MENU
サイト内検索
すべてのカテゴリー
ふじたひであき
サイト運営者
兵庫県神戸市出身。自転車愛好家、フォトグラファー。

自転車のサイト『MINI VELO 道』ではミニベロとロードバイクの初心者向け情報や、楽しみ方を広げる話題などを紹介しています。自転車用品が好きで、最近は自ら製品開発にも関わっています。

下記SNSからお好みのものをフォローしていただきますと、新着情報・筆者の近況などをお届けします。
【Pickup】カジュアルな見た目の自転車ヘルメットのインプレ詳しくはこちら

ミニベロとロードバイクの違い|それぞれのメリット&デメリット

ミニベロとロードバイクを並べて比較している写真。

最近、ロードバイクなどのスポーツ自転車からミニベロ(小径車)への乗り換えを考える人や、
普段使いのセカンドバイクとしてミニベロを購入候補にする人が増えています。

また、新しく自転車を買う時にミニベロとロードバイクの2択で「どっちにしよう?」と迷う人も多いみたいですね。

そこで、この記事では「ミニベロとロードバイクの違い」を項目別に比較して解説します。

  • ミニベロとロードバイクは何がどう違うのか?
  • これから買うなら、どっちが自分に向いているんだろう?
  • タイヤが小さいor大きいことにメリット・デメリットはある?

そんな疑問や興味を持っている人の参考になればと思います。

筆者自身もミニベロとロードバイクでたくさん走ってきたので、経験から解ることをなるべく詳しく&解りやすくお伝えしてみますね。

記事の内容は、全てのミニベロ・ロードバイクに100%当てはまるものではありません(稀に例外的な車種も存在します)。それぞれの一般的な特徴や相違点であるとお考えください。

もくじ

1. 速度・スピード・加速感はどう違う?

ロードバイクは楽にスピードが出る、巡航速度が高い

ロードバイクの大きなホイール・細いタイヤは、転がり抵抗が小さく、高いスピードを保ちやすいという特徴があります。

初心者が乗っても時速35kmくらいはすぐに出るし、速度を維持しやすいですね。

ロードバイクに乗っている時に自分から見えるハンドルやタイヤなどを写した写真

ロードバイクの見た目がどれも似ているのは、最速を目指して行き着く終着点だから。700Cというホイールサイズもフレームの形状も、すべてが速さを目指した結果。(また、レースの世界の競技規定によっても一定の形状が定められている)

巡航速度(=無理なく維持できる速度)はミニベロより一回り上で、平地を流していると時々なぜペダリングを続けているのか意味が解らなくなるくらい、ロードバイクはよく進みます。

「スポーツ走行/ロングライドを楽しむならロードバイク」という選択は理にかなっていますよ。

ミニベロの「タイヤが小さいからスピードが出ない」は誤解

よくある勘違いなのですが、『ミニベロはホイール径が小さいから、一漕ぎで進む距離が短くてたくさん漕がなければいけない、スピードが出ない』と思っている人がいます。

しかし実際には、クランク(ペダル)の回転運動をギア・変速機で適切に変換するので、
クランク1回転で進む距離はホイール径ではなくギア比によって決まります

多段ギア・変速機が付いているミニベロ・折りたたみ自転車の写真
ペダル付近の大きいギア(チェーンリング)と後輪のギア(スプロケット)の比率によって進む距離は変わる。写真のような多段変速機付きの車種も多い。

通常、ミニベロは「タイヤが大きな車種よりもギア比を高く設定」したり、「変速機で高いギア比を選択可能」にすることによって、小さいタイヤでも、ひと漕ぎで十分な距離を進めるようにパーツが組まれています。

タイヤが小さい分、同じ距離を進むにはロードバイクよりもタイヤはより多く転がる必要がありますが、だからといって必死にペダリングする必要は無いので安心してください。

ミニベロでも、のんびりペダリングをすることはできるし、ちゃんとスピードも出ますよ

ちなみに、市販のミニベロの中には「ギア比が最適化されていない・本当に全然進まないもの」も存在します。そういうのは大抵激安でゴミの様な自転車なので、買っちゃいけないやつですよ。ちゃんとした自転車メーカーは、そんなマヌケな自転車を販売しません。

「ミニベロは全然進まない」という誤解や先入観は、そのような多くの粗悪な小径車によって大衆に植え付けられたものでもあると思います。

ミニベロの最高速度は体力次第、ただし速度の維持が苦手

ミニベロでも、速いスピードが出せるだけのギアと体力があれば十分な速度が出ます
車種や体力にもよりますが、時速30km・40km以上で走ることも可能です。

ただし、ミニベロはロードバイクと比べると高い速度を維持するのは苦手です。
これはホイール径が小さいことによる「転がり抵抗の増加」や「慣性力の低下」によるもの。

ミニベロはペダリングの脚を止めた瞬間からの速度の低下率が大きいので、ロードバイクなら脚を休めて惰性で進めるような状況でも、ミニベロは漕ぎ続ける必要がありますよ。

また、上り坂に差しかかった時の失速率も大きいので、ちょっとした坂道がしんどく感じることも。「坂の手前で加速して、勢いで登る」という小技も使いにくいですね。

このような理由から、長距離を走るとロードバイクよりもミニベロのほうが体力が必要で疲れやすいです。
「自転車の走行性能はタイヤの大きさに左右される部分がある」ということが解りますね。

結局、ミニベロは速い?遅い?

ミニベロは一時的には速いスピードが出せても、そのスピードで走り続けるのが難しいので「同じ人が乗るならミニベロはロードバイクよりも遅い自転車」といえます。

加速はミニベロのほうが楽、街乗りも快適

ミニベロはホイール径が小さいことによる速度維持の難しさがありますが、その裏返しとして加速が軽快であるという特徴があります。小さなホイールに回転をかけるのは容易なのです。

加速が楽なので「クイックな走り」が可能で、スタートダッシュだけならミニベロのほうが速いことも。

この「加速の素早さ」だけをとって「ミニベロは速い!」と勘違いしてしまう人もいますが、実際には加速が楽なだけであって、総合的に見れば走りではロードバイクには敵いません。

とはいえ、ミニベロは「こぎ出し」や「加速」がロードバイクよりもずっと楽なので、加減速が多い状況ではロードバイクよりも快適に感じられますよ。

ミニベロが「ストップ&ゴーが多い街中にぴったり」なんて言われる理由はまさにコレで、街乗り・ポタリングで使うならミニベロのほうが楽で快適です。

ロードバイクは加減速が多い状況には向かない

大径ホイールの恩恵でスピードを保ちやすい、ロードバイク。

しかし一方で、ロードバイクの大きなホイールを加速させるにはパワーが要るので、街乗りなどストップ&ゴーが多い状況では疲れやすく、快適に走行できる場所は限られます。

この特性は「ギア比の問題」ではなく「ホイールの大きさ」が関係しているので、変速を駆使しても、加速のダルさは拭い切れません。

「加減速が多いと疲れる」「速さこそがメリット」という2つの理由から、

高い速度を維持して効率良く走れる状況でなければ、ロードバイクの走行性能は生かせないといえますよ。

ここがポイント

自転車はホイールが大きいほど【高速走行・定速走行】に適していて、小さいほど【低速走行・ストップ&ゴー】に適しています。

これを簡単にまとめると

  • ゆっくり・断続的に走るなら・・・ミニベロは楽⇔ロードバイクはしんどい
  • 速く・走り続けるなら・・・ロードバイクは楽⇔ミニベロはしんどい

ということ。だから、無条件にどちらが優れていると決め付けるのは早計で、「それぞれ得意とする場面や用途が異なる」ということを覚えておいてくださいね。

2. 乗り心地・走行安定性はどう違う?

ロードバイクは乗り心地が良好で、安定性も高い

ロードバイクはホイール径が大きく、ホイールが付いているフォーク&ステーも長いので、車体全体の振動吸収性が高いです。

「タイヤがとても細い割には、意外に乗り心地が悪くない」と、初めてロードバイクに乗った人が驚くことも。

「フレーム素材」や「タイヤの空気圧」などによっても振動吸収性は変わりますが、それはミニベロもロードバイクも同じこと。
いずれにしても、ホイール径に由来する構造上、基本的にロードバイクのほうがミニベロよりも乗り心地は良いですよ。

また、ロードバイクは「ハンドリングのフラつき」が起きにくく、一度走り出したら進行方向に安定するかんじは、まさに大径ホイールの恩恵ですね。

ミニベロは振動に悩まされる、走行安定性も低い

ミニベロはホイール径が小さいので、そのぶん路面の段差・凹凸が相対的に大きく感じられます

つまり、同じ段差でもホイール径が大きな自転車と比べて乗り越えにくく、より大きな衝撃や反動を受けるということ。これが転倒の原因になることも。

タイヤが小さいほど乗り越えにくいから段差に強くぶつかる。 タイヤが大きいほど段差の影響は小さくなる。

さらに、ホイール径が小さいことに由来する構造上、足回りが短く・硬くなっているので、走行中の振動や衝撃を十分に緩和できず、ロードバイクと比べて体に伝わる振動・衝撃が強いです。

ホイールが大きいほうがフォーク等の足回りが長く、振動吸収性が高い。逆に短いと硬くなり振動を吸収しにくい。

自転車の乗り心地が悪いと、それに耐える体が疲労します。ミニベロはそれが顕著で「路面の凹凸でガタガタと揺さぶられて疲れた…」という経験をする人は多いですね。

より小径で・硬いフレームの車種ほど振動・衝撃がビシビシと体に伝わり、乗っていてしんどいです。「折り畳み自転車」の場合さらに乗り心地は悪くなる傾向がありますよ。

また、自転車はタイヤが小さいほどハンドリングがクイックで不安定になるので、ミニベロはロードバイクよりもフラつきやすいです。そのため「手放し運転」はロードバイクより難しいですね。

安定性は「走行スピード」や「タイヤ」によっても変わる

ミニベロやロードバイクの安定感は「走るスピード」や「タイヤの太さ」によっても変化します。

走るスピードによる違い

自転車はある程度タイヤが回っていないと安定しないので、ロードバイクはノロノロ運転が苦手です。

一方、ミニベロは低速でも比較的バランスが取りやすいです。

また、ミニベロのハンドリングのクイックさは、街乗りや低速走行では「小回りが利く」というメリットにもなりますが、速度が上がるにつれて「直進安定性の低さ」というデメリットに変わります。

タイヤの太さによる違い

乗り心地や安定性を重視するなら「タイヤの太さ」もポイントで、より太いタイヤを履いた自転車のほうが快適

ミニベロは基本的に「乗り心地が悪く・段差に弱い」ですが、「太めのタイヤ」を履いた車種は比較的乗り心地が良く、段差にも強いです。

一方、あまりに細すぎるタイヤは路面のわずかな段差にハンドルを取られやすくなるので、「タイヤの太さ」や「路面の状態」によってはロードバイクの安定性はかんたんに崩れます

ミニベロ・ロードバイク、どちらも「走るスピード」や「タイヤの太さ」によっても安定感が変わることが解りますね。

乗り心地アップのポイント
  • ミニベロに乗り心地を求めるなら、「しなやかなフレーム」や「サスペンション」「太いタイヤ」など、振動・衝撃に対抗できる要素を持つモデルを選ぶことがポイント。
  • ロードバイクもタイヤの太さを変えると乗り味が変えられる。19mmより23mm、23mmより25mmを選ぶと乗り心地・安定感はずいぶん変わる。タイヤの種類によっても違いがあるので、乗り心地を追及してみるのは面白い。
  • 「乗り心地が良いミニベロを見つけるためのヒントをまとめた記事」もあわせて参考にしてください。

3. 走行距離|長距離&長時間走行で違いを感じる?

ロードバイクは長距離サイクリングに最適

ロードバイクでロングライド(長距離サイクリング)を楽しむ様子

過酷なレースを走り抜くために進化してきたロードバイクは、言ってみれば「長時間・長距離を走るための自転車」です。

ロードバイクなら長距離を走ることは比較的容易で、ミニベロと比べれば圧倒的に楽ですね。

  • 走行スピードが速い自転車ほど同じ時間でより長い距離を移動できるし、
  • 乗り心地が良い自転車ほど長い時間快適に乗り続けることが可能です。

たくさん走るなら断然、ロードバイクのほうが有利ということ。

ロードバイクなら、初心者が1日で100kmを走ることもけっして不可能ではありません。

長距離・長時間を走るなら、ロードバイクのほうが「楽で・速い自転車」ですよ。

ミニベロでロングライドは可能、しかし課題は多い

ミニベロでも長距離サイクリングを楽しむことは可能です。私自身もミニベロで100km以上の距離を走ることはよくありますよ。

ミニベロでロングライド(長距離サイクリング)に挑戦する様子

しかし、長距離を走るならロードバイクよりもミニベロのほうがずっと大変です。

これには先述の「速度の維持が苦手」「乗り心地が悪い」というデメリットが関係しています。

  • ロードバイクと同じ距離を走るためにはより多くの体力が必要で、
  • 同じ時間走ればより多くの振動・衝撃を体で受け止め続けることになります。

距離や時間が伸びるほど、その差はより大きく感じられますよ。

長距離走行をロードバイクではなく、あえてミニベロでする事のメリットはほとんどありません。

それでもミニベロでロングライドに挑戦するなら、少しでも「速くて乗り心地の良いミニベロ」を選ぶと良いでしょう。(そんな都合のいい車種はなかなか無いですが…)

また、少しでも体の負担を軽減して楽に走るために「走行性能アップのカスタム」を施しておくことは、ミニベロでロングライドをするなら必要な準備であると言えるでしょう。

どのくらいの距離を走れるもの?

ロードバイクやミニベロでサイクリングに出かけたら、1回の走行でどのくらいの距離を走れるでしょうか?

「体力などの個人差」「車種の性能差」「何時間走るの?」などの全条件を無視して、すごく大ざっぱな数字を挙げてみます。

およそ下記の距離あたりが「誰でも無理なく走り切れる距離」といえるのではないでしょうか。(※クソ大ざっぱです)

ロードバイクミニベロ
初心者で50km初心者で30km
中級者で100km中級者で60km
上級者で200km~上級者で120km~

ロードバイクなら最低でも70~100kmは走らないと「走った気がしない」という人は多いですが、ミニベロなら30~50kmも走れば「結構走った」という感じがするものです。

もちろん、頑張って長時間走ればもっと走れるし、ズバ抜けた体力の持ち主なら、もっともっと走れますよ。

  • 上で示した数値は、この記事を読む初心者さん向けの目安とお考えください。
  • また「ミニベロと走行距離」について下記ページでも解説しています。あわせて参考にしていただければと思います。

4. カスタム・改造は楽しめる?

ロードバイクはカスタムの幅や効果が小さい

ロードバイクはどちらかというと、パーツ交換やカスタムが楽しめる自転車ではないと私は感じています。

そもそもの基本性能が高く、無駄の無い設計のため、カスタムで大きな効果を期待できる部分が少ないからです。パーツをアップグレードするよりも、体を鍛えたほうが話が早いです。

レースグレードの大変高価なパーツを導入しても、支払った金額分のメリットが実感できるものではなく、お金をかければかけるほどコスパが悪くなりやすいです。

(もちろん、カスタムを楽しむのはアリだし、私も色々パーツ交換をしてきましたよ。)

ただ1つ、比較的大きな効果が感じられるのが「ホイール&タイヤ」で、あえてお金をかけるならココですね。

もちろん、「ライト」や「サドルバッグ」などの汎用アクセサリーはロードバイクにも選択の自由がありますよ。

しかし一方で、ロードバイクには似合わないアイテムや、装着不可なアクセサリーも多いので、やはり選択の幅は広くはないですね…。

ミニベロはカスタムが思う存分に楽しめる

ミニベロは、ロードバイクと比べて基本性能が低い分、パーツ交換などカスタムによる効果が実感しやすいです。

例えば【タイヤ】【ホイール】【ハブ】など走行性能に関わるパーツをアップグレードすれば、体感できるレベルで走行性能が向上します。走行性能が上がると速くなる上に体の負担が減ります。

必要に応じて手を加えるカスタムの楽しさがあり、また「見た目のスタイリング」もカジュアルからスポーティまで比較的自由に変えられるので、自分だけのオリジナル自転車を育てる感覚が楽しめるという魅力があります。

さらに、ロードバイクには似合わない「カゴ」や「キックスタンド」「大型バッグ」なども容易に装着可能で、利便性を高めるカスタムも多数可能です。

これをまとめると「ミニベロはカスタムで自分のスタイルを作れる」とか「ミニベロは自分流に愛車を育てられる」という言葉で表現することもできると思います。

※ただし「特殊な車種」や「専用パーツで構成されている車種」は、装着・交換できるパーツに制限がある場合があるので、車種によって自由度は変わるということに留意してくださいね。

走行性能には「超えられない壁」もある

ミニベロの走行性能を改造・カスタムによって高めることは可能です。しかしロードバイクも進化し続けている以上、走行性能ではミニベロがロードバイクを超えることは無いでしょう。

5. 利便性・実用性・自由度に違いはある?

ロードバイクは走りひとすじ、便利さを感じる場面は少ない

ロードバイクに乗っていて、暮らしの中で「実用性」や「利便性」を感じられる場面はほとんどありません。

走りを支援しないアイテムは極力省くのが普通なので、ママチャリのように便利なカゴやスタンドが付いていることはないし、後から付けたいという人もほとんどいないでしょう。

また、ロードバイクに乗るときは服装から準備が必要です。普段着で乗ることも可能ですが、乗っているうちにストレスを感じます。初めは普段着で乗っていた人も、結局はサイクルウェアを着るようになりがちです。

そんなわけで、生活圏でのチョイ乗りや、買い物などの実用にはまったく向いていないですね。

あえてロードバイクで「お買い物」や「カフェめぐり」をしてみるのもアリですが、サイクルウェアを着た自分とロードバイクから漂う「場違い感」に気付いて恥ずかしくなることも…。

どんなものにもやっぱり「適した用途」や「向き・不向き」ってありますよね。

日常に速さを活かせば、ロードバイクにも便利さ・実用性を感じられる

例えば「幹線道路メインの片道30kmの自転車通勤」などであれば、ロードバイクの『速さ』を日常に活かすことも可能で、実際にロードバイクを自転車通勤に使っている人は多いですよ。

ミニベロは使い勝手が良く、楽しみ方に幅がある

ミニベロに乗っていると「使い勝手がいいな~」とか「これは便利な乗り物だ」と感じられる場面は多いです。とくに街乗りには最適で、ロードバイクには無い使い勝手の良さがありますね。

ミニベロなら普段着でも気軽に乗れるから、自転車に乗るたびに特別な準備をする必要はありません。趣味で楽しむ自転車のハードルがぐっと下がりますよ。

どこに乗って行っても、ロードバイクのような「場違い感」が無いから、気張らず思いのままに使えるのがミニベロの良いところ。

さらに、必要に応じて車体にスタンドやバッグ・カゴ・キャリアを装着するなど、どんどん使い勝手をアップできるのもミニベロならではの楽しみ方です。

ロードバイクに乗ると「走らなきゃ!」という気持ちになりますが(強迫観念)、ミニベロなら、例えばスポーツ系のミニベロでノロノロ走ったっていいんです(自由)。ミニベロなら「ちょっとそこまでのお買い物」や「友人とお茶しに行くときの足」にも使えます。

個々のスタイルや暮らしに寄り添うかんじは、まさしく「実用車」という感じで、ママチャリ的に使えるのに、ママチャリよりずっとスタイリッシュなのが良いんですよね。

ここがポイント
  • 速さではロードバイクが優れる。
  • 利便性・実用性ではミニベロが優れる。
  • 「速さ・走行性能」と「利便性・実用性」を両立することはむずかしい

車に例えると「レースカー」と「自家用車」みたいな違いがあるんだと考えれば解りやすいですね。

6. メンテナンス・耐久性に違いはある?

ロードバイクはメンテナンスサイクルが長い

自転車は乗り物・機械なので、ときどきメンテナンスが必要です。

「汚れを落とすこと」「駆動部分のオイルやグリスが切れないようにすること」「消耗・劣化したパーツを交換すること」等など。

このうち「汚れ」以外は基本的に走行距離に比例するので、同じ距離を走行した場合、ホイール径が大きく、走行負荷の少ないロードバイクのほうが、ミニベロと比べると劣化・消耗が緩やかです。

特にホイール周りの「タイヤ」や「ハブグリス」はミニベロより大幅に長持ちします。

とはいっても、やはり不調が現れる前に早め早めのメンテを心掛けることが大切ですね。

ミニベロは消耗が早く、こまめな手入れが必要

ミニベロはホイール径が小さいので、走行距離等を同じ条件で走行した場合、ロードバイクと比べると劣化・消耗が早いです。

たとえば「タイヤ」は、同じ距離を走ればロードバイクより多く転がるので、使い切るのが早いです。ホイールの回転軸である「ハブ」やその中の「グリス」の劣化・消耗も早いですね。

そのため、ホイール周りはロードバイクよりも早めのメンテ・交換が必要です。

また、疲労や衝撃で折れることがある「スポーク」も、ロードバイクよりミニベロのほうが折れる事例が多いようです。スポークが短く、ハブ~リム間のアングルのキツいことが原因の1つです。

スポークの折れは、パンクと同じで「運」もありますが、確率で見ると確かにミニベロのほうが折れ易いですね。私も実際に経験しています。

バイクフライデーの折り畳みミニベロ「ニューワールドツーリスト」のリアホイールを大きく写した写真。スポークが1本折れている。

また、「折り畳みミニベロ」の場合は、フレームの可動箇所やパーツ点数が多く、普通の自転車には無いヒンジやボルトがあるので、緩みや不調が起きていないかどうか、日ごろから車体各部のチェック&メンテナンスを心がける必要がありますよ。

ヒンジが錆びて「折り畳み自転車が畳めなくなった」なんて話もよく聞きますね(笑)

メンテナンス等については、ミニベロはロードバイクよりもやや積極的になったほうが良いでしょう。

7. 輪行のしやすさは?

JR守山駅前の広場で、友人がミニベロ「コメットR」を組み立てている様子。その横には折り畳まれた状態の「ニューワールドツーリスト」が置かれている。

ロードバイクでの輪行は、慣れても大変

輪行する人の数は年々増えていますが、ロードバイクでの輪行はやはり面倒で大変です。

前後輪を外して、エンド金具など保護具を着けて、ベルトであちこち固定して、袋をかぶせる。

すべての輪行準備を終えるには、慣れても一定の時間が掛かるもので、大体10~15分前後は要します。

しかもそれほど小さくなるわけでもなく、けっして手軽とは言えません

電車や乗り物の中でかなりの場所を取るので、混雑しているわけでなくても迷惑がられたり、なかなか肩身が狭いものです…。

輪行バッグがかさばるのはどうしようもないことなので、周囲にじゅうぶん気を配って、トラブルにならないように気を付けたいですね。

輪行にはミニベロが有利、折り畳みミニベロなら超便利

輪行にはミニベロが有利です。ホイール径が小さい分、場所を取らない車種が多いです。

電車や乗り物の中ではロードバイクよりも省スペースに収まるので、迷惑レベルがぐっと下がります。

※ただし、「大型ホリゾンタルフレームのミニベロ」は分解してもあまり小さくならず、場合によってはロードバイクよりも場所を取ることがあるので注意が必要です。

さらに「折り畳みミニベロ」なら、その手軽さ&コンパクトさは圧倒的

たった数分で、早いものなら1分で輪行準備が完了するので、いつでもすぐに輪行できます。

折りたたみミニベロは、輪行準備がこんなに早い!

筆者が折りたたみミニベロで輪行する時に、輪行準備~電車に乗るまでの時間を測ってみました

その結果、次のような数字が出ましたよ。ご参考までに。

  • BIKE FRIDAY ニューワールドツーリストの場合:
    ある日、13:01に駅に着いて、13:06の電車に乗れました。3~4分程度で輪行準備が完了し、最短で駅に着いて5分以内に電車に乗ることが可能です。
  • BROMPTONの場合:
    折りたたむのは10秒以内、輪行袋に収納するのにかかる時間は20秒くらい。合計30秒程度で輪行準備が完了です。駅に着いて1分以内に電車に乗ることも可能です。

折りたたみミニベロなら、ロードバイクよりも積極的に輪行できるので、輪行する機会がグッと増えて、結果的にロードバイクよりも行動範囲が広くなることも。

気軽に輪行できることによるメリットは大きく、自転車の自由度が最大になります

輪行が容易だと、どれほど便利なのか?下記のページもぜひ参考に。

まとめ

乗ればわかる、それぞれの違い

ミニベロとロードバイクは、ある意味「正反対な自転車」であると言えます。

だから、ミニベロに乗れば解ること、ロードバイクに乗れば解ること、それぞれに体験・発見できる別々の世界があります

もしいまロードバイクに乗っていてミニベロに興味がある人は、ミニベロにも乗ってみてはいかがでしょう?

ミニベロに乗っている人も、いままでロードバイクに乗ったことが無いなら、思い切ってロードバイクに手を伸ばしてみるのも良いと思います。

「どちらかしか知らないまま、自転車ライフが終わる」としたら、それはなんだかもったいないです。機会があれば、色々な自転車に乗ってみることをお勧めします。

違いを楽しみ・使い分けると面白い

自転車としての「走行性能」や「使い勝手」において、ミニベロとロードバイクには大きな違いがあります。

そして、あらかじめ「違い」や「弱点」を知っていれば、使い分けることや・弱点をカバーすることもできますよね。

ミニベロとロードバイク、単純にどちらが優れているかを決めるのは無意味で、
それぞれの違い・特徴を知って、良い面にも悪い面にも納得した上で、自分の使い方に合った自転車を選んで使い分けるのが良いと思います。

理想をいえば「両方持っておく」のが、きっと一番楽しめるはず。

例えば「今日はミニベロでぶらぶらしたい気分♪」「来週はロードバイクで遠くへ行こう!」というかんじ。そんなふうに「2台持ち」を楽しむ人も多いですね。

最後に「ミニベロに一票」

私はロードバイクとミニベロの両方に乗ってきて、今は「ミニベロ」に乗って出掛けることが楽しいと感じています。

自転車としての「自由度」や「使い勝手の良さ」「懐の深さ」はミニベロのほうが豊かで、自転車の楽しみ方・使い方の幅がぐっと広がりました

ミニベロは、趣味性・ファッション性が強い自転車であることは確かで、走行性能だけでは語れない自転車の面白さがありますね。

総合的な走行性能ではミニベロはロードバイクに劣りますが、体力・スキルに余裕がある人やダイエット目的の人にはむしろちょうどいい“負荷”をもたらしてくれるかもしれません。

また、ミニ四駆やラジコンのように「イジる喜び」を楽しみたい男性諸君には、ミニベロは格好のオモチャになるでしょう。

ロードバイクもいいけれど、ミニベロの世界も意外と深くて面白いですよ。

以上、「ミニベロとロードバイクの違い|それぞれのメリット&デメリット」でした。

お伝えした内容が、あなたの自転車選びの参考になれば幸いです。

(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});
記事がお役に立った時は、SNSでシェアしていただけると励みになります
もくじ