キャットアイ VOLT1200|明るさとランタイムを両立するライト
この記事を書いているのは10月の下旬。
最近、日が短くなってきたので「ライト」の出番が多いですね。この時期、「新しいライトを買った」という話もよく耳にします。
今回は、私が愛用している自転車用ライト『キャットアイ VOLT1200』についてご紹介します。
これから買うなら「VOLT300」か「VOLT700」か、いや『VOLT1200』か?
ということで、「VOLT1200」「VOLT700」「VOLT300」の3製品の比較評価もしていますよ。
「VOLT1200」の特長
明るい
最大光量の【ダイナミックモード】の明るさは「1200ルーメン」。これはどのくらいの明るさかというと、車のハロゲンランプのハイビームと同程度。
常用光量の【ノーマルモード】でも「450ルーメン」という、ワンランク上の明るさで使えます。安全のためには、ライトの明るさは最低でも300ルーメンは必要なので、これなら安心ですね。
ランタイムが長い
常用光量の【ノーマルモード(450ルーメン)】で「約5時間」使用できます。1日1時間の点灯なら、1回の充電で週5日使えます。
ランタイムを優先した【オールナイトモード(150ルーメン)】では「17.5時間」使用できます。最も弱いオールナイトモードの明るさでも、市販の多くの廉価なライトより明るいです。
十分な「明るさ」と「ランタイム」を両立している
自転車のライトは、十分な「明るさ」と「ランタイム」が無ければ実用的とは言えません。
ライトは基本的にどれも、明るさを優先するとランタイムが不足し、ランタイムを優先すると明るさが不足するので、両立はなかなか難しいものです。
ところが「VOLT1200」なら、ランタイム優先のモードでも十分な明るさがあり、明るさとランタイムを上手く両立しています。
かなり使える「ハイパーコンスタント」モード
【ハイパーコンスタント】モードは「常時点灯」に「点滅機能」を加えた発光パターンで、「ライトが消えずに、明るさの変化で点滅しているように見えるモード」です。
ライトを点滅のみで使用すると道交法違反になりますが、このモードなら問題になりません。
ハイパーコンスタントモードは『VOLTシリーズ』のその他の製品にも付いている機能ですが、このモードの明るさは製品スペックに依存するので、VOLT1200ならとても明るく実用的なレベルです。
クセの無い「配光」で、見える範囲が広い・見やすい
「VOLT1200」は、中央部が明るく・上下左右の周辺光量を一段階落としたナチュラルな配光特性で、光を路面に向けるとフロントタイヤの前方2~10メートル先くらいまでがよく見えます。
照射範囲の左右の幅とコントラストが適切で、「ある部分から急に真っ暗になる」とか「視界がチカチカする」ということが無いのが好印象です。
驚いたのは、ほぼ真横にも少しだけ光を残してあって、暗闇でもハンドルを握る手元が見えることです。この真横の光のおかげで、狭い道を走る時も近くの状況が見えて便利ですよ。
「VOLT1200」はとても明るいライトで、“上方カット”などの特殊配光をしていないので「他者への眩惑」には気を付けたほうが良いでしょう。光の中心が自分の前方3~5メートルくらいに来るように角度を調節すると良いですよ。
「VOLT1200・700・300」を比較
以下は「VOLT1200」「VOLT700」「VOLT300」を比較した内容です。
VOLT1200はこんなライト
主なスペック
- 1200ルーメンで2時間
- 450ルーメンで5時間
- 150ルーメンで17.5時間
概要
ぶっちぎりの「明るさ」と「ランタイム」を活かして、通勤からツーリング、ブルベまで、何にでも使えます。明るさ切り替えの幅が広いので、シーンに応じて使い分けができます。ライトのスペックも“大は小を兼ねる”ので、「明るさを抑えて長時間使う」ということも可能です。
VOLT700はこんなライト
主なスペック
- 700ルーメンで2時間
- 300ルーメンで3.5時間
- 100ルーメンで10時間
概要
VOLT1200ではオーバースペック過ぎるという場合の選択肢。中途半端な存在です。単純にスペックダウンになるので割高で、価格差以上に性能差があり、コスパが悪いです。
気になるのはノーマルモードでの点灯時間の短かさで、もし普段300ルーメンで使うつもりなら「VOLT300」を買ったほうが幸せになれそうです。
VOLT300はこんなライト
主なスペック
- 300ルーメンで3時間
- 100ルーメンで8時間
- 50ルーメンで18時間
概要
「最大300ルーメン・最長3時間使えればいい」、という割り切りができる人の選択肢。常用光量のノーマルモードの明るさは路面状況をしっかり把握するには暗すぎるので、「VOLT300」を使うならいつも300ルーメンで使うか、メインライトとしてではなく「サブライト」や「予備ライト」「点滅専用」として使うのがおすすめ。
「VOLT300」と「VOLT700」の欠点は、「VOLT1200よりも暗い明るさで、VOLT1200よりも短い時間しか使えない」ということです。
例えば、同じ明るさのライトなら、より長時間使えた方が良いですよね。また「スペック=価格」と考えた場合、ハイスペックな程コスパが良く、ロースペックな程コスパが悪いです。そのことがよく解る比較結果になりました。
「VOLT1200」がオススメな理由
低グレードのライトは「電池切れ」や「充電頻度」に悩まされる
ライトを選ぶ時に「最大光量」だけを見てライトを選ぶと、次の様なことがよくあります。
- 「300ルーメンの最大光量には満足だけど、3時間しか使えないのは困る」
- 「しょっちゅう電池切れになるので、充電や電池交換が超面倒」
- 「電池をもたせるために明るさを下げるから、結局いつも100ルーメンでしか使えない」
こんな経験、自転車乗りならきっと誰でも一度はあるはず。
電池・バッテリー式のライトの最大光量モードのランタイムは極端に短いので、最大光量で使うつもりで買うと「ランタイムが短い」と感じるのは当然かもしれません。
電池をもたせるために明るさを下げて使うのは1つの手段ですが、それではいつも明るさが不足します。そうならないために、ライトの明るさや電池には一定の余裕が必要です。
ワンランク上の製品を買うのが正解
これ、どうしたら解決できるかというと、
- まずは「明るさ」を基準に選ぶ、
- そして「これでいいかな」と思ったライトのもう1つ上のスペックの製品を選ぶ
という方法であっさり解決できます。
ワンランク上の製品なら、明るさを1段階下げても十分明るく、ランタイムにも余裕があります。もちろん、2ランク上げても良いと思いますよ。
自転車のライトの常用光量(=そこそこ明るくて、すぐに電池切れしない)は、最大光量のモードではないので、それを見越して選ぶ必要があるということですね。
これは以前の記事「自転車用ライトの選び方|覚えておきたい3つのポイント 」でもお話しました。
ということで、「VOLT300」「VOLT700」「VOLT1200」の中から1つを選ぶ場合、私は「VOLT1200」がもっとも実用的でベストな選択だと考えています。
実際に「VOLT1200」を使い続けた感想
明るさ・ランタイム・コスパに満足
『VOLT1200』を使い続けてみて、その「明るさ」と「ランタイム」には文句無しです。
購入価格はやや高かったですが、下位モデルと比べるとスペックが全然違うので、やはりコストパフォーマンスは一番良いと感じます。
モードを使い分けると便利
使い方のポイントは、周囲の状況に合わせて明るさ・モードを切り替えることです。
明るい街中なら【450ルーメン】で十分だし、歩道を徐行する時には【150ルーメン】がちょうどいいです。真っ暗な山道や田舎道なんかは【1200ルーメン】の明るさが本当に助かります。
交通量が多い街中では、私は【ハイパーコンスタント】モードを主に活用していて、このモードでのバッテリーの持ちはとても良く、フラッシュ光の被視認性の高さはかなりのものですよ。
電池
電池残量が20%を切ると赤色ランプで知らせてくれるので、不意の電池切れはありません。
ランプが点いたら明るさを下げるか、予備のバッテリーに交換します。
最大光量で使える時間は「2時間」なので、1200ルーメンの明るさが必要ない時には、明るさを下げてバッテリーを温存するのがベター。それでも十分明るいのが◎
その他
1点だけ、「スイッチが硬くて押しにくい」ということが少し気になります。商品ページのレビューなどを見ると低評価は主にココなんですよね。
しかし、自転車に装着せずにバッグなどに収納している時に不意にスイッチが入ることが無いので、むしろ助かってる部分もあります。
大光量のライトがバッグの中などで誤って点灯して熱で発火した事故例もあるので、スイッチが硬くても不意の点灯が起きにくいほうが良いのではないでしょうか。
まとめ
VOLT1200の総評
「VOLT1200」は価格は少し高いですが、十分な明るさとランタイムを両立している数少ないライトの1つです。
そんなハイスペックだからこそ実用的で使い易いライトだと思いました。
私自身、いままで買ってきたライトの中では一番気に入っています。
誰かが中途半端なモデルを見比べてアレコレ迷うくらいなら、「VOLT1200」をお勧めしたいなと思いました。
以上、ご紹介した内容があなたのライト選びの参考になればと思います。