自転車用の魔法瓶・保冷ボトルがサーモスから登場!使ってみた感想を紹介するよ
ボトルケージに収納できる、高性能な魔法瓶
自転車のボトルケージに入る「魔法瓶・保冷ボトル」がほしいと思ったことはありませんか?
ボトルケージに入る魔法瓶は、いままでもありました。
しかしその「性能」や「フィット感」に本当に満足できるものはあったでしょうか?
そこで、サイクリング用に魔法瓶を探している人に朗報です。
ついに、あのサーモスから「自転車専用のボトル」が登場しましたよ。
ということで今回は、発売されたばかりの『サーモスの自転車用ボトル』について、
その特長や良い所・悪い所・使い方のポイントなどを、まとめて紹介します。
自転車用の魔法瓶・保冷ボトルを探している人の参考になればと思います。
「サーモスの自転車用ボトル」の第2弾となる新製品が発売されました。
詳しい紹介ページはこちらです↓
あわせて参考にしていただければと思います。
サーモスから「自転車専用ボトル」が登場!
サーモス=高性能な魔法瓶の専門ブランド
「魔法瓶のサーモス」を知らない人にも解るように、まずはここからお話ししましょう。
サーモス(THERMOS)は、ステンレス魔法瓶のパイオニアブランドです。
世界で初めて「真空断熱魔法瓶」を製品化した会社・ブランドで、現在も業界のトップを走り続けていますよ。
魔法瓶を販売しているメーカーはたくさんありますが、使い比べてみるとサーモスの魔法瓶が性能面では特に優れていることが解ります。
◎私もサーモスの魔法瓶を普段から愛用していて、その断熱性・保冷効果を頼りにしていますよ。
待望の「サーモスの自転車用ボトル」が登場
「自転車用に魔法瓶を買うなら、サーモスがいいな」
サーモスの性能を知っている人なら、そう考える人は多いはず。私もそうでした。
しかしこれまで、サーモスのラインナップには自転車用の製品が無かったのです。
しかたなく「自転車用でない製品」をなんとか工夫して自転車で使ってきました。
そして、2017年2月。
サーモスから待望の「自転車専用ボトル」がついに登場したのです。
製品名「真空断熱ストローボトル FFQ-600」
サーモスの自転車用ボトルとして最初に登場したのは「真空断熱ストローボトル FFQ-600」という製品。(もうちょっと自転車感のあるネーミングにできなかったのかな?)
私はこの製品を発売後すぐに買って・使ってみたので、
その感想や気付いたことなど、実際に使って解ったことを以下に詳しくご紹介しますね。
- 以下、製品名を省略して「サーモスの自転車用ボトル」と表記します。
- 自転車用シリーズとして、サイズや色の展開が追加されることが今後予想されます。
- 追記:新色「レッド」が追加されました。(参考:Amazon商品ページはこちら)
特長1|ボトルケージにぴったりのサイズ
まずは大きさ・サイズ感からチェック。
一般的なサイクルボトルと同等の600mlの容量
「サーモスの自転車用ボトル(FFQ-600)」の内容量は600ml。
その大きさは一般的なサイクルボトルとほぼ同じです。
◎参考:写真は「キャメルバック・ポディウムチルボトル 620ml」と比較した様子。
出し入れしやすい、絶妙なフィット感
ボトルケージとサイクルボトルの「フィット感」は大切です。
キツいとボトルの出し入れが難しくなり、緩いと走行中にボトルが飛び出すこともあります。
「サーモスの自転車用ボトル」のフィット感は絶妙。私はちょうどいいと思います。
◎ちなみに「直径」は上部・下部のいちばん太いところで73mm、胴部は72mmくらい。
弾力性がある一般的なサイクルボトルと比べると、「サーモスの自転車用ボトル」は硬くて変形しないので、そのぶんやや細めに作られている印象です。
- 「フィット感」は組み合わせるボトルケージとの相性によって多少変わると思います。
- 私が試してみた範囲では「サーモスの自転車用ボトル」は手持ちのどのボトルケージに入れてもキツすぎず・ゆるすぎない、いいかんじのフィット感が得られました。
特長2|飲みやすい&こぼれない作り
「サーモスの自転車用ボトル」は、飲みやすさや・使いやすさを考えて作られています。
そのディティールや使用感をチェックしてみましょう。
滑りにくい&持ちやすい「ボディリング」
「ボディリング」はボトル上部の段差に設けられたシリコン製のグリップ。
シリコンバーテープのようなタッチで、滑りにくく、適度な弾力があって持ちやすいです。
ステンレス製の本体はツルツルして滑りやすいので、このグリップの存在はありがたい。(※ただし、ここが濡れると滑る)
この「ボディリング&段差」は一般的なサイクルボトルにある「くびれ」の位置と同等に設定されていて、
ボトルケージ上部の突起は「ボディリング」に当たるため、ボトルが滑って飛び出すのを防ぎ、さらに金属製のボトルからカチャカチャと異音が出るのを抑えていることが解ります。
◎ちなみに、ボディリングはかんたんに取り外して洗うことが可能。うっかりドリンクをこぼしたり、汚れた時には外して洗えば清潔に保てる。
ボタンを押すと自動でフタが開く
ボトルを持って親指でボタンを押すと、フタがぴょこんと跳ね上がって自動で開きます。
開け閉めは片手でOK。自転車用ボトルなら、片手で扱えることは必須条件ですね。
ちなみに、このフタはバネなどを使わず「ストローの反発力」だけで開くという面白い仕組み。開いたフタを一番奥まで動かすとカクンと手応えがあって開いたままでロックできる。
さらに細かく見てみると、フタはボタンを押した時に開くのではなく「ボタンから指を離す時に開く」ようにタイミングが調節されていますよ。これはボタンを押すと「バルブ」が開いて、フタが開く時には「圧抜き」が完了しているという仕組み。(後に説明あり)
◎従来のサーモスのスポーツボトルには、ボタンを押してもフタが開かないようにする「ロック機構」がありますが、このボトルにはありません。自転車で使いやすくするために、あえて省いたように見えます。
ストロータイプで飲みやすい
飲み口は「ストロータイプ」。飲む時にボトルを傾けたり、顔を上に向ける必要がないので、前を向いたままで飲みやすいです。
ふつうのサイクルボトルが苦手な人や初心者さんにもオススメできますね。
ストローの長さは底まで届いているので、最後に吸えない飲み残しはほとんどありません。
バルブで噴き出し防止&流量調節もできる
飲み物をストローで吸って内圧が下がった時や、内部の温度・圧力が変化した時に、空気が出入りして圧力を調節する「バルブ」。
上の写真での、
- 「A」の部分は外からの空気を吸い、
- 「B」の部分は中の空気を出すようになっている。
肝心なのは「B」のほうで、「フタを開けた時にストローから液体が噴き出す」のを防いでいますよ。
フタを開けるボタンを押すと「B」のバルブが開くようになっていて、開け閉めの度に圧力がリセットされる仕組み。
◎ちなみに、ボタン操作でバルブを開閉することで、ストローで飲む時の流量を調節できますよ。
- ボタンを押さずに吸うと、少しずつ飲み物が出てくる。
- ボタンを押しながら吸うと、多めに飲み物が出てくる。
逆さまにしてもこぼれない
「ストローから飲み物が漏れるんじゃないか」と心配になりませんか?大丈夫です。
フタを開けた状態で「横向き」や「逆さま」にしてもこぼれません。(ストローの中に残っていた液体が少しだけ出ることはある)
フタを閉じるとストローが折りたたまれるギミック
飲んだ後は、フタを閉じます。フタにはストローを折りたたむための突起が付いていて、フタを閉めるとストローがS字型に折り畳まれます。
(写真は途中で止めているが、最後まで閉めるとストローは完全に折れ曲がる。)
ストローが曲がってつぶれることで、穴がふさがり、ストローからの液漏れを防止していますよ。
◎こうして細かいところまで見てみると、「サーモスの自転車用ボトル」は新規&既存の設計を組み合わせて、しっかりと作りこまれているのが解りますね。
特長3|サーモスならではの高い断熱性・保冷力
実際にサイクリングに携行すれば、その断熱性の高さはすぐに実感できます。
【保冷効果】氷が長持ち、冷たさが長く続く
常温の水に、氷を1/4程度入れて、サイクリングに出かけてみました。
ときどきチェックしてみると、1~2時間後でもまだ氷が残っている。(氷が無くなるまでの時間は、飲み物の温度や氷の量・気温によって変わります)
そして、氷が溶けた後も冷たさがずっと続きます。長い時間冷たい飲み物が飲めますね。
メーカー公称値では「35℃の環境でも10℃以下を6時間キープする」とされていますよ。
実際、これまで私が使ってきたサーモスの魔法瓶もそのくらいの性能を持っていました。
- 「サーモスの自転車用ボトル」が発売されたのが2月で、この記事を書いている現時点では、まだ暑い気温でのテストはできていません。今日までに15℃前後の晴天下で使いましたよ。(2月なのに妙に暖かい日がありましたね)
- これまでサーモスの魔法瓶を使ってきた実感から言うと、夏でもじゅうぶんな保冷効果を発揮してくれることが期待できます。今後また夏日に使ったら結果を追記するかもしれません。
【保温効果】外が寒くても中身が冷えない
気温が低い時、ふつうのサイクルボトルやペットボトルだと、時間が経つと飲み物がすっかり冷たくなって、飲むのがつらくなることもありますよね。冷たくないものが飲みたい。
「サーモスの自転車用ボトル」なら、外が寒くても中身はすぐには冷えないので、例えば常温の飲み物を入れたなら、数時間後もだいたい元の温度のまま。
このボトルが発売されたのが2月だったので、まずは保温性から活用させてもらいました。
「熱い飲みもの」を入れてはいけない
ところで、サーモスの自転車用ボトル(FFQ-600)は「保冷専用」とされていますよ。
説明書には「熱い飲み物を入れてはいけない」と明記されています。(これは主に火傷防止のため)
しかし、その高い断熱性にはもちろん保温効果もあります。
ということで、「気温8℃」で「ぬるま湯」を入れて試してみたところ、数時間後でも温かさが感じられる「ぬるま湯」のままでした。
「熱い飲み物」を入れるのはダメですが、「ぬるま湯程度」の保温なら問題ないと、私は考えていますよ。
「サーモスの自転車用ボトル」、その高い断熱性はやはりサーモスならでは。
自転車用にリデザインされていること以外は、従来のサーモスボトルと性能上の大きな違いはないように思います。スリムで真空層がものすごく薄いのに、見た目以上の断熱性能がある点を高く評価したいですね。
使い方のポイント
「サーモスの自転車用ボトル」の使い方のポイントは次の3つ。
【保冷】氷を入れすぎないこと
冷たさをキープするために氷を入れる時、ふつうのサイクルボトルの感覚で氷をたっぷり入れてしまうと、
氷が全然溶けず、飲める液体の部分がほとんど無い状態になりやすいです。そういう状態では飲み物は頭が痛くなるくらい冷たい。
ということで、飲み物を冷やしたい時でも氷を入れすぎないように注意しましょう。
一般的なサイクルボトルを使い慣れた人こそ、初めはついついやってしまうはず。
「サーモスの自転車用ボトル」なら氷は溶けにくく、飲み物の温度はそう簡単には上がらないので、はじめから飲み頃の温度でドリンクを用意するのがおすすめです。
自販機やコンビニで買った冷えたドリンクを入れるなら、氷は無くても冷たさをキープできますよ。(酷暑時は少し氷を入れるといい)
【保温】熱い飲み物を入れない、保温は「ぬるま湯」まで
上でお伝えした通り、「サーモスの自転車用ボトル」は熱い飲み物を入れてはいけないとされています。
噴出や破損・火傷のおそれがあると注意書きがありますよ。事故が起きれば誰にとっても不利益ですので、メーカーの警告には基本的に従ったほうがよいでしょう。
とはいっても、保温効果が使えるのも事実。「熱いもの」は禁止ですが、「冷たくない」「ぬるい」という程度の温かさの飲み物なら入れても大丈夫です。
「保温」はメーカー非推奨ですが、自己責任で「ぬるま湯程度の保温用」に使うのはアリだと思います。
組み合わせるボトルケージは樹脂製のものがオススメ
「サーモスの自転車用ボトル」の本体はステンレス製。
そのため、「金属製のボトルケージ」に出し入れを繰り返すと傷が付きやすいです。
横方向に「ヘアライン加工」されたステンレスボディに縦方向の傷が付くので、小さな傷も目立ちます。
「樹脂性のボトルケージ」を使えば、金属製のボトルケージと比べて傷がつきにくいですよ。(それでも傷は皆無ではない)
使っていれば小傷が付くことは避けられないと思うので、小傷を「気にしない」のが一番の解決策かもしれません。
◎ふつうのサイクルボトルにも傷は付いているのですが、あちらは目立たないんですよね。
気になったところ、気をつけたいこと
「サーモスの自転車用ボトル」は魔法瓶。ふつうのサイクルボトルとは違うので、使い勝手は少し異なります。
使い慣れるまでは、「使い勝手の違い」が欠点・悪い所に思えるでしょう。そのあたりもお伝えしてみます。
フタの開け閉めなどが、慣れるまではちょっと難しい
このサーモスの自転車用ボトル、「ストロー仕様で飲みやすい」という特長はあるものの、慣れるまではストローに口を付けるまでが難しいと感じました。
例えば、飲みやすい・漏れない・すぐ飲めるサイクルボトル「キャメルバック・ポディウムボトル」ならボトルをとって軽くにぎるだけで飲めるのに、
それに比べて「サーモスの自転車用ボトル」は、手にとってから飲むまで、飲んでからケージに戻すまでの操作がちょっと複雑です。文字で表すと次のようなかんじ。
意外に複雑?ボトルを取って・飲んで・収納するまでの手順
- ボトルに手を伸ばす
- フタをあけるボタンが親指の位置にくるように、ケージの中でボトルを回す
- ボタンに親指を添えながら、ボトルをつかんで手に取る(ボタンはまだ押さない)
- ボトルを口の前に運びながらボタンを押してフタを開ける
- ストローを口につけて飲み物を飲む(たくさん飲む時はボタンを押しながら)
- 飲み終わったら、人差し指でフタを閉じる(それ以外の指でボトルを保持)
- ボトルケージにボトルを戻す(できれば②同様に親指の位置にしておくとベター)
これらの手順1つ1つは単純な動作ですが「走りながら」ではどうでしょう?
ボトルを落とさないように注意しながら、片手ですべてこなす必要があるので、なかなか難しいと思う人もいるはず。(片手での扱い易さは、手の大きさにもよると思います。)
ボトルを取ってから「フタを開けるボタン」を探してボトルを回すのは困難。やればできるけど、そこに意識を集中していては事故のもと。
一連の流れを覚えて「1アクションずつ確実に行なう」ことがポイントですね。
誤って落としたら大変
魔法瓶を地面に落としたことはありますか?
うっかり落としたら、傷だらけになったり、ペコンとへこんだり、悲しいことになりますよね。
この「サーモスの自転車用ボトル」も落としたらタダでは済みません。走行中の自転車から落としたら1発でボロボロになるでしょう。
そのあたりが、ふつうのサイクルボトルとは違って気を使います。
また、後続の車両が魔法瓶を踏んだら、大きな事故につながるおそれもあります。
ボトルを手にとって収納するまでの間に、絶対に落とさないように気を付けましょう。
フレームにぶつけたらアウト
魔法瓶というのはだいたい「金属むきだしボディ」で、このサーモスの自転車用ボトルもそう。
ボトルケージからボトルを取る時や、特にボトルを戻す時、金属部分をフレームにガツッとぶつけたら、フレームに痛い傷を付けることになります。
ボトルを出し入れする時に、うっかりフレームにヒットしないように気をつけましょう。
◎底の部分にもグリップ同様のシリコンカバーがあれば少しは安心なのにと思います。
驚愕!説明書に「走行中は使用しないで」の文字
ちなみに、このサーモスの自転車用ボトル、説明書には【使用上のお願い】として、
なんと「走行中は使用しないでください」と書かれている…。
これはメーカーとして、より安全な使用を求めるメッセージであり、【警告】や【禁止事項】という意味ではないようです。
自転車用ボトルである以上、走りながら飲む人が多いのは当然のはずですが、
「止まって飲めるなら、なるべくそうしたほうが安全」というのも解りますね。止まって飲めば、運転を誤ったり、ボトルを落とす心配はないのですから(いちおう納得)
- 「サーモスの自転車用ボトル」は、ふつうのサイクルボトルとは違います。まったく同じ感覚で使うことはできませんね。
- 安全・快適に使えるように、走行中の取り扱いは慎重に。
おすすめの使い方
「サーモスの自転車用ボトル」は、例えばこんなふうに使うと便利です。
「2本目のボトル」をサーモスにする
飲み物(サイクルボトル)を2本以上持つ時に、2本目以降の飲み物をサーモスのボトルにしておくのがオススメです。
ふつうのサイクルボトルでも、初めのうちはちょうど良い温度で飲めるし、中身がぬるくなるまでにはしばらく時間がありますよね。
1本目の飲み物の量が減っていき、最後は温度も上がってきます。そこに時間差で2本目のボトルが冷たいままスタンバイしているという格好。
また、ある程度距離を走ったあとで、休憩の時に冷えたドリンクが飲めたら嬉しいですよね。
というかんじで、「冷たさが長く続く」という特長を生かして、お楽しみを後に残しておく使い方もオススメですよ。
まとめ
一般的なサイクルボトルの保冷効果では物足りない場面は多いです。
保冷効果が高い「キャメルバック・ポディウムアイス」でも魔法瓶には及ばない。
とはいっても、自転車で使える高性能な魔法瓶は少ない…。
そこへ「ついに、サーモスが出してくれた!」というかんじ。
その断熱性能・保冷効果にも、デザインの作り込みにも、満足ですね。
これが自転車用の魔法瓶・保冷ボトルの決定版だ!
使い勝手の面では、ふつうのサイクルボトルとは違う部分もありますが、
現時点で「サーモスの自転車用ボトル」は、
自転車用の魔法瓶・保冷ボトルの決定版・ベストバイ商品といえるでしょう。
ということで、私も迷わず買いました。
買って良かったか?と聞かれたら、それは完全にYES。
傷だらけにしながら、長く使えるといいなと思います。
自転車で使える魔法瓶・保冷ボトルを探している人に、オススメですよ。
▼後から「レッド」が追加されました。
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