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ふじたひであき
サイト運営者
兵庫県神戸市出身。自転車愛好家、フォトグラファー。

自転車のサイト『MINI VELO 道』ではミニベロとロードバイクの初心者向け情報や、楽しみ方を広げる話題などを紹介しています。自転車用品が好きで、最近は自ら製品開発にも関わっています。

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「シュワルベワン」のインプレ追記|耐久性と性能変化についてのレポート

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タイトルテキスト「シュワルベワンのインプレッション追記」

ミニベロの高速化を実現する
高性能タイヤシュワルベワン」について、以前別の記事で詳しくご紹介しました。

今回はその後のお話で、「シュワルベワン」を最後まで使い切ってわかった耐久性や性能変化についてのレポートをご紹介します。

  • 耐久性・寿命・交換サイクルはどの位なのか?
  • 高い走行性能はどのくらい続くのか?

そんな気になる部分の答えが出たので、「シュワルベワン」の購入を考えている人はぜひ参考にしていただければと思います。

結論から言うと、ファーストインプレッションを裏切らない良いタイヤでしたよ。

追加情報

2017年初頭、シュワルベワンがリニューアルされて新型になりました

新型シュワルベワンの比較&紹介を下記ページにご用意したので、こちらもぜひ参考に。

なお、リニューアルにともなって、旧製品は過去のものとなります。

以下、本ページでは「旧型」についてご紹介しています。

備考
  • 自転車のタイヤで消耗・劣化が先に顕著に表れるのは主に「後輪」です。したがって、この記事の内容は主に「後輪」の劣化状態を観察した結果です。
  • タイヤの消耗具合は使用状況によって大きく変わります。本記事で示している走行距離や性能変化は、私の最近の使用状況における結果と記録です。
  • 私は今回かなり激しく使い込んだので、通常より早く使い切っている可能性があります。また、走行にともなう傷やパンクなどは「運」もあるでしょう。
もくじ

1.「シュワルベワン」の性能変化

タイヤの性能は、走行距離や磨耗にともなって変化します。「シュワルベワン」の性能も使っていくうちに変化しました。

その変化を大まかな走行距離で区切ってまとめました。

走行距離:0~400km

「シュワルベワン」を使い始めて、走行距離0~400km位までの期間は最高の転がり性能を発揮していました。

非常によく転がるので、空気圧を極端に高くする必要は無く、私は【フロント:8.5気圧】【リア:9.0気圧】に調節して使っていました。

そうすると【転がり性能】と【振動吸収性】のバランスがちょうど良く「速くて乗り心地が良い」、まさに文句の付けようが無い素晴らしいタイヤであることが実感できました。

◎前回、シュワルベワンの最初のインプレッション記事を書いたのが、ちょうどこの頃でした。

走行距離:400~800km

走行を重ねて、走行距離が400kmを超えると、「シュワルベワン」は新品時と比べて一皮剥けた状態になりました。

「シュワルベワン」は初めは表面が硬く、指で触ると「すべすべ」していましたが、一皮剥けるとそれがややザラザラとした状態に変わり、それにともなって【グリップ性能】が向上しました。

同時に【転がり性能】がわずかに低下して、使い始め当初の「感動的なまでの転がり性能」は薄れてきたと感じました。

それでも従来のタイヤと比べれば、この時点でもかなりの高性能タイヤと言えます。

◎「シュワルベワン」はグリップ性能も高いタイヤですが、先代製品「アルトレモ」と比べるとグリップ性能がやや低いので、磨耗にともなうグリップ性能の向上は好印象です。

走行距離:800~1400km

磨耗にともなう【グリップ性能】と【転がり性能】の性能バランスの変化は、走行距離に比例して最後まで進行します。

走行距離が800kmを超える頃、【転がり性能】の低下が顕著になってきました。使い始め当初の性能を知っているので「前より転がらなくなった」と感じました。

この時点で、実際にはまだまだ全然良く転がっているのですが(笑)、人間は楽を知ると後戻りできないものですね。

その後、タイヤ表面にダメージが発生したので、今回の1本は走行1480kmくらいで使用を終了しました。とくに傷みがなければ、もっと走行距離を重ねられたでしょう。

途中で試したこと|ちょっと考察

シュワルベワンの摩耗にともなう性能変化を感じながら、次のようなことを考えたり・試してみました。

空気圧を上げて「転がり性能」を少し回復

タイヤが磨耗して、転がり性能が低下。その性能バランスの変化の進行に対抗するために途中から「空気圧」を0.5気圧ほど高めにしてみました。

すると、それまでよりも転がり性能がやや回復しました。乗り心地を悪化させたくなかったので、それ以上の高圧にするのは止めました。

磨耗を抑えれば、高い転がり性能を長く保てるはず

シュワルベワンの「転がり性能の低下」は磨耗によって進行します。つまり、なるべく磨耗させないような使い方をすれば、もっと長い期間、抜群の転がり性能を発揮できるはずです。

「高速走行」や「急坂の上り下り」「立ち漕ぎ」「ハードブレーキング」など、タイヤに大きな負担をかける瞬間は、減らそうと思えば減らせます。

「高い転がり性能」を少しでも長く保ちたいなら、タイヤの使い方を意識すると良いでしょう。

例えば「街乗り」や「のんびりペースのツーリング」など、タイヤを温存できる使い方なら、磨耗は幾分抑えられて、性能も寿命もより長持ちするはずです。

2.「シュワルベワン」の耐久性・寿命

以下は「シュワルベワン」の耐久性についての所見や、どのくらいまで使うと寿命の終わり時であると判断できるかなど、使用にともなう状態の変化の記録です。

走行400kmくらいで一皮剥けた

「シュワルベワン」は使い始め当初は、表面がかなり硬く・すべすべしたタイヤです。走行距離を重ねるうちに、まずは「ヒゲ」が取れて、それから表面のすべすべした部分が磨耗しました。

この一皮剥ける頃までが「最高の転がり性能」を発揮する時期で、それ以降は「転がり性能」と「グリップ性能」の変化が感じられました。

表面は硬く、砂利や異物の食い込みはほとんどしない

幹線道路の路肩寄りや公園など「砂利」がある場所や「砂利道」を頻繁に走行しましたが、砂利がタイヤに食い込んで取れなくなるようなことは一度もありませんでした。

砂利や異物の埋没によって「パンク」が引き起こされる心配は少ないでしょう。

一度だけ金属片が食い込んだことがあった、でも大丈夫だった

一度だけ、タイヤ表面に「長さ5mm程度の細長い金属片」が食い込んだことがありました。金属の加工で出たクズのような鋭利なものでした。

幸い、その金属片がタイヤを貫通することはありませんでした。しかし、金属片を取り除いたタイヤ表面に「長さ5mm程度の切り裂き傷」が残りました。

この切り裂き傷が広がらないように「接着剤」を塗りこんでその後も使用を続けました。これが走行300km頃の出来事で、その後1000km以上走行しました。

結果、最後まで傷が大きくなることはありませんでした。もっとも、接着剤は途中で磨耗して無くなっていたので、たぶん接着剤なしでも大丈夫だったのでしょう。

◎結構ラフな道をガシガシ走ったこともありましたが、今回のタイヤではこれ以外に切り裂き傷が発生したことはなく、異物の食い込みにくさや「耐カット性」は高いと思います。

走行800kmくらいから接地面が平らになってきた

走行距離が800kmを超えた頃から、タイヤ接地面(トレッド部)が磨耗して丸い形から徐々に平らになっているのがわかりました。これが「転がり性能の低下」につながります。

寿命の終盤には弾力の低下が見られた

走行距離が1200kmを超えた頃から、タイヤ表面の「弾力の低下」が見受けられました。

これは「乗り心地の悪化」という意味ではなくて、「コンパウンドが油分を失って柔軟性を失った」という意味です。

タイヤは油分を失うと表面が荒れたり割れやすくなります。ザラザラとした感じが強くなり、接地面の磨耗も急速に進んで平らになっていきました。

弾力低下後の高速走行でクラックが多数発生した

走行距離が1400kmを超える頃に、山道の下りを高速走行しました。その後タイヤの痛み具合をチェックすると、いままで無かったクラック(亀裂)が無数に発生していました。

クラックは長さ1~3mm程度の小さなものでしたが、トレッド部の外側寄りの部分に複数発生していました。弾力を失ったタイヤで、車体を傾けて高速でカーブを曲がったことが原因だと思います。

山道の下りや高速走行はそれ以前もしていたので、「弾力の低下」が重なったことが重要な要因だと考えます。

◎この時点でクラックはまだ小さく浅いものだったので、安全上の問題はありませんでした。しかし次に同様の走行をすれば、クラックが増えるまたは広がる、最悪の場合はバーストにつながる可能性があると考えたため、その後すぐに新しいタイヤに交換しました。

性能が低下し、傷みが表れた時が「寿命」の終わり

以上の結果から、使用にともなう「性能低下」と「傷み」が重なった時が「タイヤ寿命の終わりどき」であり、「タイヤを使い切った」と言えるタイミングです。

もちろん、安全に影響を及ぼす「傷み」が先に発生したら、その時点で使用を中止する必要があります。このことは他のどのタイヤにおいても同じことが言えるでしょう。

◎「シュワルベワン」は超高圧なタイヤなので、傷みが発生したらすぐに使用を止めて新しいタイヤに交換したほうが良いでしょう。傷み具合をこまめにチェックすることが大切です。

3. その他

前後ローテーションするなら、転がり性能の低下を感じた時がそのタイミング

通常、自転車のタイヤの前輪の磨耗は、後輪の磨耗よりもずっと緩やかです。そのため、後輪の磨耗が進んで「転がり性能の低下」が目立ってくる頃に、前輪の磨耗具合は後輪の半分程度。

前後のタイヤを「ローテーション」するなら、後輪の磨耗と転がり性能の低下を実感した頃を目安にすると良いでしょう。

そうすれば、まだまだ性能が十分に残っている「前輪」を駆動輪に使えますね。

ちなみに今回の検証ではローテーションをしておらず、後輪を使い切った時点で前後輪とも新品に交換しました。 早めにローテーションしていたら、もっと長く使えたはずです。

乗り心地の良さは最後まで変化しなかった

シュワルベワンの「転がり性能」と「グリップ性能」は使用・磨耗にともなって変化していきましたが、「振動吸収性」は最後まで変化しませんでした。

シュワルベワンの振動吸収性・乗り心地の良さは、タイヤのサイド部分の薄さ・柔らかさによって実現されています。

タイヤのサイドは通常走行では磨耗しないので、最後まで良い仕事をしてくれたということです。

まとめ

ファーストインプレッションを裏切らない、良いタイヤだった

今回「シュワルベワン」を最後まで使い切ってみて判ったのは、

  • 「転がり性能」は低下するが、最後まで従来のタイヤよりもよく転がる
  • 「耐カット性能」は確かに高く、異物の食い込みや切り裂き傷は最小限で済んだ
  • レースグレードのタイヤとしては結構丈夫で長持ちする

ということです。

あまりベタ褒めするのは好きではないのですが…

「シュワルベワン」は確かに走行性能と実用性のバランスが良い優れたタイヤだといえます。シュワルベの頑張りを認めましょう。(←なぜか上から目線)

耐用距離が合えば、用途を選ばない良いタイヤ

通常の街乗り系タイヤや、ツーリング系のタイヤなどと比べると、シュワルベワンの寿命の長さ・耐用距離はやはり「短い」と言えます。

ただ、それが問題になるかどうかは、乗り手の走行頻度やスタイルによるでしょう。

今回私は結構ハードに使ったので、走行1480km位で使い切って交換しましたが、もっと優しくマイルドに使えば2000km程度は持つはずです。

  • 例えば、週末サイクリストで毎週末に100km走る人なら、単純計算で20週(約5ヶ月)は持つと言えます。そんなに走らないという人は、もっと長持ちするでしょう。
  • 一方で、1ヶ月に1000km以上走るような猛者もいます。そういう人は乗り方もハードでしょうから、2ヶ月ともたないでしょう。

ということで、「耐用距離」にさえ納得がいけば、
街乗り・ツーリング・ロングライドなど用途を選ばず、舗装路なら大体どこでも快適に使えるタイヤであると言えます。

速さを求めるミニベロ乗りに「シュワルベワン」、おすすめです。

シュワルベワンの【406用】はこちら

シュワルベワンの【451用】はこちら

  • シュワルベワンがリニューアルされたので、上記リンク先も「新型シュワルベワン」が表示されます。
  • リニューアルによってタイヤの太さや仕様が異なる場合があります。
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