乗り心地が良いミニベロ・折りたたみ自転車を見つけるための5つのヒント【初心者向け】
ミニベロ・折りたたみ自転車を選ぶ時に、
「乗り心地が良い・乗りやすい車種」に出会えるといいですよね。
そこで今回は、「乗り心地が良い車種を見つけるためのヒント」をご紹介します。
まず前提として知っておきたいのは、
ミニベロ・折りたたみ自転車は、ママチャリやロードバイクなどタイヤが大きな自転車と比べると乗り心地が悪い傾向がある
ということ。
そのため、ミニベロの乗り心地の悪さに悩まされる人は多く、私自身もなんとか改善できないかとアレコレ試したり、車種選びに真剣になった経緯があります。
そうして解ったことをお伝えするので、
ミニベロ・折りたたみ自転車に乗り心地を重視する人にとって参考になればと思います。
- 自転車の乗り心地を考える時、「サスペンションの有無」にばかり目がいってしまうという人もいると思いますが、じつはサスペンション以外の要素もあります。
- サスペンションが付いていない車種でも、条件を満たせば乗り心地が十分に良いことがありますよ。
- 自転車の乗り心地を左右するポイントをチェックしてみましょう。
乗り心地が良いミニベロ・折り畳み自転車の5つの条件
ミニベロ・折りたたみ自転車を選ぶ時には、
次の1~5の条件に1つでも多く当てはまる車種を選ぶことで、「乗り心地が良い車種」を見つけられるようになります。
◎すべての条件を満たさなくても、2~3個程度に当てはまる車種なら、そうでない車種と比べて乗り心地が良いといえるでしょう。
1. 太めのタイヤを履いている
自転車の乗り心地・振動吸収性は「タイヤの幅・太さ」によって大きく変わります。
自転車のタイヤの振動吸収性はおもに「空気」によるもの。
通常、タイヤ内の空気容量(=エアボリューム)が多いほど振動吸収性は良くなり、乗り心地が改善されます。
例えばMTB(マウンテンバイク)が悪路から街中まで段差を気にせず楽々走れるのは、その太いタイヤによる振動吸収性の良さが効いているから。(サスペンションの有無に関係なく)
同様に、ミニベロ・折りたたみ自転車においても「太めのタイヤを履いている車種」は、小径タイヤの割に意外なほど乗り心地が良かったりします。
サスペンションが無い車種でも、太いタイヤを履いていれば十分な振動吸収性があるのです。
また、細いタイヤを履いている場合は「より太めのタイヤ」に交換することで乗り心地を改善することができるので覚えておきたいですね。
大まかな目安として「幅34mm以上のタイヤ」を太めと考えると良いでしょう。
タイヤの幅は「車種の仕様表」や「タイヤのスペック表示」を見れば確認できます。
通常、幅25mmよりも28mm、幅32mmよりも37mmのタイヤのほうが乗り心地が良いですよ。
2. ホイールサイズが大きめ
自転車の乗り心地・振動吸収性は「タイヤ・ホイールの直径」によっても大きく変わります。
ミニベロ(小径車)にはさまざまなホイールサイズがあり、主に小さいものでは6インチ~大きいものでは24インチまで幅広い。
そして基本的に「ホイールサイズが大きいほど乗り心地は良好」で 「ホイールサイズが小さいほど乗り心地・振動吸収性は悪い」という傾向があります。
- ホイールサイズが大きいほど段差をスムーズに通過しやすい。
- ホイールサイズが小さいほど段差がより大きく・衝撃が強く感じられます。
同じ段差でも、ホイールサイズが違えば段差が相対的に大きくor小さく感じられるのです。
それだけではありません。ホイール径が違えば、車体の作りも違ってきます。
ホイールサイズに合わせてフォーク/シートステー等が小さく短くなればより硬く、逆に大きく長くなれば「しなやかさ」が生まれます。
「ホイール自体の大きさ」と「ホイールに合わせた車体の作り」、この2つの要素がダブルで乗り心地を左右するということです。
ミニベロ・折りたたみ自転車は、タイヤが小さいことが最大の特長ではありますが…
乗り心地の良さを求める場合は、小径車の中でもなるべくホイールサイズが大きいものをセレクトするのが得策といえますね。
目安として、「16インチ以上の車種」はそれ未満のホイールサイズと比べると乗り心地は良好なほうで、初心者にもお勧めできます。
さらに「18インチ・20インチ」等、ホイールサイズがより大きいほど乗り心地は良くなりますよ。
16インチ未満でもその他の「乗り心地アップ要素」を持っていれば必ずしも乗り心地が最悪ということはないので、他の要素とあわせてチェックしてみてください。
3. フレームに振動吸収性がある
次のような車種・フレームは振動吸収性が高く、乗り心地が良い傾向があります。
- クロモリ、カーボンなど振動吸収性の高い材質で作られている
- フロントフォークがカーボン素材
- 車輪は小さいけれどフレームが大きい
- フレームに細いパイプが使われている
- フォークやシートステーがカーブ形状
クロモリフレーム、カーボンフォークなど「しなやかさ」や「高い振動吸収性」をもつ材質で作られたフレームは乗り心地が良いです。
乗り心地重視で車種を選ぶ時には、そのフレーム素材もチェックしてみましょう。
材質だけでなく形状も乗り心地に関係
また「小さい車輪に対して大きめのフレームを組み合わせた車種」は乗り心地がソフトな傾向があります。
これは同じ材質でも細長い作りのほうが「しなやかさ」や「たわみ性」が生まれるから。
さらに、フォーク/シートステーの形状によっても乗り心地は変わります。
一般に、ストレートよりも曲がっているほうが振動吸収性は高く、太いよりも細いほうが振動吸収性は高いです。
ちなみに、フロントフォークがグイッと前に突き出ている車種は、振動吸収性が良いだけでなく、ハンドリングもゆったりと安定している傾向がありますよ。
フレームの中でも特にフォークの作りの違いは「乗り心地」や「安定感」に比較的大きな影響を与えます。乗り味にこだわる人は、フォークの材質や形状にも注目してみてはいかがでしょう。
同様に「ハンドルバー」も細いもの・カーブ形状のものは「しなり」が効いて振動吸収性が高いので、車種選びの際にはチェックしたいポイントです。
アルミフレームは絶対に乗り心地が悪い?
一般に「アルミフレームは硬い」と言われますが、必ずしも乗り心地が悪いとは限りません。巧みな設計によって、アルミでありながらマイルドな乗り味を実現している車種もありますよ。
また、アルミフレームの車種であっても、このページで挙げている「乗り心地が良い自転車の条件」にいくつか当てはまる場合は、やはり乗り心地が良い傾向があります。
4. サスペンションを装備している
ミニベロ・折りたたみ自転車の中には「サスペンション機構」をもつ車種も数多くあります。
乗り心地を改善する上でサスペンションは効果的で、その有無は大きな違いを生みます。
サスペンションの構造は車種によって様々ですが、やはり「あると・ないとでは大違い」ですね。
- 前輪のショックを吸収するフロントサスは、ハンドルを握る手への負担を軽減し、
- 後輪のリアサスはお尻への突き上げ感を減らして乗り味をマイルドにしてくれます。
柔らかい乗り味が好きな人は「サスペンション付きの車種」を選ぶと幸せになれる可能性が高いですよ。
サスペンションにはデメリットも
乗り心地アップに有効なサスペンションですが「リアサス」にはデメリットもあります。
リアサスの沈み込む動きが、ペダリングのパワーやダイレクト感を奪ってしまうという副作用がありますよ。
ペダリングパワーが思うように伝わらず、上り坂などトルクが必要な場面がよりしんどく感じることも。
リアサス付きの車種は「パワフルな走りを求めると気持ち良く反応してくれないことがある」という点を覚えておいてくださいね。
- キレのある加速感や、ペダリングのダイレクト感を重視する人は「リアサスペンション以外」の乗り心地アップ要素をもつ車種のほうが自分好みの乗り味である可能性が高いです。
- 主に平地・街中などをのんびり走る場合には、誰にとってもサスペンションのメリットが大きく感じられるでしょう。
5. ホイールベースが長い
「ホイールベース」とは、前輪と後輪の車軸の距離のこと。
ホイールベースは車種によって異なり、比べてみると他より2~3cm長いことや、逆に10cm以上短いこともあります。
ホイールベースの長さの違いは、自転車の乗り心地にも違いを生みます。
一般によく知られているのは「ホイールベースが長いほど直進安定性が高く、逆に短いほど小回りは効くがフラフラしやすい」ということ。
それだけではありません。
- 「ホイールベースが長い」=「フレームが大きいor長い」ということで、自ずと振動吸収性も高くなる傾向がありますよ。
- さらに、ホイールベースは次のような形で乗り心地に影響します。
ホイールベースで段差での挙動が変わる
「ホイールベースが長いほど、段差を通過する時の挙動が穏やか」というのは、あまり知られていない事実です。
かんたんなイラストで説明してみます。
段差を乗り越える時、まずは前輪がガタン、次に後輪がガタンと動きますよね。
このガタン!という縦揺れの動きは、車軸が支点になっています。
段差を通過するときの衝撃は単なる縦揺れではなく、車軸を支点にした回転方向の動きなんですね。
そして、段差による前後の傾きは、ホイールベースによって増減します。
- 同じ段差でも、ホイールベースが短いほど、前後の傾きは大きくなります。
- ホイールベースが長いほど傾きは小さく、挙動が穏やかになります。
このことは「前後の車軸を結んだ三角形・底辺の傾き」を見ることで理解できるでしょう。
多くの場合、「ホイールベースの違いは数センチ」とか「段差での傾きの差は数パーセント」という小さな差ですが、
自転車に乗っているのは生身の人間なので、そんな小さな違いも「乗り心地の差」として感じられるのです。
段差を通過するときの「体が揺さぶられる感じ」に差が出てきますよ。
- 「乗り心地重視」で自転車を選ぶ際には、ホイールベースにも目を向けると面白い。
- 乗り心地の良さや走りの安定感を目指して作られた自転車は、ホイールベースが長くとられていることが多い。
【参考】乗り心地が良い車種の例
ここまで『乗り心地が良い車種の条件』を見てきました。
それを踏まえた上で、ご参考までに筆者のミニベロ・折りたたみ自転車を見てみましょう。
BIKE FRIDAY ニューワールドツーリスト
フレーム素材はクロモリで、足回りは細く・しなやかに作られています。また、ホイールベースは普通より長めです。
乗り心地アップ要素をいくつも持っているので、やはり「20インチ折りたたみ自転車」の中ではかなり乗り心地が良いほうですね。
BROMPTON(ブロンプトン)
16インチの小径車としてはホイールベースがかなり長く、足回りは細く作られています。リアサスペンションは簡素なものですが、見た目から想像されるよりもショック吸収効果があります。
折りたたみ小径車なので、それなりに段差に悩まされることもありますが、「16インチの折りたたみ自転車」の中では乗り心地は良いほうですよ。
ラレー RSP
それから、下の写真は「ラレーのRSP」。
クロモリのホリゾンタルフレームは、フレーム全体の振動吸収性が高く、足回りも細く・しなやか。タイヤは35mm幅の太めのものがセットされています。
乗り味はとってもマイルドで、ゆったり心地良いサイクリングが楽しめます。
このような「乗り心地が良い車種」は、街乗りでもロングライドでもストレスが少ないように思います。
ミニベロ・折りたたみ自転車は乗り心地が悪い傾向がありますが…
「乗り心地が良い自転車の条件」に2~3個程度当てはまる車種を探すことで、比較的乗り心地が良い車種をセレクトできる、ということがお解りいただけると思います。似たような車種を探してみましょう!
まとめ&関連情報
ということで今回は、ミニベロ・折りたたみ自転車を選ぶ際に役立つ、
乗り心地が良い車種を見つけるためのヒントをご紹介しました。
このようなポイントを知っておくことで、ミニベロ・折りたたみ自転車の数々の車種の中から「乗り心地が良い車種」を見つけられるようになりますよ。
少しでも乗り心地が良い車種を見つけることができれば、段差などによるストレスが減って、より快適にサイクリングが楽しめます。
お伝えした内容が、あなたの自転車選びのお役に立てれば幸いです。
それでは、楽しい自転車ライフを!
タイヤの空気圧でも乗り心地は変わる
自転車の乗り心地・振動吸収性は「タイヤの空気圧」によっても大きく変わります。
下記ページで詳しく解説しているので、乗り心地の改善方法を模索している人はぜひ参考に。
ミニベロ・折りたたみ自転車の車種選びに役立つ本
ミニベロ・折り畳み自転車の購入を考えているなら、まずは「色々な車種が一覧できる本」を見るのがオススメです。
ミニベロ・折りたたみ自転車の購入前の予習ページ
ミニベロ・折り畳み小径車を買う前にチェックしたい、知っておきたいことをまとめたページです。