リュックで背負える折り畳み自転車|BIKE FRIDAYのpakiTを発売前にチェック
BIKE FRIDAYのニューモデル「pakiT」を見てみよう
BIKE FRIDAY(バイクフライデー)から、Newモデル「pakiT」が登場です。
- この記事は「pakiT」が発売される前に、製品化に向けての「応援」や「期待」の意味を込めて公開した記事です。
- BIKE FRIDAYが「pakiTに関する情報を個人のSNSやサイトに載せて応援してほしい」というメッセージを出していたので、この記事を書きました。
- この記事の内容は2016年8月27日時点での公式情報に基づくものです。
pakiT(パキット)
「pakiT」はバイクフライデーの自転車の中で、最も早く・薄く折り畳める自転車です。
走りを重視したスポーツバイクではなく、折り畳みや輪行の簡単さを重視したシティバイク。
折り畳みの素早さに特化した旧モデル「Tikit」がなくなり、そこへ新たに「pakiT」が仲間入りという流れです。
ネーミング
「Tikit」がTicketから転じたネーミングだったように、「pakiT」もまたPack itをもじった遊び心のあるネーミング。
あえて日本語に訳せば「(自転車を)仕舞っちゃおう!」みたいなかんじでしょうか。
荷物としてパッキング可能な自転車であることが名前に表れています。
薄く、軽量、背中に背負える
折り畳みサイズはブロンプトンほど小さくはなりませんが、厚みはより薄く、そして超軽量。
そのため背中に背負うバックパックスタイルのキャリングバッグで気軽に運べるという特長があります。
ちなみに、試作段階で発表された時は「バックパックバイク」という仮称が付けられていましたよ。
いよいよ製品化へ
試作が重ねられていたこの「pakiT」、正式に製品として製作・販売を開始するために、
現在はその準備資金をクラウドファンディングで募っていますよ。(2016/08/27時点)
まとまった資金を集めることでパーツを大口購入し、結果的に「pakiT」の車体価格を抑えることが狙い。
すでに目標金額に到達しているので、製品化はほぼ確実の見通し。
さっそく、どんな自転車なのか見てみよう
ということで、このバイクフライデーのニューモデル「pakiT」について、
いったいどんな自転車なのか?現在公開されている公式情報をチェックしてみましょう。
「pakiT」プロモーション動画から分かる事
こちらは、「pakiT」のプロモーションと、クラウドファンディングでの支援を求めるメッセージがまとめられた動画。
この動画の中から「pakiT」という自転車について知ることができるポイントをピックアップしてみましょう。
他の折り畳み自転車との比較も交えながら、その特長を解りやすく紹介します。
◎以下、本項の画像はYoutubeに投稿された公式動画からのスクリーンショットによる引用です。
超軽量|重さたった6.8kg
BIKE FRIDAY代表の女性Hannaさんが「pakiT」を軽々と持ち上げて、
その軽さを証明しようと「計り」にぶらさげて見せる。
デジタル計りが示した数値はおよそ14.9ポンド(完全に手を放すと14.88ポンド)。
1ポンドは約450グラムなので、14.9ポンド=およそ6.8キログラム。
折り畳み自転車として、この重量はとんでもなく軽いです。
これまで、まともに走れる折り畳み自転車の最軽量は「Panasonicのトレンクル」でした。その重さは6.9kg。
「pakiT」はトレンクルの軽量記録を打ち破り、そしてより高い走行性能を持っています。
◎ちなみに、パーツ構成が変われば重量も変わります。この6.8kgという数字は「pakiT」の最も軽い仕様での重量ですね。
◎「ただ軽いだけの粗悪・危険な自転車」や「量産されていないプライベートプロダクト」の中には、もっと軽いものも存在します。おそらくHannaさんは、そういう自転車を含めない前提で「pakiT」が現在世界最軽量であることをアピールしていますよ。
素早く折りたためる
「pakiT」はフォールディングバイク。あっという間にコンパクトに変形します。
動画では「25秒以内に折りたためる」と話していて、4倍速で見せてくれています。
これ、練習すれば10秒以内に、最速で4~5秒台で折り畳めると思います。
私はこれまでバイクフライデー・ニューワールドツーリストのベストな折り畳み手順を研究・紹介したり、ブロンプトンの最速の折り畳み方法を紹介しているので、折り畳みスピードの感覚は信じてもらって大丈夫ですよ。
折り畳んだ時の「薄さ」がウリ
折り畳みサイズのコンパクトさや、折り畳み機構の完成度の高さでブロンプトンの右に出るものは今のところありません。
「pakiT」も折り畳みサイズはブロンプトンよりも大きいです。全長が長いんですよね。
しかし、「薄さ」ではpakiTが圧倒的に薄いのです。その厚みはたったの25cm。
折り畳み自転車を持って乗り物に乗ったり、部屋に置いてみると気付くのが「小さいけれど、奥行きがあるから意外に場所をとる」ということ。
横幅よりもむしろ厚みが小さいほうがじゃまにならないという場面はよくあります。
「pakiT」の薄さは、その点で有利ですね。
ほんの数cmの差が偉大であることは、輪行する人や折り畳み自転車を持っている人ならきっと解るはず。
バックパックスタイルで背負って運べる
「pakiT」はバックパック型のキャリングバッグに収納して、背負って運ぶことができます。
自転車なのでリュックは登山級のビッグシルエットになりますが、圧倒的な「軽さ」と「薄さ」が背負って運ぶスタイルを可能にしています。
「pakiT」は、2016年5月の発表当初は「バックパックバイク」という仮称だったことからも、その開発コンセプトの1つに「背負って運べること」があったのが解りますね。
フォールディングバイクは折り畳んで持ち運べるのが便利であると同時に、その運びにくさや重さがユーザーにとって負担でした。
特に日本の鉄道ではキャスターやタイヤを出した「転がし輪行」ができない場合が多く、駅構内の移動は「自転車をウェイトにした筋トレ」みたいなもの。
バックパックスタイルで背負って運べれば、腕や肩がずいぶんと楽になります。しかも「pakiT」は超軽い。いいですね。
従来のフォールディングバイクのお悩みから解放
Hannaさんは「一般的な折り畳み自転車によくある制約」を指摘しています。それは次のようなこと。
- 持ち運ぶには重過ぎる
- ギアの選択肢が少ない
- チェーンの油で汚れる
- サイズが1サイズしかない
そして、「pakiT」はそんなお悩み・制約から解放してくれるゲームチェンジャーであると言っていますよ。
最軽量フォールディングバイクであるということ
小さな女の子でも持ち上げられるほど軽いというのがわかりますね。
変速段数はシングル・3速・11速から選択できる
変速段数は次の3通りから選択できる。
- シングルスピード
- 内装3段(スターメーアーチャー製)
- 内装11段(シマノ製・アルフィーネ11s)
軽さを重視するならシングル、変速段数がほしいなら11段を選ぶのがいいかんじ。ブロンプトンと同じスターメーアーチャーの3速を選ぶ理由はとくに無いように思います。
メンテナンスフリーのドライブトレイン
駆動にはチェーンではなく標準で「ベルトドライブ」を採用。
さらに内装変速機を組み合わせることで、メカトラブルや油汚れの心配が大幅に減り、またメンテナンスフリーで長期間使えます。
ちなみに、通常のチェーンドライブを選択することも可能だそうですよ。オーダー時に指定できます。
「ベルトドライブってどうなのよ?」と疑問に思う人は多いみたいですが、じつはかなり長寿命。メンテナンスフリーで通常15年程度はもちます。ということで、駆動効率よりも使い勝手を重視する人には最適な選択肢ですね。
幅広い身長・体格にフィット
「pakiT」はフレームサイズが選べるから、誰でも自分に合ったサイズでオーダーできます。
平均よりも背が低いor高いからという理由で折り畳み自転車を諦める必要はありません。
- 身長約137cm~193cmまで、幅広い体格の人にフィットします。
- 体重制限は100kg。(最軽量タイプは86kgまで)
基本的にはS・M・Lの3つのフレームサイズから選択するようになっていて、その他に要望がある場合は個別にカスタマイズも可能だそうな。
「pakiT」の折り畳みサイズとパッキングイメージ
下の写真は、Kick Startarの「pakiT」の支援募集ページに掲載されている、「pakiT」の寸法やパッキングについて示した写真。
折りたたみ寸法
「pakiT」の折りたたみは、
- 「前輪を外さない簡易パターン」と
- 「前輪も外すコンパクトパターン」の2通り。
多用することになる「前輪を外さないパターン」では、全長が96cmと大きめですが、厚みは25cmとかなり薄い。
このサイズではコインロッカーに入れるのはほぼ無理ですが、乗り物や部屋の隅に置く場合はこの薄さが効いてきます。
専用のバックパックやハードケースに収納できる
「pakiT」は専用にデザインされた大型のリュックにすっぽりと収納できます。
また、バイクフライデーではお馴染みのハードケース(従来のものより小さめ)にもギュギュッと収納されています。これで飛行機にも乗れますね。
◎ちなみにバッグやケースに収納する時は、よりコンパクトになるようにシートポスト&サドルを抜き取って、フロントホイールも外しているのがわかりますね。
「pakiT」の折り畳み手順をチェック
以下の画像は、Kick Startarの「pakiT」の支援募集ページに掲載されている「折り畳み方法の紹介動画」のスクリーンショット。
Youtubeには同じ動画が投稿されておらず、埋め込みに非対応のため、動画を見たい人はKick Startarのページに観に行ってください。
1. リア三角のリリースボタンを押す
2. 車体を持ち上げてリア三角を折りたたむ
この時、同時にハンドルを回してフロントフォークの向きを前後逆にしている。
3. シートポストのクイックレバーを緩める
4. サドルを下げる
これによってリア三角が折り畳んだ状態で固定される、ブロンプトンと同じ仕組みですね。
5. ハンドルを抜く
こちらも接続部分にクイックレバーとリリースボタンがあります。
6. ハンドルをフレームに固定する
ハンドルとフレームを接続する「ピン」を差し込んでハンドルを留めます。
折りたたみ完了
というかんじでサクッと折り畳みが完了です。かんたんですね。
これなら輪行もかなり素早く手軽にできますね。旧モデルTikitがそうであったように、この折り畳み状態でササッとかぶせられる専用カバーが用意されるはずです。
なお、バックパックやハードケースに収納する時は、ここからさらに前輪を外してサドル&シートポストを抜きますよ。
ジョイント部分のクローズアップ
こちらはリア三角やハンドルの「ジョイント部分」のクローズアップ。
リアにはリリースボタン、ハンドル根元にはリリースボタンとクイックレバーがあります。
「リリースボタン」を使った折り畳み&分解方法はかんたんでいいですね。
道具なしで折りたためるのが◎
バイクフライデーの自転車は、従来「折り畳みの簡単さよりも走行性能を重視」してきたので、折り畳み自転車の中では、たたむのに手間暇かかるタイプだったんですよね。
Pocket RocketやNew World Touristなどポケットシリーズはあちこちベルトで固定しないとバラバラになってしまうし、ガチャガチャぶつかって傷だらけになるので保護具も必要でした。
そこを大きく解決してきたのが、折り畳みに特化した旧モデルTikit。
「pakiT」の折り畳みはTikitほどシンプルではありませんが、余計な道具を必要とせず素早く折りたためるその様は、Tikit譲りなのかもしれませんね。
「pakiT」の選べるメインフレームカラー
「pakiT」はオーダー時にお好みのカラーが選べます。
バイクフライデーらしくないポップなカラーを揃えてきたな~というかんじ。ブロンプトンの最近のカラーを意識してる?
ちなみに、お好みのカラーで塗装されるのはメインフレームの部分で、フロントフォークやリア三角、ステム等はブラックで統一されているようです。
「pakiT」の走りを想像してみよう
「pakiT」の走りや乗り味はどのようなものだろう?
スペックデータと写真から判断・想像できることは次の通り。
そこそこ走る走行性能
バイクフライデーの自転車は、どのモデルもよく走ります。
フレーム剛性やホイールベース、フォークの角度など、基本的な設計バランスがよく出来ているので、平均以上の走りを提供してくれます。
「pakiT」も例外ではなく、きっとバイクフライデーらしい安定感のある走りが楽しめるはず。
「16インチの折り畳み自転車」なので、走りに大きな期待を寄せるのは何か違いますが、
同じカテゴリの自転車の中ではかなりよく走る自転車ということになるでしょう。
「軽さ」が走りを後押しする
「pakiT」の重量の軽さは武器になります。
車体が軽いほど加速が楽で、登り坂のしんどさも大幅に軽減、というかんじで、
同じ条件なら軽い自転車ほど楽に感じる場面は多いですよ。
例えば変速段数が足りなくても、重量が軽いことで登れてしまう坂もあります。
16インチのミニベロの走行性能には限界がありますが、重量の軽さが走りを助けてくれるでしょう。
安定したハンドリング
ホイール径が小さい自転車はハンドルがフラフラしやすく、段差にも弱いもの。
「ちょっとした段差でハンドルを取られてあわや転倒」なんてことも珍しくありません。
そこでバイクフライデーの自転車は、あらかじめハンドリングを安定傾向に振ってあります。
「pakiT」もまたフロントフォークに角度を付けて大きく前に突き出している様子から、ハンドリングの安定性を重視していることがわかります。
見た目からイメージするよりもゆったりとした安心感のある走りをしてくれるでしょう。
乗り心地は良好
バイクフライデーの自転車は乗り心地の良さに定評があります。
ミニベロや折り畳み自転車に特有のガタつき・突き上げ感を抑えた、疲れにくい乗り味を実現しています。
「pakiT」もきっとそんな乗り心地の良さを持っているはずです。
ちなみに、公式情報によると「pakiT」は最軽量フレームと廉価版フレームが選択でき、
最軽量のフレーム素材はフルクロモリ、廉価版はクロモリとハイテン鋼のコンビネーションと書かれています。
軽さと乗り心地を重視するなら、最軽量モデルがベストな選択となるでしょう。
(※上記はすべて想像です。)
買うならどれにする?
「pakiT」は、フレームのグレード(廉価版or最軽量版)と、変速段数(シングルor3速or11速)が選べます。
あなたなら、どの組み合わせでオーダーしますか?
「軽さ」という強みを最大限に生かす選択
私なら、最軽量の「Eliteモデル」の「シングルスピード」を選びます。
理由はかんたんで、「pakit」の圧倒的な軽さというメリットを最大限に生かしたいから。
自転車を選ぶ時、いろいろな選択基準がありますが、アレもコレもと欲張るとどっちつかずな中途半端な自転車に落ち着きます。
「価格を少しでも抑えよう」とか「変速段数は多いほうがいい」、それもたしかにそうですが、その結果重量が増えてしまえば、「pakiT」を選ぶ意味すら揺らぎ始めます。
まずは軽さを重視することが「pakiT」を買って良かったと思える1つの条件になるでしょう。
◎ちなみに「廉価版フレーム」に「内装11段変速」を組み合わせた最も重たい仕様で約9.9kg。その数字は内装11速を装備する折り畳み自転車としてはかなり軽いといえる。
オプションパーツ
オプションで「リアキャリア」が装着できるようです。
リアキャリアにも重量はありますが、装着すれば利便性がグッとアップするので、リアキャリアによる重量増だけは許してもよいかもしれません。
ちなみに、フロントキャリアの用意は無いそうですよ。その理由は「pakiT」はツーリングバイクではなく、超軽量であることを重視して設計しているから。
まとめ
ということで、バイクフライデーの公式情報を引用してご紹介してみた「pakiT」。
なかなか良さそうな自転車ですね。
折り畳みサイズの小ささではブロンプトンにはかなわないものの、圧倒的な軽さと走りの良さが気持ち良い自転車だと思います(半分想像)。
私は現在、ブロンプトンやニューワールドツーリストに乗っているので、新たに「pakiT」を買う必要性はないのですが、ちょっと乗ってみたいなと思いました。
これから折り畳みミニベロを買おうと考えている人で、「重量の軽さ」や「人とは違う個性」にこだわる人には有力な候補となるでしょう。
「pakiT」に興味がある人は、引き続き公式情報をチェックしてみてください。
まずはクラウドファンディングから提供開始
◎BIKE FRIDAY「pakiT」の製造準備資金を募るクラウドファンディングのページ(※すでに終了)
いまクラウドファンディングで所定の支援をした人には特典があり、
「車体の購入」に相当する金額を支援した人には、早ければ2017年1月頃から車体の提供を開始すると書かれていますよ。
クラウドファンディングで支援してくれた人への車体提供が進み、「pakiT」の生産が軌道に乗った時点で既存のモデルと同様にオーダーできるようになるでしょう。
というかんじで、参考にしていただければと思います。
(2016/08/27時点の情報)
- その後、BIKE FRIDAY「pakiT」の通常販売が開始されました。
- この記事は「pakiT」が発売される前に、製品化に向けての「応援」や「期待」の意味を込めて公開した記事です。
- この記事の内容は2016年8月27日時点での公式情報に基づくものです。
以上、「リュックで背負える折り畳み自転車|BIKE FRIDAYのpakiTを発売前にチェック 」というお話でした。