サーモスの自転車用魔法瓶に新型が登場!新旧どっちがオススメ?比較してご紹介
2019年9月1日、魔法瓶の専門ブランド『サーモス』から、自転車用の魔法瓶の新モデルが発売されました。
自転車のボトルケージに収納できる高性能な魔法瓶です。
- 以前の製品は『真空断熱ストローボトル/FFQ-600』というもので「ストローで飲むタイプ」でした。
- 新しい製品は『真空断熱ケータイマグ/FJF-580』というもので「口を付けて飲めるタイプ」です。
追記 さらに『真空断熱スポーツボトル/FJP-600』という「口を付けて飲めるタイプ」が発売されました。
私は「サーモスの自転車用ボトル」を前の製品も愛用していて、詳しい紹介ページもお届けしてきたので、この新しい製品も発売直後に購入して使い始めていますよ。
ということで今回は、サーモスの自転車用ボトルの新製品(FJF-580)について、以前の製品と比較しながら、その特長や違いをご紹介します。
- 「実際の使用感」を詳しくお伝えするとともに、
- 「新・旧どっちがオススメ?」という選び方のポイントもお伝えしてみますね。
さらに、いくつか注意点などもあるので、あわせてお伝えします。
自転車用の魔法瓶の購入を考えている人の参考になればと思います。
- 情報量が多いページです。見たいところにジャンプできる「もくじ」もご活用ください。
- 一部、以前の製品(FFQ-600)と同等の箇所や注意点については、以前の記事と同様の内容をお伝えしています。
- モデルチェンジ(旧製品の廃盤)ではなく、ラインナップの追加という形なので、以前の製品(FFQ-600)も引き続き選択肢として検討されると良いと思います。
※画像はすべて当サイトオリジナルの撮り下ろしです。無断転載・引用を禁じます。
これまでのおさらい|初代~2代目登場
◎まずは以前の製品の発売から「これまでの流れ」をおさらいしておきます。必要ない人は飛ばして次にお進みください。
自転車のボトルケージに入る「魔法瓶・保冷ボトル」がほしいと思ったことはありませんか?
そんな私たち自転車ユーザーの期待に応えて、
魔法瓶の専門ブランド「サーモス」が、サーモスとして初の自転車専用ボトル(FFQ-600)を発売してくれたのは2017年2月のことでした。
サーモスの自転車用ボトルの発売を待望していた私は、発売と同時に購入して使用開始。
当時、当サイトでも詳しくご紹介しました。(下記ページ)
当時、発売されたタイミングが、気温が低い「2月」だったので、「サーモスの自転車用ボトル」の登場はすぐには話題にならなかったと記憶しています。
しかし、サイクリングシーズン本番の春が来て、冷たい飲み物がほしくなる夏になると、次第に注目が集まり、「サーモスの自転車用ボトル」は多くの自転車乗りの間で普及していったのでした。
発売から2年以上が過ぎて、いまや「自転車用の魔法瓶」の定番になりつつある「サーモスの自転車用ボトル」ですが、
2019年9月、その第2弾となる新製品「真空断熱ケータイマグ/FJF-580」が登場!
というのが、ここまでの流れです。
ということで、引き続きこの新製品(FJF-580)について、以前の製品(FFQ-600)と比較しながら、その「特長」や「違い」等をお伝えしていきます。
特長1|ボトルケージにぴったりのサイズ
まずは大きさ・サイズ感からチェック。
一般的なサイクルボトルと同等の約0.6リットルの容量
サーモスの自転車用ボトル(FJF-580)の容量は580ml。
その大きさ・容量は一般的なサイクルボトルとほぼ同じです。
◎参考:写真は「キャメルバック・ポディウムチルボトル 620ml」と並べて比較した様子。
「500mlよりも少し余分に入る」というのがポイントで、コンビニ・自販機などで500mlペットボトル飲料を買って移し替えることもできるし、
「500ml程度の飲み物」+「氷を少し入れる」ということもできますよ。
以前の製品(FFQ-600)の内容量は600mlでした。新しい製品は580mlで「1口分」少なくなったかんじですが、特に気になる差ではないでしょう。
出し入れしやすい、絶妙なフィット感
ボトルケージとボトルの「フィット感」は大切です。
キツいとボトルの出し入れが難しくなり、緩いと走行中にボトルが飛び出す恐れがあります。
「サーモスの自転車用ボトル」のフィット感は絶妙。抜き差しの硬さはちょうどいいと私は思います。
ちなみに「直径」は上部・下部のいちばん太いところで73mm、胴部は72mmくらい。
弾力性がある一般的なサイクルボトルと比べると、「サーモスの自転車用ボトル」は硬くて変形しないので、そのぶんやや細めに作られている印象です。
- 「フィット感」は組み合わせるボトルケージとの相性によって多少変わると思います。
- 私が試してみた範囲では「サーモスの自転車用ボトル」は手持ちのどのボトルケージに入れてもキツすぎず・ゆるすぎない、いいかんじのフィット感が得られました。
特長2|直接口を付けて飲めるマグタイプ
サーモスの自転車用ボトル(FJF-580)は、直接口を付けて飲める「マグタイプ」です。
飲み口は「注ぎ口」のような形状で、フタを開けて傾けると飲み物が出てくるという一般的な作りです。
- ペットボトルのように「普通に口を付けて飲みたいという人」や、
- 逆に「口を付けずに流し込むように飲む場合(いわゆる滝飲み)」には、
このマグタイプの飲み口が使いやすく感じられるでしょう。
以前の製品(FFQ-600)はストローで飲むタイプでした。
使う人によって好み・評価が分かれますが、ストロータイプも便利ですよ。
特長3|保冷・保温の両方に対応
サーモスの自転車用ボトル(FJF-580)は、保冷にも保温にも使えます。
暑い時期に飲み物を冷たくキープするだけでなく
寒い時期には温かい飲み物を携行できます。
例えばサイクリング中の休憩時、
- 暑い時には冷たい飲み物でクールダウンでき、
- 寒い時には温かい飲みものでホッと一息つけます。
「飲み物の温度」が、気分や心地良さを変えてくれることってありますよね。
だから、「飲み物を冷たくor温かく保って携行できる」というのは、やっぱり素晴らしいことだと思うんです。
それこそが「魔法瓶を選ぶ理由」ですよね。
以前の製品(FFQ-600)は保冷専用でした。
公式に「熱い飲み物を入れないでください!」と注意書きがされていて、困惑した人もいると思います。私は自己責任で保温にも使っていました。
メモ:飲み口の形状により「保冷・保温の対応範囲」が変わる
サーモスの魔法瓶のうち一部の製品は「保冷専用」とされています。
これは、魔法瓶本体の性能が保温に対応していないのではなく、飲み口の仕様にともなう安全上の理由からこのように注意・説明されていますよ。
飲み口の仕様が「ストロータイプ」等の場合は、使用時に熱い飲み物が勢いよく口に入ることによる火傷の危険性があります。そのため、安全のために「保冷専用」となります。
いっぽう「マグタイプ」は飲み物が口に入る際、外気に触れることができ、熱ければ冷ましながら飲むこともできますよね(誰もが無意識にする、空気を一緒に吸い込むなどして冷ます行為による)。そのため「保冷・保温に対応」となります。
ただし、マグタイプでも勢いよく口に入れると火傷の原因になるので、実際の使用時には各自が注意する必要がありますよ。
特長4|サーモスならではの高い断熱性
実際に保冷・保温に使ってみれば、その断熱性の高さはすぐに実感できます。
【保冷効果】氷が長持ち、冷たさが長く続く
水と氷を入れて、何度かサイクリングに出かけてみました。
ときどきチェックしてみると、1~2時間後でもまだ氷が残っているかんじ。(※氷が無くなるまでの時間は、飲み物の温度や氷の量・気温によって変わります。)
そして、氷が溶けた後も冷たさが長く続きます。
ふつうのサイクルボトルでは中身がお湯になるような状況でも、より長い時間「冷たさをキープ」してくれますよ。
◎温度変化を計測した簡単な実験結果も後でご紹介します。
【保温効果】温かい飲み物が冷めにくい/飲み物が冷たくならない
サーモスの自転車用ボトル(FJF-580)が発売されたのが9月1日で、直後に入手して使い始めてこの記事を書いているのが9月の下旬。
ということでまだ実際に「寒い環境」で使う実験はできていませんが、温かい飲み物を入れて保温にも使ってみました。
結果は言うまでもなく、サーモスの魔法瓶ならではの高い保温効果で、長時間「飲みごろの温度」をキープできました。(温かいお茶おいしい!)
これは秋冬のサイクリングなど、寒い時に重宝しますよ。
気温が低い時、ふつうのサイクルボトルやペットボトルだと、時間が経つと飲み物がすっかり冷たくなって、飲むのがつらくなることもありますよね。冷たくないものが飲みたい。
「サーモスの自転車用ボトル」なら、外が寒くても中身はすぐには冷えないので、例えば常温の飲み物を入れたなら、数時間後もだいたい元の温度のままです。
サーモスの自転車用ボトル(FJF-580)のカタログ上では、保冷・保温性能は以下のように説明されています。
- 保冷効力:20℃環境で水温4℃の水を満たした場合、6時間後でも水温10℃以下を保つ。
- 保温効力:20℃環境で水温95℃のお湯を満たした場合、6時間後でも水温70℃以上を保つ。
◎上記は、カタログ内容の転載ではなく私が要約したものです。
実際の使用条件によって温度や時間は多少変わりますが、これまでに私がサーモスの魔法瓶を多数使ってきた経験からすると、サーモスの魔法瓶はどれもほぼ公称どおりの性能を持っていると思いますよ。
特長5|持ちやすい&飲みやすい作り
「サーモスの自転車用ボトル」は、飲みやすさや・使いやすさを考えて作られています。
そのディティールや使用感をチェックしてみましょう。
滑りにくい&持ちやすい「ボディリング」
「ボディリング」はボトル上部の段差に設けられたシリコン製のグリップ。以前の製品(FFQ-600)から採用されています。
シリコンバーテープのようなタッチで、滑りにくく、適度な弾力があって持ちやすいです。
魔法瓶の本体は硬くて滑りやすいので、このグリップの存在はありがたい。
この「ボディリングが付いている段差」は一般的なサイクルボトルの「くびれ」の位置と同等に設定されています。
ボトルケージ上部の突起は「ボディリング」に当たるため、ボトルが滑って飛び出すのを防ぎ、さらに金属製のボトルからカチャカチャと異音が出るのを抑えていることが解ります。
※ボディリングが濡れると滑るので注意してください。飲み物をこぼした時や、雨の日などは要注意。
◎ボディリングはかんたんに取り外して洗うことが可能。うっかりドリンクをこぼしたり、汚れた時には外して洗えば清潔に保てる。
ワンタッチで開くフタ(ロック付き)
ボトルを持って親指でボタンを押すと、フタがぴょこんと跳ね上がって自動で開きます。
フタを戻す時は、人差し指で押し込めばカチッと閉まるので、片手で開け閉めが可能です。(*手が小さい人には難しいかもしれません)
また、フタが不意に開かないように固定できる「ロックリング」が付いていますよ。
自転車乗車時以外でバッグ等に収納する時にはロックしておくことで、もしもフタを開けるボタンに何かが当たっても不意にフタが開いてしまうことがありません。
とはいえ、飲み物を飲むたびに毎回ロックリングを開け閉めする動作が加わるのは面倒と感じる人は多いと思います。また、それが走行中なら安全性にも関係してきます。(ロックリングを片手で開け閉めするのは難しい)
ボトルケージに収納している時にフタが不意に開いてしまうようなことは通常無いので、走行中は「ロックリングを外したまま」にしておくと、ロックを外す手間が省けるので私はそうしていますよ。(このほうが安全だと思います)
以前の製品(FFQ-600)にはロックリングはありませんでした。
ストロータイプのボトルはフタを開けて傾けても中身がこぼれないのでロックリングは不要だったのです。
特長6|より上質になった外観
サーモスの自転車用ボトル(FJF-580)は、「ブラック」と「ホワイト」の2カラーで登場しました。
その表面は「艶消し塗装」で、マットブラック/マットホワイトです。
しかも、単なる艶消しではなく、よく見ると細かな凹凸がある、いわゆる「梨地仕上げ」のようです。
「一眼レフカメラのボディ表面によくあるザラザラした質感」といえば「あぁなるほど!」と思う人もいるでしょうか?
そんな高級感のある表面仕上げとなっていますよ。
ちなみに私は購入する際に「ブラックもホワイトもどちらも格好良い…どっちにしよう?」とさんざん迷った結果、両方買ってしまいました(笑)
あなたなら、白・黒どっちを選びますか?
自転車乗りは「ブラック」を好む人が非常に多いのですが、私は「ホワイト」も素敵だと思います。
さらに、今後また「新たなカラー」が追加される可能性があるので、楽しみにしておきたいですね。
以前の製品(FFQ-600)は銀色のステンレスむき出しの潔いデザインでした。
フタとボディリングの色を変えた「白」「黒」の2カラーで登場して、その後さらに「レッド」が追加されました。
【実験】白・黒で温度差がある!?測ってみた
「ホワイト」と「ブラック」を両方持って出かけてみると、表面温度がかなり違うことに気付きました。
太陽光が当たることでボトルの表面が熱くなるのですが、
光を反射するホワイトのほうは表面温度が上がりにくいいっぽうで、光を吸収するブラックのほうが明らかに熱いんですね。
それでは、この「表面温度の差」は中の飲み物の温度に影響しないのでしょうか?
気になったので、同じ条件に揃えて温度変化を計測してみました。
計測条件
- 測定時期:9月下旬
- 測定環境:気温30℃、晴天の屋外、微風、直射日光が当たる状態
- 設置場所:木製テーブルの上
- ボトルの中身:10℃の水を500ml入れた状態
計測方法
- 【開始時】【30分後】【1時間後】の3時点の温度変化を記録する(小数点以下切り捨て)
- 物体の「表面温度」や「水温」などが測れる赤外線照射式の温度計を使用
- 水温を計測する際に各30秒くらい開栓します。
「表面温度」の計測結果
表面温度は下表のように変化しました。
開始時 | 30分後 | 1時間後 | |
ホワイト | 27℃ | 37℃ | 39℃ |
ブラック | 27℃ | 50℃ | 56℃ |
やはりホワイトよりもブラックのほうが表面温度が高くなっていることが解ります。
「水温」の計測結果
水温は下表のように変化しました。
ついでなので通常のサイクルボトル「キャメルバック・ポディウムチル」も一緒に水温を測っておきました。
開始時 | 30分後 | 1時間後 | |
ホワイト | 10℃ | 11℃ | 12℃ |
ブラック | 10℃ | 11℃ | 12℃ |
ポディウムチル | 10℃ | 18℃ | 26℃ |
この実験は真夏日の直射日光が当たる状態で計測したのですが、「さすが魔法瓶!」と思える断熱性が確認できますね。
同条件で一緒に並べて置いた「ポディウムチルボトル」は断熱シートが封入されたボトルなのですが、魔法瓶には敵いません。
実験結果まとめ
結果は、色の違いによる表面温度の差は確かにあるのですが、
中の飲み物の温度変化には、ほぼ差がないことが解りました。
じつは私は「ブラックのほうが中の温度も高くなるはず」「保冷効果を重視するならホワイトを選ぶほうが良いだろう」と予想していました。(それを実験で証明したかった)
しかし実際には、色の違い・表面温度の差による「飲み物の温度の差」はほぼ無いことが解ったので、単純に「好きな色」のほうを使えば良いということになりますね。
白・黒で中身の温度に差は出ないの?という疑問からやってみた検証ですが、これも何かの参考になればと思います。
◎表面温度や水温は、使用環境・使用状況によって変わります。
新製品は前より良くなってる?
以前の製品(FFQ-600)と新しい製品(FJF-580)の最大の違いは「飲み口の形状」が変わったことです。
以前は「ストロータイプ」でしたが、新しい製品では「マグタイプ」が採用されました。
これにより「使用感」はどのように変わるのか?ということについてお伝えします。
保温対応になった点は◎
「飲み口の形状」によって保冷・保温の対応範囲が変わる、ということを上で説明しました。
そのため、以前のストロータイプの製品は保冷専用となっていました。
実際にはストロータイプを保温の用途に使うことも可能ですが、メーカーが推奨しない使い方を積極的にするのは望ましくありません。
そして、新製品は「マグタイプ」になったことで、温かい飲み物を保温する目的で使用するのもOKとなり、「寒い時期に温かい飲み物を持って行く」という使い方が気兼ねなくできます。
これで「サーモスの自転車用ボトル」を暑い時も・寒い時も活用できるようになりましたね。
洗いやすくなった
ストローが無くなったことで、洗浄しやすくなりました。
口を付けて飲んだボトルは、使用後にボトル内側と飲み口・パッキンを洗う必要がありますよね。
また、スポーツドリンクなど水以外の飲み物を入れる場合は、使用後に毎回の洗浄が必須です。
その際、分解や洗浄が簡単なほうが良いですよね。
パッキンなどのスモールパーツの点数は2個から3個に増えましたが、パーツの着脱は容易になり、ストローが無いぶん洗いやすいです。
また、サーモスのボトルはパッキンなどのスペアが別売で購入できるので、傷んだ時は部品だけ交換することができ、本体を丸ごと買い替えることなく長く使えますよ。
フタの開け閉めが少しだけ楽になった
ストロータイプからマグタイプになったことで、魔法びん上部の飲み口やパッキンが付いている部品「せんユニット」が丸ごと変わりました。
仕様が異なるため、外観・形状にも違いがあって、並べてみると「フタを開けるボタン」が以前よりも約1cm低い位置にありますよ。
これにより、片手でフタを開け閉めする時に親指が届きやすく、より押しやすくなったように思います。
また、フタを閉める時には、人差し指で押し込むとカチッと閉まるのですが、その際の力加減が、以前よりも少ない力で閉まるようになっていますよ。
このような違いにより、以前の製品(FFQ-600)と比べると、フタの開け閉めが少しだけ楽になったように感じられます。
「マグタイプ」の飲み口の評価は分かれる
飲み口の形状が「ストロータイプ」から「マグタイプ」になったことは、
必ずしも使用感の向上にはつながらないということをお伝えしたいと思います。
これは筆者の個人的な感想・見解ではありますが、
「ストロータイプ」「マグタイプ」両方を使い比べて解ったことや使用感の違い、注意点などをまとめると次のようになります。
マグタイプは走行中に使うとこぼれやすい
- マグタイプは飲む時に本体を傾ける必要があり、中身の量に応じてボトルを傾ける角度が変わります。中身が減ってくると顔も傾ける必要があります。(ペットボトルと同様)
- 中身が見えないので、どのくらい傾けると出てくるのか判りにくく、誤ってボトルを傾けすぎると、勢いよく飲み物が出てくることがあり、飲み物がこぼれることも。
- 走行中に飲む場合には、誤ってこぼさないように注意が必要です。
- 中身がたくさん入っている時は、ボトルを傾けずにフタ開ける必要があります。誤って傾けながらフタを開けると、開いた瞬間に中身がこぼれることがあります。
- 停車時に飲む場合は問題ないです。停車時は落ち着いてフタを開け閉めできるし、ゆっくりボトルを傾けることができるので、誤ってこぼすようなことは少ないと思います。
ストロータイプは使用感が安定している
- ストロータイプは中身の量に関わらず、いつもボトルをまっすぐに持っていればOK。
- ストローが底まで届いているので、中身が少なくなっても吸えばほぼ最後まで飲める。ボトルをひっくり返す必要はありません。
- いつも同じ姿勢で前を向いたまま飲めるので、走行中に飲むならこちらの方が安全と思える。
- ストロータイプは大きく傾けてもこぼれません。弁が付いているので、フタを開けて逆さまにしてもほとんど漏れません。自転車や服を飲み物で濡らすことはほとんどないです。
- 走行中に飲む場合も、停車時に飲む場合も、飲みやすさや使用感はほぼ変わらないという印象です。
飲み物が出てくる量を調節できるかどうか
ストロータイプや一般的なサイクルボトルでは「吸う量」や「にぎる力」によって、「飲み物が出てくる量」を自分で調節できます。
いっぽう、マグタイプはボトルの傾きに応じた量が勢いよく出てくることがあるので、ボトルを傾ける動作を慎重にする必要があります。「飲み物が出てくる量」を調節するのは難しいです。
走行中の使用感はストロータイプが優れる
以上のような違いから、「自転車で走行中に片手で飲む」という実情に照らし合わせると、
ストロータイプのほうがより安全に・確実に・容易に飲めるといえるのではないでしょうか。
「直接口を付けて飲めるタイプが良い」とか「ストロータイプが飲みやすい」という好みは人それぞれだと思いますが、
両方とも使い比べてみた結果、走行中の使用感はストロータイプのほうが優れていると私は思いました。
とはいえ、私は停車して飲むことも多いので、止まって飲むならマグタイプも全然OKだと思います。
使用感については私の個人的な感想ではありますが、参考になればと思います。
新・旧どっちがオススメ?
ここまで、サーモスの自転車用ボトルの新製品(FJF-580)について、以前の製品(FFQ-600)と比較しながらご紹介してきました。
ここまでの内容を踏まえた上で、
- 新しい製品:マグタイプの「FJF-580」と
- 以前の製品:ストロータイプの「FFQ-600」では、
新・旧どちらがオススメか?
人によって重視する点は違うと思うので、
「こんな人にはこちらがオススメ」という形で選び方の例をお伝えしてみます。
ケース別、選び方の例
直接口を付けて飲みたい人は新製品「FJF-580」
直接口を付けて飲みたい派の人には新しいマグタイプがお勧めです。
逆に、口を付けずに飲みたい人も新製品「FJF-580」
口を一切付けずに、口に流し込む飲み方(いわゆる滝飲み)をする場合にも新しいマグタイプがお勧めです。
保温に使いたい人は新製品「FJF-580」
保温使用が前提なら、公式に保温に対応しているマグタイプを選ぶのがお勧めです。
走行中により安全に飲みたい人は以前の製品「FFQ-600」
走行中の使用感・安全性はストロータイプのほう優れていると私は思います。(前項のとおり)
停車時に飲む派の人なら新製品「FJF-580」
停車時に飲むなら誤ってこぼす心配はないので、マグタイプをお勧めできます。
自転車以外にも日常で使いたいという人にはどちらもお勧め
マグタイプの飲み口は「普通の水筒感覚」で使えるので、一般的な普段使いにもお勧めできます。
また、ストロータイプの飲み口は、例えば「クルマの運転中」にも前を向いたまま飲めるのでお勧めできます。
あなたならどっちを選びますか?ぜひご自身の好み・使い方にあったほうを選んでみてください。
以前のストロータイプの製品「FFQ-600」もとても良くできた製品でした。ストロータイプの詳しい紹介ページもぜひ参考にしてください。
私は新製品「FJF-580」と以前の製品「FFQ-600」の両方を持っているので、今後はその日の使い方によってケースバイケースで使い分けようと思います。
使い方のポイント
「サーモスの自転車用ボトル」を使う時に知っておくと失敗しない、使い方のポイントは次の2つ。
【保冷時】氷を入れすぎないこと
冷たさをキープするために氷を入れる時、ふつうのサイクルボトルの感覚で氷をたっぷり入れてしまうと、
「氷が全然溶けず、飲める液体の部分がほとんど無い状態」になりやすいです。
ということで、飲み物を冷やしたい時でも氷を入れすぎないように注意しましょう。
一般的なサイクルボトルを使い慣れた人こそ、初めはついついやってしまうはず。
「サーモスの自転車用ボトル」なら氷は溶けにくく、飲み物の温度はそう簡単には上がらないので、はじめから飲み頃の温度でドリンクを用意するのがおすすめです。
自販機やコンビニで買った冷えたドリンクを入れるなら、氷は無くても冷たさをキープできますよ。(酷暑時は少し氷を入れるといい)
組み合わせるボトルケージは「樹脂製」のものがオススメ
「サーモスの自転車用ボトル」の本体はステンレス製で、新製品「FJF-580」の表面は塗装で仕上げられています。
そのため、「金属製のボトルケージ」に出し入れを繰り返すと表面に傷がつきやすいです。
この「傷」というのは、表面にうっすらと付く「擦り傷」や、指でこすれば消える程度の「塗装移り」みたいなものです。
「樹脂性のボトルケージ」を使えば、金属製のボトルケージと比べて傷がつきにくいですよ。
表面の小傷が気になる場合は「樹脂製のボトルケージ」と組み合わせてみてください。
小傷などを気にしない人は、金属製のボトルケージでも良いと思います。
◎ふつうのサイクルボトルは柔軟性がある素材のため傷がつきにくく、傷がついても目立たないんですよね。
気を付けたいこと・注意点
「サーモスの自転車用ボトル」は魔法瓶。ふつうのサイクルボトルとは違うので、使い勝手は少し異なります。
使い慣れるまでは、「使い勝手の違い」が欠点・悪い所に思えるでしょう。
また、使用時には気を付けたい部分もあるので、そのあたりもお伝えしておきます。
フタの開け閉めなどが、慣れるまではちょっと難しい
このサーモスの自転車用ボトル、飲む時に必ずフタを開け閉めする必要があるので、
普通のサイクルボトルよりも取り扱いが難しいと思います。
例えば、飲みやすい・漏れない・すぐ飲めるサイクルボトル「キャメルバック・ポディウムボトル」ならボトルをとって軽くにぎるだけで飲めます。
それに比べて「サーモスの自転車用ボトル」は、手にとってから飲むまで、飲んでからケージに戻すまでの動作がちょっと複雑です。文字で表すと次のようなかんじ。
走行中の取り扱い手順
- ボトルに手を伸ばす
- フタをあけるボタンが親指の位置にくるように、ケージの中でボトルを回す
- ボトルを掴んで、ケージから取り出す(ボタンはまだ押さない)
- ボトルを口の前に運んでから、ボタンを押してフタを開ける
- ボトルを傾けて飲み物を飲む(中身の量に応じて傾ける量は変わる)
- 飲み終わったら、人差し指でフタを閉じる(それ以外の指でボトルを保持)
- ボトルケージにボトルを戻す(できれば②同様に親指の位置にしておくとベター)
これらの手順1つ1つは単純な動作ですが「走りながら」ではどうでしょう?
誤ってボトルを落とさないように注意しながら、片手ですべてこなす必要があるので、なかなか難しいと思う人もいるはず。(片手での扱い易さは、手の大きさにもよると思います。)
ボトルを取ってから「フタを開けるボタン」を探してボトルを回すのは困難。やればできるけど、そこに意識を集中していては事故の元です。
一連の流れを覚えて「すべての動作を確実に行なう」ことがポイントですね。
ときどき、フタが開かないことがある
時々ですが、ロックを外してボタンを押しても「フタが開かない」ことや「少し遅れて開く」という現象が起きることがあります。
その原因には、密閉性が高いゆえの「パッキンの吸い付き」、温度変化などによる「内圧の低下」が考えられます。
いざ片手で飲もうと思った時に、ボタンを押してもフタが開かないと「あれっ?」と戸惑うことでしょう。
そんな時は、ボタンを押しっぱなしにしないで「押して・放す」とすると、ボタンのツメがフタを押し上げてフタが開くことがあるので、ボタンから親指を放してみてください。たいていの場合は、これですぐに開くと思いますよ。
フレームにぶつけたらアウト
魔法瓶というのは金属製で硬いもの。サーモスの自転車用ボトルもそうです。
ボトルケージからボトルを取る時や、ボトルを戻す時、魔法瓶をフレームにガツッとぶつけたら、フレームに痛い傷を付けることになりますよ。
ボトルを出し入れする時に、うっかりフレームにヒットしないように気をつけましょう。
誤って落としたら大変
魔法瓶を地面に落としたことはありますか?
うっかり落としたら、傷だらけになったり、ペコンと凹んだり、悲しいことになりますよね。
この「サーモスの自転車用ボトル」も落としたらタダでは済みません。走行中の自転車から落としたら1発でボロボロになるでしょう。
そのあたりが、ふつうのサイクルボトルとは違って気を使います。
また、後続の車両が魔法瓶を踏んだら、大きな事故につながるおそれもあります。
ボトルを手にとって収納するまでの間に、絶対に落とさないように気を付けましょう。
説明書に「走行中は使用しないで」の文字
ちなみに、このサーモスの自転車用ボトル、説明書には【使用上のお願い】として、
なんと「走行中は使用しないでください」と書かれていますよ。
これはメーカーとしての建前上、より安全に使用することを求めるメッセージであり、【警告】や【禁止事項】という意味ではないようですが、なるべく従ったほうが良いでしょう。
自転車用ボトルである以上、走りながら飲むつもりで購入する人が大半だと思いますが、
「停車して飲むほうが安全」というのも解りますよね。止まって飲めば、運転を誤ったり、ボトルを落とす心配はないのですから。
また、上でお伝えしたように、普通のサイクルボトルよりも取扱いが難しい一面もあるので、もしあなたが「走行中に飲むのは難しいなぁ」と思う場合は、安全のために停車時に飲むようにしてくださいね。
「サーモスの自転車用ボトル」は、ふつうのサイクルボトルとは違います。
通常のサイクルボトルとまったく同じ感覚で使うことはできません。
安全・快適に使えるように、走行中の取り扱いは慎重に。不安な時は停まって飲むようにしましょう。
まとめ&総評
ということで今回は、サーモスの自転車用ボトルの新製品「FJF-580」について、
以前の製品と比較しながら、その「特長」や「違い」などをご紹介しました。
総評
サーモスの自転車用ボトル(FJF-580)は完成度の高い製品です。
自転車のボトルケージにぴったり入るように設計されているので、そのフィット感の良さは「自転車用でない魔法瓶」と比べると雲泥の差があります。
以前の製品は保冷専用でしたが、この新製品では保冷・保温の両方に使えるようになりました。
自転車用にリデザインされてもなお、魔法瓶の専門ブランド「サーモス」ならではの高い保冷・保温性能は健在です。暑い時・寒い時には頼りになるアイテムですよ。
以前の製品からの一番の相違点は「マグタイプの飲み口」。ストロータイプよりもこぼれやすいのでその点は注意が必要ですが、「直接口を付けて飲みたい」という人にとっては嬉しい改良といえるでしょう。
「マグタイプ」と「ストロータイプ」で好みが分かれることが予想されますが、それでもやはり、
あのサーモスが作った「自転車のボトルケージにぴったり入る高性能な魔法瓶」の第2弾ということで、今後また多くの自転車ユーザーが愛用していくことでしょう。
ラインナップ一覧
今回ご紹介した「サーモスの自転車用ボトル」のラインナップは以下の通りです。
新しい製品|FJF-580(マグタイプ)
以前の製品|FFQ-600(ストロータイプ)
追記:より新しい製品|FJP-600(スポーツボトル)
このページでご紹介した「FJF-580」の後に追加された製品です。
口を付けて飲む場合にペットボトルに近い感覚で飲める「スポーツタイプの飲み口」が採用されています。ただし保冷専用なので、保温利用も考えている人は注意してください。
あなたなら「新旧どっちのタイプ」の「どのカラー」を選びますか?
◎追記:さらに後発の「FJP-600」が追加されたので、もっと迷ってしまいますね…(笑)
迷った時は、この記事でお伝えした内容を読み直して、参考にしていただければと思います。
それでは、『自転車用の魔法瓶』を持って、快適なサイクリングを!
こちらの記事もぜひ参考に
▼飲み物のボトルを「ハンドルの近くに収納」できるアイテムです。魔法瓶の収納場所にもオススメです。
▼以前の製品(FFQ-600)を詳しくご紹介したページはこちらです。
▼魔法瓶ほどの性能はありませんが、保冷タイプのサイクルボトルも便利ですよ。