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ふじたひであき
サイト運営者
兵庫県神戸市出身。自転車愛好家、フォトグラファー。

自転車のサイト『MINI VELO 道』ではミニベロとロードバイクの初心者向け情報や、楽しみ方を広げる話題などを紹介しています。自転車用品が好きで、最近は自ら製品開発にも関わっています。

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「おじぎ乗り」で股間が痛いなら、「ISM」のサドルを試してみて

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自転車に装着された状態の「ISM」のサドル「Breakaway」の写真。

股間・尿道・会陰部が痛む人には「ISMのサドル」がオススメ

自転車の乗り方にもいくつかの姿勢やメソッドがあって、
自転車をより楽に・速く・安全に走らせることを目指した「おじぎ乗り(旧:やまめ乗り)」という乗り方があります。

「おじぎ乗り」を体得すると、本当に今までよりも上手く自転車に乗れるようになったことは驚きで、特に「ミニベロのデメリットの改善にも役立った」ことは私にとって大きな意味がありました。

しかし「おじぎ乗り」を実践する中で1つだけ無視できない問題がありました。

それは股間・尿道・会陰部の痛みです。本当に痛かった。


股間が痛い時は、我慢せずにサドルを交換しよう

どこも痛くならないという人もいますが、私と同様に股間に痛みに悩む人は続出していて、「痛みを我慢している人」や「おじぎ乗りをやめてしまう人」もいるようです。

そんな、おじぎ乗りで股間が痛む人に、私はまず「サドルの交換」をお勧めしています。

「おじぎ乗り」に限らず、自転車のサドルで股間・尿道・会陰部の痛みに悩んでいる人は参考にしてくださいね。


痛み改善に効果があった「ISMのサドル」を例に、対策をご紹介

私は色々なサドルを試した結果、最も痛みの改善に効果があり・快適に感じた「ISMのサドル」を選んで使っています。

ISM(アイエスエム)のサドル「Breakaway」の写真

この記事では、私が使っているサドル「ISM ADAMO Breakaway」の特長や使ってみて解ったポイントをご紹介します。

追記:ISMのサドルラインナップが更新されて、サドルの名称が「Breakaway」から「PL1.0」に変りました。主な仕様・形状は同じです。

もくじ

従来の「穴開きサドル」はさんざん試した、でも痛みは解決できなかった

尿道・会陰部の痛みはありません」、そういうサドルは今までもありました

でも従来の穴開きサドルや、スリットが入ったサドルでは、結局「おじぎ乗り」で起きた股間の痛みの解決にはつながりませんでした。

そもそも、サドルの先端付近が当たって痛いのに、従来の穴開きサドルはサドルの先端辺りはガッツリつながって1本のノーズになってるじゃないですか(笑)

「骨盤を前傾させる乗り方」をすると、従来のサドルではほぼ確実に股間が痛くなるのです。

結局、従来のサドルは想定されている乗り方が違うんです。

従来のサドルは「骨盤後傾」からせいぜい「骨盤直立」くらいでの快適性しか持っていません。

そこで「ISMのサドル」の登場です。

参考:セラSMPのサドルはダメか?

従来のサドルで唯一「セラSMPのサドル」だけはスリットがほぼ先端まで通っていて、尿道・会陰部の痛み解消に効果がありました。

しかし、あの独特のウニャンと曲がった形状が「おじぎ乗り」には全く適していません。そのため、「おじぎ乗り」を前提としているこの記事では論外とします。

追記(2022年)

この記事を書いた当時(2015年)には、上記の通りセラSMPのサドルはおじぎ乗りに不向きな形状のものしか存在しませんでしたが、その数年後にセラSMPから「フラットな形状」のサドルが登場しました

私は2022年に「セラSMPのVT30Cというサドル」を購入してみたところ、おじぎ乗りでも概ね快適に使えるサドルでした。このページのISMのサドルとあわせて参考にしてください。(現時点でも、ISMのほうがお勧めです)

「ISM」のサドルがおすすめな理由

ISM(アイエスエム)のサドル「Breakaway」の写真

ISMのサドルは「骨盤前傾用」だから、「おじぎ乗り」にぴったり

「おじぎ乗り」は骨盤を前傾させる乗り方です。

そして、従来のサドルはどちらかというと骨盤後傾の乗り方に合わせて作られているので、骨盤前傾の乗り方で使えば問題が起きるのはむしろ当然です。

一方、「ISMのサドル」は元々トライアスロンなどタイムアタック競技で主流の「骨盤を前傾させる乗り方」で快適に乗れるように作られているので、「おじぎ乗り」にもぴったりなんです。

ISMのサドルに交換したら、尿道・会陰部の痛みが消えた

「おじぎ乗り」による“お股の問題”は、ISMのサドルを使い始めたらすぐに解決しました。

このサドルなら尿道・会陰部の痛みはまったくありません

ISMのサドルは、尿道・会陰部が宙に浮いてサドルに触れていない状態になるので、構造上、「痛くなりようが無い」んですよね。

ちなみに

ISMのサドルを使うと、いままで「股間」にかかっていた荷重は「坐骨周辺」に移ります。そのため、慣れるまでは坐骨周辺の荷重増加による違和感や軽い痛みを感じますが、私はすぐに慣れました。また、坐骨周辺のストレスは、尿道・会陰部の鋭い痛みよりずっとマシです。

先端に乗っても刺さらないのがすごい

急な上り坂などでサドル先端に乗る場合、サドルが股間を「点」で支える状態になりますが、ISMのサドルなら従来のサドルの様に股間の真ん中に食い込むことはありません。

ISMのサドルを使えば、従来の「1本のノーズが真ん中に刺さる状態」から「2本のノーズが両側から支える状態」になるのでサドルの先端まで安心して使えます。女性にもおすすめですよ。

フラットで前後に移動しやすいから、「おじぎ乗り」に最適

「おじぎ乗り」では、走行速度や勾配などに応じてサドルに乗る位置を前後に移動します。この「前後への移動」が自由にできないと、「おじぎ乗り」は上手くいきません。

ISMのサドルはどれもフラットな形状で、体の位置を前後に移動しやすいです。

積極的に前後に移動して「自転車の中心」を見つけやすいので、「おじぎ乗り」の練習や上達にも役立ちます。

ISMのサドルを「おじぎ乗り」で使う場合のポイント

ISMのサドル「Breakaway」と「Attack」が並べて置かれた写真。レールに角度が付いているのがわかる。

角度はメーカー推奨よりも水平寄りがいいかんじ

ISMのサドルは「やや前下がり」に調節することが基本とされていて、ほとんどのモデルはレールにも予め角度が付けられています(レール水平時にサドルは前下がりになる、それが基本の角度)。

しかし「おじぎ乗り」で使う場合、「サドルの上で前後に移動」したり「自転車の中心に乗る」を維持するには、メーカー推奨よりも水平に近い角度で取り付けたほうが上手くいきました。

サドルがあまりに前下がりだと、後ろのほうに乗りたい時にも身体が前に滑ってくるので、勝手に前乗りになってしまいます。前乗りが主流のタイムアタック競技ならそれでちょうど良いんでしょうね。

ちなみに

「前下がり=後ろ上がり」です。サドルの後方にいくほど乗る位置が高くなります。

本来は「後ろに行くほど低くなるのが理想的」なので、前下がりに調節する場合でも、なるべく水平に近いほうが問題が少ないですね。

従来のサドルよりも後退幅を多めに

ISMのサドルは元々はタイムアタック競技等での「前乗り」に最適化されているので、サドルの前の方をメインに使うことを想定して幅・形状の設計がなされています。

一方、「おじぎ乗り」は前乗りではないので、体の位置はそのままでサドルの前の方に乗るということは、サドルを通常よりも後ろのほうに取り付ける必要があるということです。

ISMのサドルに交換すると、基本的に今までのサドルよりも少し後ろに取り付けることになります。レールの前後スライドだけで足りない場合は、後退幅の大きなシートポストが必要になります。

後乗り&内股ペダリングをすると変な痛みが出るらしい

ISMのサドルに乗ると、ノーズの幅が広すぎると感じたり、太腿の付け根が擦れるなど、ストレスを感じるという人もいます。でもそれは「乗り方が間違っている場合」もあるようです。

ISMのサドルはノーズが2つに分かれているので、従来のサドルよりもノーズの幅は広いです。だから脚を擦り付けるように内股でペダリングをしたら、問題が起きるのは当然ですよね。

またノーズ幅に加えて、先述の通り、ISMのサドルは「前乗り」に最適化されているので、「後乗り+内股」は最悪です。

私はいま問題が無いから使っているのですが、以前「ある乗り方」をした時に痛みが発生しました。

それはやはり「サドルの後ろ寄りに乗って、内股気味でペダリング」という乗り方をした時。これをすると太腿の内転筋の付け根がサドルの肩にグリッと当たる感じで痛くなりました。

ISMのサドルを使ってみて、もし変な痛みやストレスを感じる場合は、私のように「どんな乗り方をした時にそうなるか」を見つければ、それを避けるだけで解決できます。

また、ストレスが発生するか・しないかは、股間周りの筋肉の付き方や、骨格の違いなど個人差も関係するでしょう。もし心配なら、サドルを買う前に「試乗」することをお勧めします。

サドルのセッティングも大事

ISMのサドルは「セッティングがシビア」とよく言われます。

実際私も、使い始めてすぐに股間の痛みは解消できたものの、その後100%納得のいく乗り味になるまでには、しばらく時間を要しました。

ISMのサドルを使い始めてすぐ「自分には合わない」と言っていた人が、サドルの高さ・前後位置・水平角度を何度か調節したら「このサドル最高!」となった例もあるので、快適に乗るためには、じっくり調節することも大切ですね。

試乗してから買うのがベター

試乗したほうが失敗は少ない

「ISMのサドル」を使えば、尿道・会陰部の痛みはほぼ確実に解消されます。これは断言できます。

しかし、どんなサドルにも自分に「合う・合わない」があり、それだけは乗ってみないとわかりません。

尿道・会陰部の痛みが消えても、「乗り方のクセ」や「骨格の違い」などが原因で他の所に痛みが出る可能性もありますよ。

サドルを買う時は「失敗覚悟で思い切って買う」というのも潔くて良いですが、手堅いのはやはり「試乗して確かめてから買う」ことですね。

ということで、できれば購入前に試乗することをお勧めします。

乗り比べると、乗り味が選べる

同じ『ISM』のサドルのうち「Attack」というモデルは、私が使っている「Breakaway」よりも更にフラットでスリムな形状です。

私は両方のサドルを試した結果、より自分好みの乗り味だった「Breakaway」を選びましたが、「股間が宙に浮いている感じ」は「Attack」のほうが上でした。

そんなふうに、いくつかのタイプを試乗することで、より自分に合ったサドルを選ぶことができますよ。

ISMのサドルは試乗ができる

ISMのサドルは「試乗用サドル」が用意されているので、買う前に試乗することができます。試乗用サドルを置いているお店が近くにあるなら、まずは試乗してみるのが良いと思いますよ。

試乗用サドルで50km~100kmくらい走り込めば、そのサドルの乗り味は大体解るはず。

私は試乗用サドルを装着してツーリングにも行ったので、かなり入念に乗り味を確かめた上で購入する製品を決定できました。

試乗できるお店が近くに無い場合は、もう思い切って製品を買うのも手です。いつまでも悩んでいるよりも買って確かめるほうが話が早いし、案外自分にぴったり合う可能性はありますよ。

まとめ

以上、自転車で股間・尿道が痛い時にオススメな「ISMのサドル」についてご紹介しました。

股間の痛みを1日も早く解消して、快適にサイクリングを楽しみたいですね。

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