MENU
サイト内検索
すべてのカテゴリー
ふじたひであき
サイト運営者
兵庫県神戸市出身。自転車愛好家、フォトグラファー。

自転車のサイト『MINI VELO 道』ではミニベロとロードバイクの初心者向け情報や、楽しみ方を広げる話題などを紹介しています。自転車用品が好きで、最近は自ら製品開発にも関わっています。

下記SNSからお好みのものをフォローしていただきますと、新着情報・筆者の近況などをお届けします。
【Pickup】カジュアルな見た目の自転車ヘルメットのインプレ詳しくはこちら

自転車のロングライド・ツーリングを完走できる計画の立て方

タイトルテキスト「自転車のロングライド・ツーリング、完走できる計画の立て方」とロードバイクのイラスト

自転車で行くロングライドツーリングは、事前にしっかりと「計画」を立てることが大切。

例えば、以下の項目は必ず確認しておきたいポイントです。

  • どこを目指すのか(目的地・経由地)
  • どんなルートを走るのか
  • 距離はどのくらいか
  • 時間はどのくらいかかるのか
  • 完走できるかどうか

計画」が十分でないまま決行してしまうと、

  • 「予定時間内に着かない」
  • 「自分の体力では走り切れない」など、

完走できない事態につながります。

私自身、過去に無計画なまま出掛けたことで苦い経験をしたことが何度もあり、それを教訓として今ではきちんと計画を立てて出かけるようになりました。

長距離サイクリングを楽しむためには、まずは無理のない計画を立てることが大切です。

ということで今回は、
筆者がやっている「自転車のロングライド・ツーリングの計画の立て方」をご紹介します。

あなたのサイクリングの準備・計画の参考になればと思います。

この記事で読める内容
  • 失敗しないコース計画の立て方や、具体的なルートの決め方が解ります。
  • よくある「○○○kmは何時間かかる?」という疑問の解決法も紹介しています。
もくじ

1. 目的地・経由地を決める

サイクリングの「計画」とは、簡単に言えばスタートからゴールまでの行程を考えることです。

目的地」や「経由地」があれば、それがコースを決める主な材料になります。

気分が上がる「目的」を持てば、ツーリングは楽しくなる

自転車で長い距離を走るためには、モチベーションを高める目的があるのがベターです。

  • 「行きたい場所」や「見たいもの」
  • 「食べたいもの」や「持って帰りたいお土産」など

目的は何でもOK。

それが目的地や経由地、つまり自転車で走る第一の目的になります。

ただし、目的が色々あり過ぎると走行に使える時間が削られるので、あまり欲張らず程ほどに。

目的地が無いパターンもある

「○○○1周」や「○○○道サイクリング」のようなメジャーコースは、特にこれといった目的を決めず、そこを走ること自体が目的というパターンもあります。

そういう場合は「スタート地点」と「ゴール地点」を明確にしておくことがポイントです。

1周コースの場合は「どこから走り始めるか」を考えることになります。どこから走り始めても普通はスタートとゴールが同じ場所ですね。

ある場所から走り始めて、最後はどこかで走り終えるという意味では、目的地の無いサイクリングにも、必ず始まりと終わりがあるのです。大まかでいいので、スタート&ゴールを決めておきましょう。

2. コース・ルートを決める

「スタート地点」「目的地・経由地」「ゴール地点」が決まったら、それぞれの地点をどんな道筋でつなぐかを考えてみましょう。

地図上に自転車のツーリングコースのルートマップが描かれたイメージイラスト。

自転車ならではのルートを走ろう

自転車のツーリングは走ることが大部分をしめるので、コースそのものが面白く楽しめるものだといいですよね。また、なるべく安全な道を選んで走るべきです。

必ずしも幹線道路を通る必要はなくて、自転車なら裏道や河川敷も走れるし、どこを走っても所要時間はあまり変わらなかったりするので、それなら楽な道を選ぶといいですよね。

景色のいい場所は気持ち良くのんびり走って、つまらない場所はショートカット。そんな自転車ならではの走り方ができたら理想的です。

「地図サービス」を活用してルートを決める

Googleマップ」や「ルートラボ」等の地図サービスを使えば、知らない場所の道も詳しく知ることができます。

「こっちの道を通ろう」「ここは避けて迂回しよう」というかんじで、どんな道順で走るかをじっくり考えて決めることができます

また、「コースの距離」や「坂道のキツさ」「道路の様子」等を知ることができるので、ツーリングコースをより鮮明にイメージ・シミュレーションできます。

実際に走る前に下調べをしっかりとしておくことで、あらかじめ難所・危険を把握して回避することにも役立ちます

地図サービスを上手く活用して「走行ルート」を計画しましょう。

「Googleマップ」の活用法

Googleマップ」は地図を拡大・縮小して見ることで、大まかなルートから詳細な道までチェックすることができます。また、様々な拡張機能があるので便利です。

  1. 広い範囲で見る
    スタート地点から目的地やゴールまで、地図を広い範囲で見渡せば、どこでどちらの方向に進めば良いか、どんな地形が存在するのかなど、全体的な流れが把握できます。
  2. 詳細な道路を見る
    地図を拡大して見れば、幹線道路から細い路地まで、あらゆる道が確認できます。自転車で走るにはどの道路が安全か、近道があるかなど、実際の行程に関わる情報がたくさん確認・発見できます。
  3. 衛星写真を見る
    地図を衛星写真モードに切り替えれば、通常地図だけでは判らなかった情報も見えてきます。「道路の車線数」や「横断歩道の有無」、「陸橋の存在」など道路状況に関する発見のほか、「ここは緑地」とか「ここは砂浜」など地形や風景に関する発見ができます。
  4. ストリートビューを見る
    ストリートビュー機能を使えば、道路や周辺の様子を360度写真で見渡すことができます。そこにはどんな風景があるのか、自転車で走るのに危険は無いか、軽車両通行禁止の標識がないか、右左折の目印になるものはあるか等、行かなければ判らないことを予め確認できます。

「ルートラボ」を使う(※2020年3月末でサービス終了)

ルートラボ」を使えば、地図上にルート線を引いてコースを描くことができます。ルートは保存して後から見ることも可能。また、距離や標高差を確認できるので便利です。

※サービス終了につき、以下は過去の内容です。

  1. ルートを描く
    地図上をクリックしていくことで、スタートからゴールまでの道順が作れます。
    1. 【道ピタモード】はクリック間の道路に沿って自動的に推奨ルートを引いてくれるモードです。クリック間の距離が長いと高速道路などクルマ向けの最短ルートが提案されてしまうので、自分が通りたい場所をこまめにクリックすると良いでしょう。
    2. 【直線モード】はクリック間を直線で結ぶモードで、道路以外の場所にもルート線を引くことができます。公園の中や階段など、自転車なら通れる場所をルートに選べます。
  2. 距離・標高差を確認する
    ルート線を引いていくと、地図の下に距離と標高が表示されます。坂の斜度を詳しく知りたい時は、知りたい坂道の登り始めと頂上の2点間にルート線を引けば、その区間の斜度がわかります。
  3. 保存して詳細情報を見る
    作成したルートを「保存」すれば、総距離・標高差・坂道などについて詳しいデータが表示されます。コースの難易度を知るのに役立ちます。
  4. 作成・保存したルートはツーリング中にも見れる
    「ルートラボ」で作成・保存したルートは、URLをメールでスマートフォンに送れば、ツーリング中にも見ることができます。ルート線と現在地が同時に表示されるので、ちょっとしたナビみたいな使い方もできますよ。(サンプル:淡路島一周コース

ルートラボのルート作成機能は、PCブラウザ・Androidタブレット等に対応していて、iPhoneではできません。iPhoneでは「作成・保存したルートの閲覧」のみ可能です。(2015年4月現在)

3. 所要時間を予想する

「走行ルート」が決まったら【所要時間】を予想してみましょう。例えば「100km走るには何時間かかる?」というのが解らないと計画が立てられませんよね。

所要時間を示した4つの時計が並べられているイメージイラスト。それぞれ5時間、6時間、8時間、10時間を示している。

「距離」÷「平均時速」×1.2=「走行にかかる所要時間」

私はいつも「走行にかかる所要時間」の予想に次の様な計算式を使います。大雑把な計算式ですが、実際に走ってみると大体この通りになります。

  • 距離(km)」÷平均時速(km/h)」×1.2=「走行にかかる所要時間

この計算法の考え方は次の通りです。

  • 例えば「距離100km」を「平均時速25km」で走ると、単純計算では「4時間」で走り切ります。
  • しかし実際には、信号待ちや上り坂・向かい風・疲労など様々な要因で普段の平均速度より遅くなることがあるので、大抵は4時間よりも多くかかります。
  • また、ロングライドの走り方の一番のコツは「ペースを抑えて走ること」ですから、やはり普段よりも時間がかかります。
  • そこで、係数「1.2」を掛けると大体実際の所要時間に近い数字になります。
  • ルート上に「信号が多い」「上り坂が多い」という場合は係数を「1.3」「1.4」等に大きく、「スムーズに走れる」なら「1.1」に小さくすると補正が効きます。その他必要に応じて調節しましょう。

ポイントは、実際の所要時間が予想時間を超えないことです。とにかく普段よりは時間がかかるものと思っておくと良いでしょう。

これはあくまでも私が個人的にやっている計算法ですが、結構上手く所要時間を予想できるので、オススメですよ。

「平均時速」は、サイコンを使っている人なら普段の自分のおおよその平均速度がわかるはずです。サイコンが無い人も、スマートフォンのフィットネス系アプリ等で平均速度を表示できますよ。

「休憩時間」「食事タイム」を別途加算

「休憩」や「食事」など走行以外に使う時間も「総所要時間」に加算する必要があります。

  • 「休憩」は短く・こまめに取るのが良いです。5分間の休憩を6回取れば休憩時間は合計30分です。
  • 「食事」はお昼ご飯などでお店に入ってゆっくり食べる時には大抵30分くらいは必要です。

半日走れば、休憩や食事で最低でも1時間くらいは余分にかかることが解りますね。

その他、観光や散策を楽しむ場合は、そのぶん時間を加算しましょう。

スタートからゴールまでにかかる時間はコレ

「走行」と「休憩」等を合わせた「1日の総所要時間」は、以下のように予想することができます。

  • 走行にかかる所要時間+休憩・食事・観光などの時間】=「1日の総所要時間

「走行時間」と「自由時間」をあらかじめ別々に考えておくことで、
休憩や散策・お土産選びなどで「どのくらいの時間を自由に使えるのかがわかる」ので、焦らずリラックスして過ごせますよ。

4. 完走できるかどうか考える

時間内に完走できるのか?

日帰りツーリングなら、出発から帰宅までに使える時間は限られます。

例えば、

  • その日サイクリングに使える時間が全部で8時間だとします。
  • 途中で食事や観光に1~2時間使います。
  • 残りの6時間が走行に使える時間です。

ということは、
「コースの距離」は6時間以内で完走できる距離でなければなりませんね。

以下は先ほどの「所要時間」の計算式の応用で、「完走できる距離」の目安を導き出す式です。

  • 平均時速(km/h)」×走行に使える時間×0.8=「あなたが完走できる距離

自分の「平均速度」と「使える時間」では計画したコースを完走できない場合は、
「コースを短縮する」か「使える時間を増やす」など計画の練り直しが必要です。

また、「所要時間」や「完走できる距離」の予想は、あくまでも力尽きずに走り続けられた場合の目安です。走行可能時間が6時間あっても、4時間で力尽きればその先はありません。

その距離は本当に走り切れるのか?

あなたは1日で、どのくらいの距離を走れますか?いままでに走った道、行ってきた場所を思い出してみましょう。

例えば、となり町までの片道25kmを往復して、1日で50km走ったことがある人は、その時の疲れはどうでしたか?まだ走れそうでしたか?

例えば、ロングライドで150km走ったことがある人は、その時の疲れはどうでしたか?

まだ全然余裕だったなら、同じくらいの距離を走ったり、少しずつ伸ばしていくことは出来るかもしれません。しかし、膝や股間が痛くてたまらなかったり、疲れを何日間も引きずったりしたなら、あなたはその距離やコースを走るにはまだ早いのかもしれません。

そんなふうにして、自分が走れる無理のない距離の目安を見つけましょうけっして無理をしないこと、余裕をもった計画を立てることが大切です

「距離」や「時間」を短縮する

「走行距離」や「所要時間」が長すぎると思うなら、もう一度ルートや行程を考え直して、自分が走り切れる距離や時間になるように調節しましょう。

ルート・行程を短くするには次のような方法があります。

  • ルートの一部を変更して「ショートカット」する
  • ルートの途中まで輪行して、途中から走る
  • ルートの途中まで走って、途中から輪行で帰る

そのコース計画では完走できないと判った時、計画すべてを中止する必要はありません

「輪行」や「ショートカット」をすれば、部分的にですが同じコースを楽しむことができますよね。

リタイア・エスケープも想定しておく

あなたが完走できない可能性はゼロではありません。それはどんな熟練者でも同じです。

自転車の故障やトラブル、体の疲労や怪我、悪天候など、完走が難しくなる原因はある時突然やってきます

もしもロングライドの途中でリタイア・エスケープしたくなったなら、それは可能です。

「輪行」「ヒッチハイク」「自転車を荷物として送る」「自転車を置いて帰る」など色々な手段がありますが、現実的な手段と言えるのはやはり「輪行」です。

何らかの交通機関がある場所なら、輪行すれば「帰着予定場所」や「自宅」に戻ることができます。

自宅から遠い地域でのサイクリングでは、現地まで輪行して行く人も多いですよね。しかし自宅から全行程を自走する場合は輪行道具を持っていない人のほうが多いでしょう。

輪行の予定が無い場合でも、ロングライドの時には輪行できる用意をしておいたほうが、もしもの時のバックアップ手段になり、何かと小回りが利きますよ。

5. その他の要チェックポイント

「トイレのマーク」「救急用品を意味する赤十字マーク」「複数の自転車が並んでいるマーク」が並んだイラスト。

トイレや休憩・食事場所などをチェック

長時間走れば、トイレ・休憩・食事は欠かせません。街中を離れれば、トイレが借りられる場所はそうどこにでもあるわけではないので、「コンビニ」や「道の駅」「トイレのある公園」等はなるべく事前に把握しておきましょう。

また、はるばる遠くまで出かけたら、美味しい食事が楽しめるといいですよね。「人気のお店」や「ご当地グルメ」などは、予習しておいたほうがいいですね。

持ち物・装備などをチェック

ロングライド・ツーリングは長い距離や長い時間を走るので、普段のチョイ乗りとは違った準備が必要です。何が必要かよく確認して、万全の準備で出かけましょう。

特に「補給食」と「ケガ対策」は必ず用意して行きましょう。

「走行会・イベント」等と重ならないようにチェック

春や秋の気候が良い時期の祝日・連休などには、ロングライド・ツーリングに行きたくなるもの。有名なメジャーコースにチャレンジする人が多いのもこの時期です。

ちょうど同じタイミングで、何らかの「サイクリングイベント」が開催されることがありますよ。

イベントは「地域ぐるみのイベント」から「ショップ主催の走行会」「プライベート走行会」までさまざま。

サイクリングイベントは一度に数100人から1000人規模の参加者が走ることもあり、一般道路が自転車だらけになります。

そんな日に偶然出掛けてしてしまうと、もうその日のツーリングは台無しということも。イベントに関係の無い人にとってはいい迷惑ですよね。

そうならないために、メジャーコースに出掛ける時は事前にネットで検索するなどして、イベントと重ならないかどうか確認しておくことをお勧めします。

まとめ

ということで今回は「自転車のロングライド・ツーリングの計画の立て方」についてアレコレまとめてご紹介してみました。

まずは計画を立てることから

自転車は自由気ままな乗り物です。だから「行き当たりばったりが楽しい」という時もありますが、そういうのはポタリングなどの話。

長時間・長距離を走るロングライドやツーリングでは、ノープランは失敗やトラブルのもと。道を間違えたら、完走できなかったら、結構おおごとになります。

何もかもが計画通りに進むとは限りませんが、しっかりと計画を立てていれば計画不足によるトラブルは予防でき、大抵上手くいくものです。

常に余裕を持つことが大切

ロングライド・ツーリングは「時間」と「体力」との戦いです。

自転車で走る以上、遅れた時間は取り戻せません。取り戻せないから、あらかじめ余裕を持っておくことが大切です。時間は必ず余るくらいの予定を立てましょう。

体力・疲労が限界をむかえたら、もうそれ以上走れません。自分の体力やスキルで走れる距離を知って、それを超えない余裕のあるプランを立てましょう。

ちょっとした「心がけ」として、

  • 時間はきっと多めにかかる
  • 距離は思ったより走れない

いつもそう思っておけば、きっと完走できる余裕が生まれます

自分の運や能力に変な自信を持たないことが、確実に完走できる余裕につながるのです。

無理さえしなければ、誰にでも楽しめる

初心者にありがちなのが、いきなり大きな目標にチャレンジすることです。

「100km!」とか「○○1周!」なんて目標を持つのは面白いですが、初心者はけっして無理をしないこと。勢いだけで挑戦すると「ただ必死に走るだけの辛い一日」になってしまいますよ。

走れる距離や時間は人それぞれ違います。これからたくさん走れるようになりたい人も、無理をして体を壊せば、しばらく自転車に乗れなくなってしまいます。

だから無理せず、いつも余裕を持っておくこと。それさえ守っていれば、ツーリングはきっと誰でも楽しめます。

自分のレベルにあった無理のない計画、余裕のあるプランを立てて、ロングライド・ツーリングにチャレンジしてみましょう。

それでは、楽しいサイクリングを!

記事がお役に立った時は、SNSでシェアしていただけると励みになります
もくじ