「輪行」の本当のメリットを知ってる?輪行すれば自転車の自由度が最大になるよ
先日、私が滋賀県・びわ湖周辺をサイクリングした日、輪行のメリットを改めて実感しました。
その日、琵琶湖一周コースをぐるりと回り「あと1時間ほど走れば完走」というところで、私と友人はびわ湖を一周するのをやめて、夕方までのんびりポタリングを楽しむことに。
「完走」することにこだわらないで、「旅を楽しむ」という選択をしたのです。
すると、どうなったか?
琵琶湖一周で使うはずだった残りの時間を「グルメ」や「観光」に使えたので、
結果的に、ただコースを完走する以上に楽しい旅になったのでした。
そんなことが出来たのは、僕らが『輪行』という手段を持っていたから。
帰りの駅のホームで、友人と二人で「輪行っていいね」という話をしたのを覚えています。
輪行することで、僕らは「距離や時間にしばられない自由」を感じていました。
ということで今回は「輪行のメリット」「輪行すればできること」などについてご紹介してみます。
1. ロングライドに見る「輪行」のメリット
自転車の自由度が最大になる
自転車は本来「自由な乗り物」です。
徒歩のように気軽で、歩くよりも速く、そして車よりもずっと小回りが利きますよね。
だけど、
- 「そのままでは乗り物には乗れない」
- 「最後まで自走して帰らなければならない」
- 「自走できる範囲内でしか行動できない」
という自転車ならではの不自由さもあります。
それを解決できるのが【輪行】です。
「輪行」とは、自転車を分解したり・折りたたんだりして、電車・バス・船などの交通機関で移動すること。
「輪行する」または「輪行できる準備をしておく」ことで、不自由さを解消して、自転車の自由度が最大になります。
どういうことか説明しましょう。
行動範囲が広がり、計画の自由度が高まる
自転車に乗って家を出てから帰宅するまでの「走行距離」や「行動範囲」は意外に小さいものです。
使える「時間」と「体力」は誰にでも限りがありますから、その範囲内でしか行動できません。
しかし【輪行】すれば、もっと遠くまで行くことができます。
たとえば、2倍遠くへも行ける
行きを自転車で・帰りを電車で移動すれば、片道分の時間と体力が余るので、いつもより2倍遠くまで走ることもできます。
輪行で行けるところ全てがサイクリングのフィールドに
遠くの町まで自転車を運んでから、現地で走り出せば、見知らぬ土地で新たな自転車旅をスタートすることもできます。
旅のはじまりも終わりも自分で決められる
輪行すれば、旅のスタート地点もゴール地点も自由自在。好きなところから走り始めて、好きなところでサイクリングを終了できます。
「寄り道」も「リタイア」も自由
「完走」することが必須のように思われるロングライドでも、輪行という手段を持っていれば、「急なトラブル」や「ルート変更」にも対応できます。
自走しか移動手段がない時=完走するのが義務
例えば、
- 「予定時間内に完走できない」とか
- 「疲れた」「怪我をした」など、
何らかの理由でサイクリングを中止したい時はあるもの。
しかし、自走する以外に移動手段がないなら、自宅やゴールまでは何がなんでも走り切る必要があります。
また例えば、ロングライドのメジャーコースには自転車をマイカーに積んで行く人も多いですが、車で行くと何があっても車までは戻らなければなりませんよね。
- 自走しか移動手段がないなら、原則「完走するのが義務」「リタイアは許されない」ということになります。
輪行という選択肢があればリタイアは自由で、時間や距離が気にならない
【輪行】という選択肢があれば、もしもの時は、自走以外の方法でも帰ることができます。完走できない時は、途中で旅を終了してもいいんです。
「寄り道」や「道迷い」をすると時間的に完走が難しくなることもありますが、これも【輪行】を使えば、ロスした時間を取り戻したり、時間や道のりを短縮することもできます。
また、長距離サイクリングでは「時間に追われて、ただ必死で走るだけの一日」になったり、旅を楽しむ余裕が無くなることもありますが、【輪行】という手段を持っていれば焦りは消えます。
- 「完走」できなくたって大丈夫ですよ。ちゃんと帰って来れます。
- 「思い付き」で行動しても良いんです。時間の心配は要りません。
ロングライドから「焦り」が消える、疲労感が違う
自転車の日帰りロングライドは「体力」そして「時間」との戦いです。
ほとんどの人は、日が暮れる前に・暗くなる前に完走したいと考えていると思います。また、明日のことや疲労が残ることを考えると、少しでも早く帰れたら嬉しいですよね。
だから、ロングライドでは走ることに必死になって、ゆっくり景色を見たり食事を楽しむ余裕が無くなることがあります。
結局、その焦りがかえって疲労を招くのですが。
ところが【輪行】という手段を用意しておけば、「寄り道」しても、「トラブル」が起きても、「リタイア」しても普通に帰って来れるので、
その「安心感」が焦りを消して、気持ちや時間に「ゆとり」が感じられるようになります。
結果的に、輪行することなく完走した時も、その疲労感や充実感が違ってきます。
精神的な状態が体の疲労感に与える影響は想像以上に大きいので、特にロングライドでは、焦らず・リラックスして走ることが大切。
その日、実際に輪行を「するか・しないか」に関わらず、輪行できる用意さえしておけば、この余裕と安心感が手に入ります。
2.「輪行」を活用しよう、初心者にこそ役に立つ
「輪行」で自由を手に入れよう
「輪行」という手段が持つ意義や役割は、ただ自転車を交通機関で運ぶことだけではありません。
輪行が「できる・できない」の違いは、自転車乗りの自由度や余裕に大きな差を生みます。
- 輪行という選択肢がなければ「サイクリングは完走することが義務」になります。
- 輪行という選択肢があれば「完走するも・しないも自由」です。
輪行=バックアップ&エスケープ手段にもなる
輪行は、限られた時間と体力に「もっと自由に動き回れる余裕」を与えてくれます。
自分が持っている時間や体力が足りなくなった時に、それを補ってくれる「バックアップ」みたいな存在になります。
また、悪天候や怪我・疲労、自転車の故障など走り続けることができない状況から脱出させてくれる「エスケープ手段」にもなります。
輪行したい時・輪行が必要な時にいつでもできるように、日ごろから、特に長距離サイクリングの時には「輪行」できる準備をしておくことをお勧めします。
初心者にこそ「輪行」は頼りになる味方
ロードバイクやクロスバイクなど、スポーツ自転車に乗り始めた初心者が、いきなり長距離サイクリングなどに挑戦して挫折するケースは多いです。
「○○○一周!」とか「○○○km走破!」など明確な目標を持つのは面白いですし、達成したら自慢できます。
しかし、十分な体力や経験・準備なしに行ってしまうと、なかなかハードルは高いものです。そして辛い思いをして、自転車から遠ざかってしまう人も。
そんな時に「輪行」という手段を持っていれば、「しんどくなったら無理せずに輪行で帰る」という選択ができます。
また、遠くの目的地まで無理に全行程を自走しなくても、途中の駅からスタートすれば、経験や体力に見合った難易度で走れます。
「今日はここまで」「今日はここから」、輪行すればそんな楽しみ方ができるようになりますよ。
無理しない、楽をしよう
全行程の自走や完走にこだわって、ついつい無理してしまう人は多いです。
「疲れ切ってフラフラでも、膝が痛くても、走り続けなければならない」――そんなふうに覚悟を決めて自転車に乗っている人は多いです。たしかに、輪行できないなら走り続けなければならないでしょう。
何事も無理をすると長く続きません。競技入賞を目指しているならともかく、趣味で自転車に乗っているなら、無理する必要なんてありません。自転車の楽しい部分だけを味わえば十分です。
「輪行」すれば体力・時間を節約したり、熟練度の差を埋めることができるので、初心者も遠くへ出掛けたり、余裕を持って自転車を楽しむことができます。
サイクリング初心者こそ、「輪行」を取り入れてみると良いと思いますよ。
まとめ
ということで今回は「輪行のメリット」などについて色々お話してみました。
あなたも輪行を活用した自転車ライフを楽しんでみてはいかがでしょう?
ご紹介した内容が参考になれば幸いです。