自転車のフレームやパーツの「角度」を測れるデジタル角度計が地味に便利
自転車のフレームやパーツの「角度」を計測&確認したい時ってありませんか?
私の場合は、
- 「ステムの角度」が水平になるように、1°単位で正確に選びたい時
- 家にある手持ちのステム、「これ何度だっけ?」という時
- この自転車の「ヘッド&シートチューブの角度いくつだっけ?」という時
- 2台の自転車のジオメトリ(フレームの設計)を比較する時
- サドルの水平を出したり、傾きを調節する時
などに「角度」が知りたくなりますね~。
そんな時に、サクッと角度を測れる便利なアイテムがありますよ。
今回はちょっと地味でマイナーな話題ですが、もしかするとあなたにも役立つ部分があるかもしれません。
ということで「使い方の例」とあわせてご紹介してみます。
1秒で角度がわかる「デジタル角度計」
自転車でちょっとした角度を測りたい時に私が使っているのは、計測機器でおなじみのメーカー「シンワ」の小型デジタル角度計。
電源をONにして、角度や傾きを計りたいところに押し当てるだけで、約1秒で角度が表示されます。
「水平の傾き」「垂直の傾き」、どちらも同じようにチェックできますよ。
- 四角いボディの4辺どこを使っても角度が測れるようになっています。
- 「水平=0°」「垂直=90°」に調整されているので、電源を入れるとすぐに傾き・角度が表示されます。
- 傾けた状態で「ゼロボタン」を押せば、そこが0°になるので、任意の場所を基準に角度を測ることもできます。
自転車での使い方の例
「デジタル角度計」の自転車での活用方法はこんなかんじ。
ヘッド角(ヘッドチューブの角度)を測る
ヘッド角がわかれば、ステムを水平にしたい場合などに「最適なステム角度」が解ります。
自転車を水平な場所に置いて、デジタル角度計の電源をON。
「ヘッドチューブ」または「ヘッドチューブと平行な部分」に角度計を当てれば、水平からの傾き、つまりヘッド角(キャスター角ともいう)が表示されます。
この自転車のヘッド角は「74°」。
ステムを水平にしたい場合は、「74°」または「16°」のステムを選ぶといいですね。
◎自分の自転車のヘッド角を知らないor忘れたという人は結構多いはず。ジオメトリ表がなくても、角度は測れば解ります。
また、ヘッド角を見ることで「その自転車の性格」を推し測ることもできます。
一般に、ヘッド角が寝ているほど直進安定性が高い傾向があり、
逆に角度が立っているほどハンドリングがクイックな傾向がありますよ。
ミニベロでもロードバイクでも、
街乗りorロングライド系の車種はヘッド角が寝ているものが多く、
スポーツ系の車種はヘッド角が立っている、という傾向があります。
そんな違いをチェックしてみるのも面白いですね。
ステムの角度を測る
自転車ライフが長くなると、手持ちのステムが増えていく人は多いです。ステムの長さ・角度はさまざまです。
ステムの角度は製品毎に違うのに、ステム本体には角度が表示されていないものが多いです。
ステムの角度は見比べてもなかなか正確に解るものではなくて、一見すると同じ角度に見えても、実際には1~5°くらい違ったりします。
角度が不明なステムがある時は、一度チェックしてみるといいですね。
▼まずはデジタル角度計をステムの【コラムクランプ部分】に当てて、ここを「0°」に設定。
▼次に、ステムの【突き出し部分】に当てれば、コラム部分との角度の差=ステムの角度がわかります。小数点以下は四捨五入するとよいでしょう。
ステムの角度にも誤差はあるので、「9.8°」の表示が出たこのステムはおそらく「10°」のステムだということが解ります。
この後、カタログ表記を調べると確かに「10°(80°)」のステムでしたよ。
「ヘッド角」とあわせて、「ステムの角度」がわかれば、
- 「水平になると思ったのに、ならなかった」
- 「思ったよりも上向きor下向きになってしまった」
みたいな失敗は無くなりますね。
- ステムの角度表記は0°または90°が基準になっていて、どちらを基準にしているかはメーカーによって異なります。
- ステムの角度は0°または90°からの傾きを表すので、「16°」と「74°」は同じ意味。「10°」と「80°」は同じ意味になりますよ。
シートチューブの角度を測る
2台の自転車のポジションを揃える場合に、シートチューブの角度がわかると「ポジション調節」や「パーツ選び」がスムーズに進みます。
例えば、それぞれ測って比較すると「こっちの自転車のほうがシートチューブが立っているor寝ている」ということが解りますね。
シートチューブの角度が異なる2台の自転車で同じポジションを再現する場合、サドルの取り付け位置はそれぞれ違ってきます。
シートチューブが「立っているほどサドルは前」に、「傾いているほどサドルは後ろ」になるので、
- 「この自転車でポジションを出すには、サドルをもっと前に取り付ける必要がある」とか、
- 「同じポジションにするには、セットバック(後退幅)の大きいシートポストが必要」
ということが解ります。
新しい自転車を追加する時に、乗りなれたポジションを再現するための近道になりますね。
◎比較する2台が同じ系統の車種の場合はこのような違いは起きにくいですが、「ミニベロとロードバイク」や「街乗り系の車種とスポーツ系車種」では大きな違いが出る場合がありますよ。
サドルの水平を出す
一般に「サドルは水平にするのが基本」と言われていて、実際初めはそうするのがベターなので、まずは正確に水平を出すといいですね。
自転車を水平な場所に置いて、デジタル角度計の電源をON。
「サドルの中央部分」または「水平にしたい部分」にデジタル角度計を乗せて、サドルの角度を微調整すれば、水平が出せます。
しばらく乗ってみて、角度を調節する必要があったら、そこから上下の傾きを微調整していくといいでしょう。
- ちなみに、サドルの水平出しの補助等に使う「定規」は、プラスチック製だとデジタル角度計の重さで湾曲してしまい、正しく測れないことがありますよ。
- 私が使っているのは「カッティング定規」というもので、本体の背側半分が金属製で、ほとんど湾曲しません。
- ということで、このような用途には、本体の一部または全部が金属製の「カッティング定規」がお勧めです。
サドルの角度を計測&再現する
サドルを水平にするのではなく「積極的に角度を調節する」という場合もあります。
走りこんでいくうちに、自分の体や乗り方に合ったサドルの傾きが解ったり、
サドルによっては「傾けて取り付けるように設計」されているものもありますね。
サドルの上下の角度を調節している場合、メンテナンスでサドルを着脱した後などに「同じ角度を再現」するのは水平を出すよりも難しいです。
シートポストに角度の目盛が付いていないことも多いんですよね。
そんな時は、あらかじめ「いつもの角度」を測っておけば、サドルを着脱したり、角度がズレてしまっても、また元の角度を再現できますよ。
サドルに角度を付けている人は、かなり細かく角度を調節していることが多いです。わずかな角度の違いで「股間の痛み」や「ペダリングのし易さ」が違ってくるんですよね。
私も骨盤の傾きに合わせて「サドルをやや前下がりに調節」しているので、目盛のないシートポストでも簡単に同じ角度が再現できるのが便利だなと思いました。
角度を測る時のポイント
角度を測る時は、まずは「自転車を水平な場所に置く」ことが肝心です。
フローリングやコンクリートなど、水平で平滑な場所で使いましょう。
もし「平滑だけど、わずかな傾きがある」という場合は、床面でゼロボタンを押して「0°に設定」すれば、ほぼ正しく角度が測れますよ。
◎小数点以下の数値は、四捨五入の要領で0.5°刻みで近い方の数値で読むと良いでしょう。
△ちなみに、この記事の写真は屋外でも撮影していますが、屋外での使用は誤差が出やすいのでお勧めできません。
△表面がカーブしたフレームなど、計測箇所に平滑なところが無い場合は角度の計測は難しいでしょう。
大きな誤差を出さないように、上手に使いたいですね。
まとめ|角度が知りたい時に、あると便利ですね
自転車のフレームやパーツの「角度」を測りたい時には、「デジタル角度計」があると便利です。
ステムの角度選びの失敗が減らせたり、サドルの角度を正確&かんたんに調節できるなど、
必要な時に使ってみるとメリットがありますね。買って良かったです。
ということで、自転車で角度を測りたい時にはデジタル角度計が便利、というお話でした。
デジタル角度計の参考製品
▼私が使っているのは「シンワ」のデジタル角度計。専門メーカーなので信頼性が高いです。
▼似たような製品でもう少し安いものもありますよ。安価なものでもそれなりに使えそうですね。