あなたが自転車でスリップ&転倒するのはこんな時|原因を知って予防しよう
『自転車は濡れた路面で滑りやすい』、これは当たり前のことですが本当に気を付けましょう。
また、路面が乾いていても自転車って滑るときは滑るんですよね。あ~怖い。
というのも私自身が先日、うっかりスリップ&転倒してしまいました。うっかりというか、危険を察知して事前に回避しようとはしたんですよ?(言い訳)
それでも結局ツルンッとやってしまったわけです。「気付いた時にはもう遅い」的なことですね。
幸い、怪我は手と膝の打撲・出血くらいで済みましたが、しばらくジンジン痛みました。
これが、運が悪ければ骨を折ったり、頭を打って重体とか有り得るわけで、怖いなぁと真剣に思ったんです。
そこで今回は「自転車でスリップ&転倒しないために覚えておきたいこと」をご紹介します。
あなたも自転車でスリップ&転倒しないように、いま一度確認してみましょう。
1. 誰でも簡単にスリップ&転倒してしまう状況がある
【体験談】私がスリップ&転倒した話
これは私が体験した実例。先日、いつも通る坂道を自転車で登っていた時のことです。
その日は晴天で路面もほぼドライでしたが、前日に雨が降ったので、道路脇の斜面から水が流れ出ている箇所がありました。水は道路の一部を横切るようにして路面を濡らしていましたよ。
濡れた場所に差し掛かったところで私は「ここは滑りそう」と思い、「自転車を降りて押して歩こう」と思った矢先にリアタイヤが横滑りして、その場で見事に転倒しました。
(ちょうど上のイメージ写真のような格好でコケました。)
上記の通り、そのとき私は「危険を察知して回避しようとした」のですが、間に合わなかったという話です。お恥ずかしい。
スピードが出ていなくても、スリップ&転倒は起きる
それはちょうど「自転車を止めて降りようとした時」だったので、スピードが出ておらず、ほとんど停止状態(0~1km/h)だったことは幸いでした。
そして、走行中でなくてもスリップ&転倒するということに驚きました。
それほどスリップ&転倒しやすい状況だったということですね。
スポーツタイヤは特に滑りやすいので要注意
私の自転車は、普段は溝の無い「スリックタイヤ」を使っています。スポーツ自転車に乗っている人なら、スリックやセミスリックを使っている人は多いですよね。
スリックタイヤは乾いた路面では高いグリップ力を発揮しますが、濡れた路面が苦手です。これもスリップ&転倒の一因になりました。
やっぱり滑りますよ、「スリックタイヤ+濡れた路面」は。スリックタイヤと路面の間に水の膜があると、それはもうツルッツル、超滑りやすいです。
「濡れて滑りやすい路面+スポーツタイヤ」。そこへ更に、次に説明する「滑るきっかけ」が加わったために、私はスリップ&転倒してしまったのでした。(もはや必然)
2. スリップ&転倒するのはこんな時
「滑りやすい路面状況」であっても、必ずしもスリップ・転倒するわけではありませんよね。
それじゃあ、スリップ・転倒してしまうのはどんな時だろう?
スリップ&転倒を誘発する「きっかけ」がある
スリップ・転倒する時には「きっかけ」があるんです。それは例えばこんな時。
- ブレーキをかけた時(車輪がロックしやすい)
- カーブ等で車体を傾けた時(外側に滑る力が働く)
- ペダルに体重をかけた時(後輪の荷重が抜ける)
- 立ち漕ぎをした時(後輪の荷重が抜ける)
- 上り坂を楽に走るために「前乗り」をした時(後輪の荷重が抜ける)
- 坂道で停止した時(タイヤが滑り落ちる力が働く)
- 停まって足を着こうと片方のペダルに体重を乗せて腰を浮かせた時(後輪の荷重が抜ける)
「きっかけ」が無ければスリップ・転倒は避けられる
「滑りやすい路面」で「滑るきっかけ」を作れば、タイヤは簡単にスリップします。
「きっかけ」は1つで滑ることもあれば、3つくらい重なった時に急激に滑ることもありますよ。
きっかけを作るのは自分自身です。
きっかけさえ作らなければスリップ・転倒は予防できます。
「スリップし易い路面状況」と「スリップを引き起こすきっかけ」が重なった時に、
タイヤは突然スリップして転倒を引き起こすということを覚えておきましょう。
上で紹介した『私がスリップ&転倒した話』。
それはまさに「坂道で停まって足を着こうとした時」に起きました。あの時私は「きっかけ」を作りまくっていたんですね。
「濡れた路面」+「スリックタイヤ」+「前乗り」+「ブレーキ」+「足を着こうとした」+「坂道で停止した」=スリップ&転倒。こんなかんじ。
スリップ&転倒を回避するために自転車を降りようとしたことが、かえってスリップ&転倒を招いたとは…。
でもそのまま走り続けても滑って転んだはず。それなら、もっと遥か手前で濡れた路面に気付いて自転車を降りておく必要があったのでしょう。いい勉強になりました。
3. ココに気を付けよう、滑りやすい路面&状況
「自転車が滑りやすい路面&状況」の例を挙げてみます。
次の様な場合に「滑るきっかけ」を作ると簡単にスリップ・転倒しますよ。
「濡れた路面」
路面の材質に関わらず、濡れた路面は乾いた路面よりも滑りやすいものです。
万全を期すなら「水を見たら滑ると思え」くらいの意識が必要です。
◎「凍った路面」がもっと滑りやすいのは、言うまでもありませんね。
「濡れた路面」+「上り坂」
私のこれまでの経験では「濡れた路面+上り坂」、これが一番滑りやすいです。
なぜ滑りやすいか?それは「上り坂」だから。上り坂では、タイヤをスリップさせる「きっかけ」を無意識に作りやすいんです。
◎滑りやすい路面状況で、さらに上り坂の場合は要注意ですよ。
- ペダルを強く踏み込んだ時
ペダルに体重を乗せると、サドルに掛かる荷重が減ります。サドルに掛かる荷重が減ると、後輪の荷重(≒グリップ)が低下します。 - 立ち漕ぎをした時
立ち漕ぎはペダルに全体重をかけようとする動作です。サドルからお尻を浮かすと、後輪の荷重が瞬間的に低下します。 - 前乗りをした時
急な上り坂は、サドルの先端に乗るようにして体を前に「前乗り」すると楽に登れます。しかしこれをすると後輪の荷重が低下します。
「アスファルトでない路面」
道路のほとんどは『アスファルト舗装』で、ドライでもウェットでも総合的に見て一番滑りにくいのは「アスファルト舗装」です。
つまり「路面がアスファルトでない場合は、それだけで滑りやすいと判断」してもいいくらいです。
◎もともと滑りやすい「アスファルトでない路面」は、水で濡れている場合にはもっと滑りやすくなるので、そんな状況を見つけたら要注意です。
- コンクリートで作られた路面、コンクリート製のブロックを敷き詰めた路面
- タイルや石畳などツルツルしたもので作られた場所(歩道や公園・駅周辺によくある)
- 砂利道や未舗装路
「アスファルト」+「砂・泥・油」
基本的に滑りにくいアスファルト舗装の場所も、路面に「砂」「泥」「油」などが乗っている場合は一転、滑りやすくなります。
砂などの異物は道路の端に溜まっていることが多いので、そういう状況では無理に端っこを走ろうとせず、滑りにくい部分を選んで走るのも安全のためには必要なこと。
アスファルト舗装は、場所によって「排水性(透水性)」や「表面の粗さ」などを変えて作られているので、「場所によって滑りやすい所とそうでない所がある」ということも覚えておきましょう。
「異素材部分」
路面のそこだけ違うもので出来ている「異素材部分」は、基本的に滑りやすい部分です。さらに濡れていればもっと危険。
普通に走っていれば滑らない状況でも、突然路面の素材が切り替わるとスリップの原因になります。
- 側溝のフタやマンホール、その他金属部分
- 道路上の白線や横断歩道
- 歩道の点字ブロック
「当たり前」だからこそ要注意
「滑りやすい路面&状況」をこうして確認してみると、どれも「そんなの当たり前」って思いませんか?
でも、実際に走行しながら全てを完ぺきに見極めている人はどれくらいいるでしょう?
路面状況の変化に気が付くのは大抵「目の前に来てから」か「タイヤが乗ってから」なので、見落とすことがあるから危険なんですね。気を付けましょう。
まとめ
スリップ&転倒しないように、注意して走ろう
スリップ&転倒を予防するために「覚えておきたいこと」をまとめると次の3つ。
- 濡れた路面は滑りやすいということ
- アスファルト以外の路面は、アスファルトよりも滑りやすいということ
- スリップする時には「きっかけ」があるということ
自転車で走っていれば路面状況は刻一刻と変化します。
その「変化」に気付かない時や、対応が遅れた時にスリップ&転倒事故は起きるのです。
スリップ・転倒する可能性を頭の片隅に置いて、いつも注意して走りましょう。
気を抜くとスリップ&転倒することを忘れないで
自転車でスリップや転倒事故を予防するためには、路面状況をしっかり見ながら走ることが大切です。
ぼ~っとしていると見落としが起きます。特に雨天・雨後は気を抜いてはいけませんね。
前方や足元の路面が「なんか滑りそう」と思う場合は、早めに自転車を降りるのも賢明な判断です。
「滑りそう」と思う時に「滑るきっかけ」を作ってしまったら、必ずスリップしますよ。
あなたも自転車でスリップ&転倒しないように気を付けて、事故なく・ケガ無く、安全に自転車に乗りましょう。