
自転車で行くロングライドやツーリング。
長距離・長時間を走り切るためには「走り方」にいくつかのコツがありますよ。それを覚えるまでは誰でもしんどい思いをするものです。
でも逆を言うと「コツさえ知っていれば結構走れてしまう」ということ。
そこで今回は「長距離サイクリングを完走するための、走り方のコツ&ポイント」を紹介します。
これさえ意識すれば、きっとあなたも長距離サイクリングを楽しめるはずですよ。
もくじ
1.効率の良い「走行ペース」を保つ
長時間・長距離を走り続けるためには「走り続けられるペース」を保つことが大切です。
これは自転車でもランニングでも同じで、全力疾走は1分と持ちませんが、ジョギングなら長い時間走れますよね。
感覚的には自分が出せる力の30%くらいを意識してペダリングすることで、疲れにくくなり、より長い時間走れるようになります。
例えば、頑張ると35km/hのスピードが出る人は、頑張らなければ20km/hくらいでしょうか。
それが無理のない「巡航速度」であり、あなたが意識すべき「基本のペース」です。
「ペースを抑える意識」を持つことで無駄な体力消耗を減らし、効率良く走りましょう。
2.ダメージを作らないように「低負荷」で走る
高負荷なペダリングをすると体に疲労やダメージが蓄積します。「重たいギアでペダルを踏み込む」とか「上り坂を力づくで登る」などは高負荷なペダリングです。
そして「脚が疲れた…」とか「ひざが痛い…」と感じ始めたら、そこから全回復することはできません。疲労感や体のダメージは、最小限に抑えたいですね。
そこで、まずはペダリングの負荷を下げることが大切です。走行中に「重いギアを踏んでいるな~」と思ったら、ギアを1~2段下げてみましょう。
- 速度に対して「やや軽めのギア」を選ぶ
- ペダルをグイグイ踏むのではなく、クランクをクルクル回す
という意識を持つことで、ペダリングの負荷が下がります。
積極的なギアチェンジによって負荷を調節することができます。いつもクランクを滑らかに回せるギアを選びましょう。
その際、「軽すぎるギア」を選ぶと効率が悪くなるので、「効率が良いと感じられるギア」を選ぶことが大切です。
「登り坂でギアが足りない」など、どうしても踏むしかない場面はあります。すると体には疲労やダメージが生まれます。
そんな時は「自転車を降りて押して歩く」のも長距離完走を見据えるなら立派なテクニック。無理して走るより、体を温存するほうを選びましょう。
3.体力温存のために「省エネ」で走る
長時間・長距離を走るなら、体力を温存して浪費しないように意識することが大切です。
例えば、
- 「脚を止められる時は積極的に止める」
- 「下り坂では基本漕がない」
ペダリングする必要がない時は脚を止めてみることで、脚を休められる時間が作れます。
また、「ストップ&ゴーは体力・エネルギーを消費する」ということも忘れてはいけません。
- 「信号が変わるのに気付いたらペダリングをやめて惰性で進む」
- 「停止せずに済むように速度を調節してタイミングを合わせる」など、
なるべく止まらずに済むような工夫はできますよね。
ブレーキをかけることはエネルギーを捨てるのと同じです。極力ブレーキをかけずに済むように周囲をよく見て走ることで省エネ走行になります。クルマの省エネ運転と似ていますね。
「無意味なペダリング」を続けたり、ついつい「スピードを出し過ぎる」ことは体力の浪費につながります。
また、先読み不足による加速・減速のくり返しは、エネルギーの無駄そのものです。
サイクリング終盤までは「まだまだ先は長い」ということを頭に置いて、体力を温存しましょう。省エネへの意識は効果的です。
4.バテないように「補給」をする
長時間・長距離を走るためには『補給』が欠かせません。
自転車は「ダイエット効果が高い」なんて言われますが、それってつまり効率良くカラダを消耗しているということ。また、ダイエットが目的でも補給は必要です。
補給をしないと「疲労が大きくなる」「筋肉量が減る」「身体が動かなくなる」「生命の危険に陥る」など、デメリットしかありません。
そして補給のタイミングは早め早めに。補給が遅れると吸収が追いつかず、急激にしんどくなりますよ。
長距離サイクリングでは水分、糖質、BCAA、電解質などの積極的な補給が必要です。
5.「休憩」して小さな回復を繰り返す
休憩は必要です。休憩をとることで、疲労感を一時的にリセットしたり、膝やお尻の痛みを和らげることができます。
長い距離を走ったり、急な坂を登れば、誰だって疲労します。身体のどこかが痛くなることも。途中で限界を感じることもあるでしょう。
でも、少し自転車を降りて休むだけでパフォーマンスが一時的に回復することがありますよ。
- 疲れたと思ったら休憩する。
- 身体の痛みが気になったら休憩する。
- 疲れや痛みを感じる前にマメに休憩する。
この休憩は「2~3分」程度の短いもので十分です。
走りに集中していると、ついつい休憩するのを忘れがちなので、一定の時間や距離を決めて休憩をとりましょう。
6.カラダの疲労・ストレスを分散する
長時間・長距離を走れば必ず疲れます。そしてカラダの疲労やストレスは、どこかに集中していると余計にツラく感じます。
例えば「お尻が痛い」「膝が痛い」「肩や首が痛い」「手が痛い」など、身体の色々なところに具体的な疲労や痛みを感じるようになります。
そうなる前に、疲れやストレスを散らしておくことで、我慢できないような苦痛は起きにくくなります。
その方法は例えば、
- 走りながら伸び・ストレッチをする
- ときどきお尻を浮かせてみる
- ハンドルを握る位置を変えてみる
- 使う筋肉を変えてみる
- 休憩時に軽くストレッチやマッサージする
などなど、積極的に疲労を分散する工夫をしてみましょう。
7.完走できるコースを選ぶ
それでもあなたが長距離サイクリングを完走するのが難しいとしたら、
その一番の原因は「距離やコース計画に無理がある」と考えるのが自然です。
- 到底完走できない程の長距離に挑むとか
- 坂道が苦手なのに山越えのコースに挑む、
- 長距離走行に不向きな自転車で挑む 等
長距離サイクリングは時に過酷です。気力だけで完走できるほど甘くはありません。
完走するためには、いまの自分の体力で無理なくクリアできるコースを選ぶことが大切です。
例えば大きな目標を持つのも良いですが、けっして無理をしないでくださいね。
無理だと思ったら「予定・コースを変更」したり、「輪行でショートカット」してもいいのです。
必要ならリタイアする勇気も持ちましょう。またチャレンジすれば良いのです。
元気に無事に家に帰ることこそが、あなたのゴールです。
まとめ
あなたが長距離サイクリングを完走できるかどうか?その結果は「走り方」しだいで大きく変わります。
体力を温存して、疲労を溜めず、故障せずに走り続けられるように、自分をセーブすることが大切です。
途中で体力を使い果たしたら?体を傷めてしまったら?そうなると時間がいくらあってももう走れませんよね。
余裕のあるコース計画を立てて、余裕のある走りができれば、あなたはきっと完走できます。
まずは無理のない距離からチャレンジしてみてくださいね。
それでは、楽しいサイクリングを!
「サイクリング入門」のその他の記事もぜひ参考にしてくださいね。
面白いことに、自転車は30%の力(意識)で走らせても、全力走行の60%くらいの速度が出ます。
例えば筆者の場合、ミニベロで平地を頑張って走ると40km/hくらいは出ます。30%を意識すると24km/hくらいです。「30%の意識でほぼ60%の速度」が出ていますね。
一方、自転車は速度が高くなるほど空気抵抗に負けてエネルギーをロスするので、無闇にペースを上げるほどエネルギー効率は悪くなります。2倍しんどい思いをしても2倍の速度は出ません。
しんどくないペースを保つことで効率がアップして、距離をかせぎつつ体力を温存できますよ。