406から451にインチアップしてみた、その効果は?メリット&デメリットを解説|451化
先日、折りたたみミニベロ「BIKE FRIDAY ニューワールドツーリスト」のホイールサイズを、
標準の「406」から「451」に変更するカスタマイズ『451化インチアップ』をしたことを別の記事でお伝えしました。
今回は「451化」してみて解ったその効果やメリット&デメリットをご紹介します。
ミニベロのインチアップを考えている人の参考になればと思います。
「451化」のカスタマイズ内容
今回「ニューワールドツーリスト」の451化は、以下の内容でパーツ変更をしました。
- リムを【406規格/22mm幅】から【451規格/19.5mm幅】に変更
- ハブを【カップ&コーン】から【シールドベアリング】に変更
- タイヤを【1.25インチ幅】から【1インチ幅】に変更
走行性能アップが目的なので「リム&タイヤ」はより細く、「ハブ」はより回るものにしました。
451化に使用するパーツで、効果は変わる?
「451化」の効果は使用するパーツによっても変わりますが、
効果の大半は「ホイール径の差」によるものなので、パーツによる違いは誤差程度であると考えて問題ないでしょう。
その上で、なるべく性能アップにつながるパーツを使用すれば効果は大きくなりますよ。
451化には「デメリット」もあります。そこで、なるべく走行性能が高まるようにパーツをセレクトすることで、451化のメリットを最大限に高めて、デメリットの存在感をどこまで押し下げられるかがポイントです。
「451化」のメリット
「451化」したことで以下のようなメリットを実感できました。
巡航速度が速くなった
いままでと同じようにペダリングしていても巡航速度が3km/h程度速くなりました。サイクルコンピュータに記録される平均速度も上がったので、わずかながら走行速度が向上しているようです。
速度維持が楽になった
いままでは高い速度を維持するためには高ケイデンスもしくは高トルクでペダリングし続ける必要がありましたが、「451化」後は以前よりゆったり回しても速度が維持しやすくなりました。
最高速度が上がった
タイヤの転がりが良くなった分、最高速度が上がりました。特に「下り坂」の最高速度は体力ではなくタイヤの転がりで決まるので、速度向上がわかりやすいです。
また、タイヤ外径が大きくなった分、同じギア比でも最高速度が伸びました。私は既に「アウター×トップ」までギアを回し切っていたので、もう少しだけ踏めるようになりました。
脚を休められるようになった
タイヤ外径が大きくなったことで、転がり抵抗が小さくなり、慣性モーメントもわずかに大きくなりました。そのため、ペダリングの脚を止めても速度の低下が緩やかで、脚を休めて惰性で走れる場面が増えました。
よりツーリング向きの特性になった
いままでよりも「高い速度の維持」や「一定速度での走行」がしやすい特性を獲得し、体力の温存が利くようになったので、ツーリングやロングライドにより適した性能バランスになったと言えるでしょう。
そもそも「ニューワールドツーリスト」は、その名の通り「旅する自転車」なので、ほかの多くのミニベロと比べて長距離走行などは楽なほうです。そして、その走行性能を更に引き上げることができたと思います。
「451化」のデメリット
「451化」には、次のようなデメリットもありました。
加速が鈍くなった
ホイール径が大きくなった分、ミニベロ特有の素早い軽快な加速感が薄れました。同じギア比でも、ペダリングが今までより重く感じます。
停止状態からの「漕ぎ初め」や「走行中の加速」など、加速するすべての場面でいままでよりも「もたつく」感じがあり、加速時のフィーリングは今までとはまるで別の自転車の様です。
低速ギアを1枚失ったような状態に
タイヤ外径が大きくなった分、同じギア比でもホイール1回転あたりの進む距離が伸びました。これにより、全てのギアが1段階高くなり、低速ギアを1枚失ったような状態です。
急な登坂など、ギアのロー側を使い切るような場面では、1枚分重たくなるとなかなか辛いです。
段差・縦溝に弱くなった
451化にともなってタイヤが細くなった分、タイヤによる衝撃吸収性が低下しました。いままで特に気にする必要が無かった場所でも、ある程度大きな段差には十分に減速してから進入する必要が出てきました。
また、スポーツ自転車の大敵である「路面の縦溝」にタイヤが敏感に反応するようになり、いままでよりも注意が必要です。さらに、縦に穴が開いた「側溝の蓋」は確実に回避する必要があります。
街乗りがしんどくなった
加速が鈍くなった分、「ストップ&ゴー」や加速にいままでよりも体力を使います。また、451化にともなってタイヤが細くなったので、歩道の段差など今まで気にならなかった「路面の変化」にも気をつける必要が出てきました。
街乗りではストップ&ゴーや段差は避けられないので、「451化」したことによって、街乗りでの快適性は今までより少し損なわれたように思います。
「451化」 その他の変化
ポジションが高くなった
タイヤ外径が大きくなった分、ハブの位置が高くなり、フレーム・BB・サドル等自転車全体の位置が15mm程度高くなりました。
これにより、立ち漕ぎ時の感覚が今までとは異なり、違う自転車に乗ったような違和感があります。また、前方投影面積が大きくなったので、空気抵抗が一定レベルで増加しているはずです。
ライディングポジション全体が上に持ち上がった状態で、ポジションの形そのものは変わらないので、ペダリングや身体的な問題はありません。
「451化」して気付いたこと
「406」と「451」の違いは意外に大きい
406と451のホイール径の差はわずか45mm、とても小さな違いです。また、タイヤを含めたホイール外径の差は更に小さくわずか30mmです。
しかし、たったそれだけの差が「走行性能」や「自転車の性格」に大きな違いを生みます。
「451化」をする前は、「多少の効果はあるはずだけど、そんなに大きくは変わらないだろう」と考えていました。しかし実際にやってみると想像以上に大きな違いが表れたのでした。
デメリットから先に体感することになる
家を出て町を走り出せば、信号や坂道や路面コンディションの悪いところもあります。そのため、「451化」して初めて乗った時は、デメリットのオンパレードを体感することになりました。
「451化」のメリットが生きるのは、今までよりも高い速度域で長い時間一定の速度で走るようなシーンです。そのため、メリットが十分に感じられるのは、ある程度走り込んだ後になります。
「ミニベロらしさ」の境界線を見た
「451化」したことによって狙い通りに手に入れたもの・メリットがありましたが、同時に失ったもの・デメリットもありました。特に大きいと感じたのは「加速の軽快さ」です。
ホイール径が小さいほど加速が軽快になるので、ミニベロはホイール径が大きな自転車よりも漕ぎ出し・加速において有利です。そして【406】と【451】の間にも同様の違いが存在し、少しでもホイール径が小さいほうが加速が楽だということが改めて解りました。
その他、【406】【451】のどちらであるかによって、ミニベロならではの特長や弱点が出たり・消えたりするのは面白く、「なぜ、20インチには406と451があるのか?」の意味と、そこにある境界線が見えたような気がします。
まとめ
「451化」は走行性能アップに効果あり
オンロードでの走行性能アップを狙った「451化」。メリットだけでなくデメリットもありましたが、私のニューワールドツーリストは期待通りの性能アップを果たすことが出来ました。
「406」「451」それぞれに良さがある
今回「451化」をしてみたことで、【406】【451】それぞれに特長があり、適したシーンが異なることが解りました。
「451化」による性能アップは成功しましたが、その効果が生かせる場面でなければ無意味で、場合によってはやはり【406】のほうが良いということもあるでしょう。
実際、ロードバイクよりミニベロのほうが楽で速い場面があるように、【451】より【406】のほうが楽で速い場面があるということです。
自転車はホイール径が小さければ全ての面において劣る、という考え方は間違いで、それぞれの良さを生かして使い分けることが「正解」であるように思います。
「406」に戻す可能性あり
今回の「451化」カスタマイズによって、私のニューワールドツーリストは【406】【451】両方のホイールが装着できるようになりました。必要ならいつでも【406】のタイヤ&ホイールに履き替えることが出来るので、行き先によって使い分けるのも良いと思います。
また、【406】の軽快なペダリングを取り戻したいと思う時もあります。再び【406】をメインに使用する可能性もあるでしょう。
どちらが自分に合っている?
「451化」のカスタマイズを考えている人や、
ミニベロの購入で「406or451」を迷っている人は、
「ホイール径の差によって自転車の性格にも違いがある」ということを覚えておいてほしいと思います。
- 「ミニベロらしい軽快さ」を重視するなら【406】
- 軽快さを犠牲にしてでも「走行性能」を重視するなら【451】
というふうに、
どちらが自分の乗り方に合っているかをよく考えて、自分に合ったほうを選べば失敗がないと思いますよ。
以上、ご紹介した内容があなたの自転車選びやカスタマイズの参考になればと思います。
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