくつかのポイントこそありますが、特別むずかしいことはありませんよね。
チェーンへの注油は自転車の日常メンテナンスの基本なので、ぜひ習慣にして、快適にサイクリングを楽しみましょう。
チェーンオイルの正しい使い方・注油方法が解ったところで、『高性能なチェーンオイル』を試してみてはいかがでしょう?
高性能チェーンオイルで、ペダリングは軽くなる
下記のチェーンオイルは実際に私が使っているもので、ペダリングの軽さを実感できますよ。
すごく良かったので、詳しいインプレ記事もご用意しました。こちらも参考にしていただければと思います。
耐久性を重視するなら、ロングライフなチェーンオイル
通勤やロングライドなどで「雨の中を走ることがある人」「油膜切れが心配な人」には【雨天対応・耐久性重視のチェーンオイル】がお勧めです。
「MOTULのチェーンルブオフロード」は耐久性が高いチェーンオイル。
雨でも流れ落ちない油膜の強さを持ちながら、砂埃などの汚れは付きにくいという特長がありますよ。
ちなみに、油膜が長持ちするので「注油の頻度」が減らせます。「何度もチェーンに注油するの面倒くさい」という人にもオススメです。