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ふじたひであき
サイト運営者
兵庫県神戸市出身。自転車愛好家、フォトグラファー。

自転車のサイト『MINI VELO 道』ではミニベロとロードバイクの初心者向け情報や、楽しみ方を広げる話題などを紹介しています。自転車用品が好きで、最近は自ら製品開発にも関わっています。

下記SNSからお好みのものをフォローしていただきますと、新着情報・筆者の近況などをお届けします。
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自転車乗りの熱中症を予防するための12の対策&豆知識

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夏のサイクリングの風景

このページでは「自転車乗りの熱中症対策」をテーマに、サイクリングに役立つ様々な情報をお伝えします。

ミニベロ・ロードバイク・クロスバイクなど、趣味で自転車を楽しんでいる人の中には、
真夏の暑い陽射しの中を、へこたれずに元気に走り回っている人もいるでしょう。

逆に「暑いのは苦手…」「サイクリングで熱中症になった…」という人もいると思います。

夏のサイクリングの風景

私も暑いのは大の苦手で、ちょっと無理をすると体調を崩しやすいタイプの人間です。

気を抜くと「夏バテ」したり、「サイクリングの疲れから風邪をひく」ことがあるので、そのぶん体調管理や栄養については人一倍気を使うようにしていますよ。

過去には「熱中症」に陥ったことがあるので、今では『熱中症対策』に真剣になっています。

そこで今回は、

  • 私がサイクリング中の熱中症を予防するために意識・実践していること
  • 夏のサイクリングや熱中症対策に役立つアイテム&豆知識

などをアレコレまとめてご紹介してみます。

サイクリングにおける熱中症の予防・対策などを万全にしたいと考えている人の参考になれば幸いです。

あなたに役立ちそうな情報があればぜひ持って帰っていただければと思います。

MEMO

  • 下の「もくじ」から見たい項目にジャンプできます。
  • この記事の内容は、夏以外でも熱中症が心配される時に応用できます。
  • 「全部やるべき!」と押しつけるものではありません。私の熱中症対策を参考に、あなたがやってみようと思うものを実践してみてくださいね。
もくじ

1. サイクリングの時間帯を変えてみる

もし時間が選べるなら、サイクリングをする「時間帯」を変えることで、

暑さのピークを避けて、体への負担を減らすことができます。

なるべく涼しい時間帯を選ぶ

日中35℃になるような日でも、朝一番なら28℃くらいということがあります。ずいぶん楽になりますよね。

夏の朝のサイクリングの写真
朝早い時間帯のサイクリングは気持ち良い

また夕方、日が暮れる頃になると、日中よりは幾分走りやすい空気になります。夕方になると心地良い風が吹くこともありますね。

サイクリングの時間帯を昼中心から朝中心・夕方中心などにシフトすることで、暑さを遠ざけることができます。

ロングライドなどは1日がかりになりがちですが、暑い時にはなるべく朝や夕方に走れるようなプランも考えてみましょう。

短時間でサイクリングを楽しむ

また、サイクリングの時間を少し短くしてみるのも、暑い時には得策です。

例えば、いつもは休日に6時間くらいサイクリングを楽しむという人は、暑さが厳しい時には2~3時間に抑えておくと、暑さによる消耗・ダメージを減らせます

さらに、「早朝の3時間」とか「夕方からの2時間」など、涼しい時間帯+短時間にしておくとなお良いですね。まさに「涼しい時間だけ走る」という選択です。

夏の夕方のサイクリングの写真
夕方からのポタリングでは夜景も楽しめる。

そうやって、サイクリング1回あたりの消耗・ダメージを小さくすることで、体力を使い果たさずに済むので、「明日もサイクリング!」ということが可能になります。

サイクリングを短時間にすることで、結果的にサイクリングの回数を増やせるということもありますよ。

暑さに負けないように、もし可能なら「サイクリングの時間」を工夫してみましょう。

2. 元気満タンの状態でスタートする

  • 「睡眠不足」や
  • 「疲れがたまっている時」

そういう時は、はじめから体力がマイナス状態

そういう時には夏バテしやすく、熱中症になるおそれが高まるので要注意。

体調を万全にして、元気いっぱいの状態でサイクリングに出かけましょう。

夏にグループでサイクリングに出かける様子

体調が優れない時は回復に努める

サイクリング中に体調不良を訴える人は、もともと体調が良くなかったということがよくあります。(すでに前日あたりから具合が悪かった等)

私自身も過去を振り返ってみると、私や友人がサイクリング中にフラフラになった時、前日までの仕事などの疲れで、朝のスタート時点でもうしんどかったんですよね。

そんな状態で炎天下のロングライドなんて「なんて無理をしたんだ」と今なら思います。

無理をすると良い思い出にはなりません。仲間と一緒に走る時には、仲間に迷惑をかけることにもなりますよね。

だから、もし体調が優れない時は無理はしないでくださいね。

まずは回復に努めて、元気になってから改めて自転車に乗りましょう。

イラスト:元気いっぱいのイメージ

サイクリング前の食事・睡眠は大切

前日までの食事でチャージ

前日の夕飯には消化の良いものを食べましょう。できれば、脂っこいものは避けるのがベター。

長距離を走る場合は、サイクリングの数日前~前日までに「ご飯」などの炭水化物をしっかり食べておくことで、肝臓にエネルギーを蓄えることができます(カーボローディング)。

前日のお酒はNG

お酒・アルコール類はビタミンを浪費したり、睡眠の質を低下させるので、サイクリング前日は控えたほうがいいでしょう。

しっかり睡眠

サイクリング当日に早起きする場合や、長距離を走る場合には、まずは早く寝て、しっかり睡眠をとりましょう。

朝食で準備完了

当日、朝食は抜かないで、パン・ごはんなどエネルギーになるものをちゃんと食べましょう。

さらに、この後の発汗に備えて水分もしっかり摂りましょう

ついでに、出発までにトイレで出せるものは全部済ませることができれば、よりベターですね。

▼サイクリング中のエネルギー補給などについては下記のページもぜひ参考に。

3. こまめに水分補給する【再確認】

熱中症予防には「こまめな水分補給」が大切というのは、誰でも一度は聞いたことがあるフレーズでしょう。

のどが渇く前に水分補給する」ということが、その目的であり理由ですね。

水分補給のタイミングを決めて、積極的に少しずつ飲むことが大切です。

サイクルボトルを持って水分補給する様子

基本的なことだからこそ、改めて意識しよう

サイクリングをスタートしたら、最初から最後まで忘れずに意識したいのが「水分補給」。

「水分補給」といえば、熱中症対策の話で常に1番に挙がる熱中症対策の基本中の基本ですが、

こまめな水分補給というのは意外に難しいので、上手くできていない人が多いようです。

どうすれば忘れずに「こまめな水分補給」を実践できるでしょう?

まずは「水分補給をするタイミングを決める」と忘れにくいです。

水分補給のタイミングを決めておく

サイクリング中の「水分補給のタイミング」には、以下のようなパターンがありますよ。

あなたも自分なりのルールを決めて実践してみましょう。

例1:信号待ちで飲むルール

例えば、街中を走る時は「信号待ちの度に1~3口飲む」と決めておきます。

信号待ちの写真

信号は「運まかせ」なのでタイミングはまちまちになりますが、少なくとも信号待ちにひっかかる度に水分補給ができますよね。

走行中に片手で水分補給するのが苦手な人には、停車時に確実に飲めるこのパターンがお勧めです。

例2:一定時間ごとに飲むルール

信号が少ない走りやすいサイクリングコースなどでは、「10分」とか「15分」など間隔を決めて1~3口飲む、というのがよくあるパターン。

時計の針で時間の経過を示したイラスト

時間を見るために何度も腕時計やスマホを確認するのは手間なので、「そろそろ10分くらい経ったかな」という大体の感覚でもOKですが、感覚のみだと忘れやすいのが難点。

所定の時間が経つ毎に、走りながら片手で水分補給するか、一時停止して飲みましょう。

上記のようなルールを決めても、ときどき飲み忘れたり、上手くいかないこともあると思います。多少のムラはあってもいいと思います。

とにかく、

  • なるべく水分補給を忘れないこと」と
  • のどが渇く前に飲む

ということを、いま一度意識しておきましょう。

「こまめに」のもう1つの理由

水分補給を「こまめに」することが大切だというもう1つの理由が、

一度にたくさん飲むと体調不良の原因になる」ということ。

イラスト:腹痛のイメージ

一度にたくさんの飲み物を飲むと、お腹が冷えたり・胃液が薄まることで消化が悪くなり、下痢や体調不良の原因になります。

そうなると「暑い」+「お腹がぁ…!」という最悪の状態になります。冷や汗までかくことに。(経験があります…)

たくさん汗をかく時には、水分をたくさん摂る必要がありますが、体が一度に受け入れられる水分量にも限度があるので、

一度にたくさん飲むのではなく、やはり「こまめに」というのが肝心ですね。

4. 飲み物を最低2本は用意する

夏や暑い時には、サイクリング中の飲み物のボトルを「2本以上持つ」ことを強くお勧めします。(2本で大丈夫です)

0-4

その理由は次の通りです。

1本だけだと飲み物がゼロになることがある

飲み物を入れたボトルが「1本だけ」だと、飲み切ってしまうことがありますよ。

飲み物を飲めば減るのは当たり前で、どんなボトルでも「最後は必ずカラになる」のです。

飲み物のボトルが空になった様子

飲み物が無くなった時に、都合良く・タイミング良くコンビニや自販機があればいいですが、
飲み物が入手できる場所が見つかるまでは、何も飲めずに炎天下を走ることになるんですよね。(それがどのくらいの時間になるかは分からない…)

暑い時、たくさん汗をかいている状況では「飲みたいのに、飲み物が無い!」という時間があると、それがほんの10分・20分であっても非常に辛く感じたり、その飲めなかった時間がトドメになって熱中症につながることがあります。

私は過去に、真夏のロングライドやヒルクライムで実際に「飲み物が空っぽ!」「買える場所も無い!」という状況に陥ったことがあり、あの時は死ぬかと思いました…。

2本目があれば、飲めない事態を回避できる

上記のような「何も飲めない!」という事態は、「2本目のボトル」があれば防げるのです。

ということで、夏や暑い時のサイクリングでは飲み物を2本以上持っておくようにしましょう。

2本のサイクルボトル

予備の2本目はペットボトルでも良いと思います。持ち物にボトルをたった1本追加するだけの簡単な対策です。

そして「2本目を飲み切る前に、自販機やコンビニで飲み物を補充する」を繰り返すことで、飲み物が無いという事態は起きなくなります。

あの時、2本目のボトルがあればどれほど助かったことか…。上記のエピソードはいまでも教訓として忘れないようにしています。

ボトルケージのお悩み解決

飲み物を2本持っておこう』というお話に関連して、「ボトルケージに関するお悩み」を持っている人が結構いらっしゃるので、よくあるお悩みの解決策をいくつかご紹介します。

ボトルケージのよくある悩み
  • 「ボトルケージを1箇所しか付けられなくて、2本目のボトルを置けない
  • 「2箇所あるボトルケージの1つを他に使っていて、ボトルは1本しか持てない
  • 「走行中にボトルケージからボトルを取ってドリンクを飲むのが苦手

そんなボトルケージに関するお悩みを持っている人は「POTA BIKEのステムサイドポーチ」を使ってみてはどうでしょう?

POTA BIKEのステムサイドポーチ

これがあれば飲み物のボトルを置く場所を1つ増やせるほか、
ハンドル付近にボトルをセットできるのでボトルが取りやすくなり、ほんの一瞬の停車時にもササッと水分補給できるようになりますよ。

本当に便利なので、私にとってはマストアイテムの1つです。

▼「ステムサイドポーチ」について詳しくは下記のページでご紹介しています。

さらに、次のような悩みがある人もいると思います。

取りやすさなど位置のお悩み
  • 「フレームとボトルが干渉して、ボトルの抜き差しがしにくい」
  • 「ボトルが取りにくいからから、こまめな水分補給が難しい」
  • 「ボトルケージの位置をズラして調整したい」

そんな時は「ボトルケージの位置を調整できるパーツ」を使ってみてはいかがでしょう?

私もこれでボトルの抜き差しに関するストレスが解消できましたよ。

  1. 「ボトルケージの位置を調節」することで
  2. 「ボトルの抜き差しのしやすさ」が改善されて、
  3. その結果『こまめな水分補給』を実践しやすくなるんですよね。

▼下記のページで詳しくご紹介しているので、必要な人はぜひ参考に。

5. 保冷ボトルを使う(5~15℃がポイント)

夏のサイクリング中の飲み物を入れるボトルは「保冷ボトル」がお勧めです。

単に「冷たい飲み物が飲めて嬉しい」というだけではなく、
運動中の飲み物の温度は「5~15℃に保つとが吸収が良くなる」ということが分かっています。

ふつうのサイクルボトルやペットボトルでは、暑い時はすぐにお湯のような温度になってしまいますが、「保冷ボトル」を使えば冷たい温度帯をキープしやすいですよ。

暑い時、冷えた飲み物が飲めると嬉しい

暑い時、温くなった飲み物よりも、冷たい飲み物のほうがひんやりして美味しいですよね。

また、冷たい飲み物を口に入れることで、体の熱を奪ってクールダウンできます。

メリットは、それだけではありません。

5~15℃に保つと吸収が良く、運動パフォーマンスが上がる

飲み物の温度を5~15℃に保つことで、水分の吸収率が高くなり、運動パフォーマンスが高くなるというデータを、サーモスが2012年頃に発表しています。

これは当時さまざまなスポーツ界やメディアで話題になり、現在でもこの「5~15℃」という数字はたびたび使われています。

この数字は、サーモスが大学教授と共同研究、被験者を使った実験を行い、そのデータとともに発表したもので、現在でも信ぴょう性が高いものだと考えられます。

水分補給の新基準「5-15℃ PROJECT(ゴーイチゴプロジェクト)」として掲げられたもので、5年以上前のプロジェクトなので、当時公開されていた特設ページはもう見られないのですが、
下記ページで当時の内容が一部転載・説明されていて読むことができます。より詳しく見たい人は参考に。

要約すると
  • 飲み物の温度によって、吸収効率などの生理反応のほか、被験者の心理反応や運動パフォーマンスに明らかな違いが出た
  • 実験の結果、スポーツの時に摂取する水分は、5~15℃の水温が最適であるということが科学的に証明された

というかんじ。

私もこの「5~15℃が最適」という新事実を知ったことで、サイクリング時の飲み物の温度を意識するようになりました。

暑い時には「ぬるい飲み物」よりも、やっぱり冷たい飲み物のほうが体のために良いということ。

また、暑いからと言って氷を入れまくってキンキンに冷えた「冷たすぎるドリンク」もかえって良くないということも理解しました。

そうして、自転車用ボトルには「保冷ボトル」を選ぶようになり、現在は保冷機能があるボトルしか使っていません。

それが今では私の「バテない底力」になっているのかもしれませんね。

自転車用「保冷ボトル」のオススメは?

普通のサイクルボトルタイプならポディウムアイス

「保冷機能を持つサイクルボトル」はいろいろありますが、夏用に私がお勧めできるのは「キャメルバックのポディウムアイス」です。

キャメルバックのポディウムアイス
ポディウムアイス(写真は旧モデル)

以前は、保冷機能があって見た目も可愛い「ポーラーボトル」が好きでしたが、「ポディウムアイス」のほうが保冷能力が高かったので切り替えました。秋~春に使うなら、ポーラーボトルもいいですね。

魔法瓶タイプならサーモスの真空断熱ボトル

より保冷力が高い「魔法瓶タイプ」のボトルを選ぶなら、「サーモスの自転車用魔法瓶」がお勧めです。

自転車専用の魔法瓶・保冷ボトル「サーモス真空断熱ストローボトルFFQ-600」の写真
サーモスの自転車用魔法瓶 FFQ-600

さすがサーモスの魔法瓶で、長時間温度をキープできる確かな保冷力がありますよ。

私は「ポディウムアイス」と「サーモスの自転車用魔法瓶」の2種類を1本ずつ持って行くことが多いですね。

▼それぞれのボトルについては下記ページで詳しくご紹介しています。

ちなみに

保冷ボトルが「5~15℃」の温度帯を保てているかどうかは外では確認できませんが、口に含んだ時に「冷たすぎっ!」と感じるのはだいたい5℃未満で、20℃以上になると「あんまり冷えてない」と感じるので、飲んでみて「ちょうどいい冷たさ」だと感じる時が、だいたい5~15℃くらいになっていると思います。

6. 吸収が早いドリンクを飲む

この項は「スポーツドリンク」を飲む人向けの内容です。

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「スポーツドリンク」には通常、ナトリウム・カリウム・カルシウムなどの「電解質」が含まれています。

水分」だけでなく、運動に必要な「エネルギー」や、発汗で失った「電解質」を補給することができるので、スポーツドリンクは発汗をともなう運動時に活用できる飲み物ですね。

たくさん汗をかく時にはハイポトニック飲料を

スポーツドリンクには「アイソトニック飲料」と「ハイポトニック飲料」があって、たくさん汗をかく時にはハイポトニック飲料のほうがより早く吸収されるという性質がありますよ。

ハイポトニック飲料は「低浸透圧」に調整されたドリンク。水分は浸透圧が低いほうから高いほうへ移動するので、ハイポトニック飲料はより速やかに吸収されるのです。

発汗が激しい時、すでにたくさん汗をかいた時には、ドリンクの吸収効率も上げなければ、体内に吸収されるペースよりも発汗で失う量が多くなります。

少しでも早く吸収できるドリンクを選びたいですね。

そのため、猛暑時や熱中症対策には吸収が早い「ハイポトニック飲料」が推奨されています。

自転車乗りに定評がある「CCDドリンク」

グリコの「CCDドリンク」は、そんな夏のサイクリングやスポーツに最適なハイポトニック飲料として定評があります。

飲みやすい味で、私も気に入っているので下記のページでご紹介していますよ。

あなたも夏や暑い時のサイクリングには「ハイポトニックタイプのスポーツドリンク」を持って行ってみてはいかがでしょう。

スポーツドリンクは発汗量に合わせて飲もう

通常、サイクリング中の飲み物を全てスポーツドリンクにする必要はないと思います。

スポーツドリンクの飲み過ぎは、塩分や糖分の過剰摂取になることもあるので、よほどの運動量・発汗量でもないかぎりは、「水」や「お茶」などお好みの飲み物と交互に飲むくらいが適量ではないでしょうか?(私個人の感覚ですが)

あなたの運動量・発汗量にあわせて、スポーツドリンクを飲む量を調節するといいでしょう。

なお、ジュースなどの甘くて味が濃い飲み物は高濃度・高浸透圧で、水分の吸収を遅らせる作用があるので注意が必要です。

7. 発汗で失った電解質を補給する

これは「スポーツドリンクを飲まない人」に意識してほしい内容です。

電解質が補給できるサプリの写真
「電解質が補給できるサプリ」等の例

※塩分などの電解質を含むスポーツドリンクを飲む場合には、追加で摂る必要はないと思います。

飲み物は「水」にかぎる!という人も、電解質を意識して

サイクリング時の飲み物は「水にかぎる」「スポーツドリンクを飲まない」という人もいます。

ペットボトルの水・ミネラルウォーター

理由は人それぞれありますが、「ボトルや自転車が汚れるから」「洗うのが面倒だから」という話をよく聞きますね。

私もボトルを洗うのが面倒なので、短時間のサイクリングではスポーツドリンクではなく「水」派です。だから私は「飲み物は水だけ」派の人を否定するつもりはありません。

しかし、汗で出ているのは水だけではないので、体に必要な電解質も失っていることに注意が必要です。

  • 電解質」というのはナトリウム・カリウム・カルシウムなどのことで、エネルギーの代謝や生命の維持に欠かせないもの。体内の電解質濃度は一定に保たれている必要がありますが、汗と一緒に体外に出て行ってしまいます
  • じつは水(ミネラルウォーター)にも電解質は微量に含まれているのですが、ごく微量なので十分な補給にはなりません。

電解質も補給する必要がある

発汗によって体は「水分」だけでなく「電解質」も失います。

体に必要な電解質が不足している時に、水ばかり飲んでいると体内の電解質濃度がさらに低下します。

すると、体が水分を上手く吸収できなくなったり、神経や筋肉・臓器・代謝機能が正常に働かなくなり体調不良・脱水症・熱中症を引き起こす原因になります。

そのため、大量に汗をかく時の水分補給には、「水」だけでなく塩分などの「電解質」も摂る必要があるのです。

電解質はサプリなどで補給できる

発汗で失った電解質は「サプリ」などで簡単に補給できます。

塩熱サプリ」などは定評があり、私も夏のサイクリングには必ず携行していますよ。

」+「電解質」を摂れば、スポーツドリンクと同様に、汗で失ったものを補給できます。

飲み物に「水」を携行する人は、電解質サプリなどを組み合わせてみてはいかがでしょう。

◎塩分など電解質の「摂り過ぎ」も逆に良くないので、発汗量にあわせて適度に調節して摂るようにしましょう。

8. カフェインを摂らない

コーヒーやお茶などに含まれる「カフェイン」には利尿作用があり、水分を余計に排出してしまうので、
熱中症が心配されるような暑い時にはカフェイン摂取を控えるのが無難です。

実際、コーヒーなどを飲むとその後めっちゃオシッコでますよね?(露骨な表現ですみません…)

コーヒー・お茶・栄養ドリンクなどに入ってる

カフェインが入っている飲み物のイラスト

朝出かける前や、昼食・休憩の時にコーヒーを飲む人もいるでしょう。

私もコーヒーが好きで、「朝食後に香り高い1杯を」というのが日課ですが、夏にサイクリングに行く時には、なるべく飲まないように気を付けています。

また、緑茶・ほうじ茶・紅茶・ウーロン茶などのお茶にもカフェインが含まれています。

さらに、疲れた時に頼りになる「栄養ドリンク」や「エナジードリンク」の多くはカフェインがたっぷり入っていますよ。

私もコーヒーやお茶・エナジードリンクなどは好きですが、夏や暑い時のサイクリングでは避けた方が無難だと思います。

お茶を飲むなら「麦茶」が良い

お茶類にはカフェインが入っているものが多いのですが、

麦茶」にはカフェインが入っていないので利尿作用を心配する必要がありません。

ペットボトルの麦茶

それだけでなく、麦茶にはナトリウム・カリウムなどのミネラルが含まれるので水分と一緒に摂取できます。

そのため昔から「夏には麦茶がオススメ」とか「熱中症の予防には麦茶がいい」などといわれているんですね。

麦茶はほのかな甘味があって美味しいし、熱中症予防にも適した飲み物ということで、

夏や暑い時期のサイクリングでお茶を飲みたい時には「麦茶」を選ぶのがお勧めです。

9. ビタミンB1を摂る

「ビタミンB1」は炭水化物からエネルギーを作ったり、老廃物を代謝して疲労を回復させたり、神経の機能を正常に保つ働きをもつ栄養素。

ビタミンB1の文字イラスト

大事な栄養素なので「夏バテ・熱中症対策で摂るべき栄養素」としてもよく取り上げられます。

特にサイクリング・スポーツなどで体をよく動かす時には、より多くのビタミンB1が必要になるので、不足しないように注意が必要です。

ビタミンB1は暑い時にとくに不足しやすい

ビタミンB1は運動によって消費されるほか、水に溶けやすいため汗と一緒に体外に出ていってしまうので、暑い時は特に不足しやすいのです。

ビタミンB1が不足すると、糖質をエネルギーに変える代謝が上手く働かなくなるほか、疲労物質である乳酸が溜まりやすくなることから、

夏や暑い時のサイクリングでは「ビタミンB1不足」にならないように気を付けたいですね。

ビタミンB1不足は疲労や夏バテの原因になります。そして、疲労や夏バテで体力が落ちると熱中症になりやすくなることから、ビタミンB1を不足させないことが夏バテ&熱中症予防の1つの方法として一般に認知されています。

ビタミンB1は食事やサプリで補給できる

運動と発汗によって不足しやすい「ビタミンB1」を積極的に摂取することで、暑い時の疲れやバテを防ぎたいですね。

ビタミンB1が摂れるサプリや食事のイメージイラスト

ビタミンB1が多く含まれる食品は、豚肉・うなぎ・大豆などが代表的。昼食などでもし選べるなら、そういう食事を摂るといいと思います。

でも、お食事をする時にビタミンまで考えてメニューを選ぶのはなかなか難しいですよね。

ビタミンB1が摂れるサプリメントやお薬もあるので、サイクリングの出発前や帰宅後にサプリなどで補うのもオススメです。(私はアリナミン等を飲んでます)

「冷しゃぶそば」は理想的なお食事かもしれない

ちなみに、そば屋さんや定食屋さんにときどきある「冷しゃぶそば」というメニューを知っていますか?

冷たいお蕎麦に、茹でた豚肉と、薬味などが乗っているお料理です。

冷しゃぶそば
冷しゃぶそば。このお店のはサラダ風の盛り付けでした。

「冷しゃぶそば」を食べると「豚肉」が食べられるほか、じつは「そば」にはビタミンB1がたっぷり含まれています。

さらに「めんつゆ」からは塩分やカリウム・ミネラルが摂れるということで、トータルすると夏バテ予防の観点ではなかなか良いお食事だと思います。

夏のサイクリングの途中に「冷しゃぶそば」を見つけたら食べてみてはいかが?私は結構好きですよ。(さっぱりして美味しい!)

10. 甘いものの摂り過ぎに注意する

暑い時、甘いジュース・炭酸飲料などをガブ飲みすると美味しい!

サイクリング中に食べるジェラート・ソフトクリームなどは最高♪

ジュース・ソフトクリームなどのイラスト

でも、甘いものの飲み過ぎ・食べすぎには注意しましょう。

甘いものを摂ると、余計にのどが渇く

砂糖たっぷりのジュースやアイスなどを飲み食いし過ぎると、摂り過ぎた糖を薄める・排出するために、体はもっと水分を要求して、余計にのどが渇くという現象が起こります。

そうして、のどが渇くのでまた甘いジュースを飲む…というのは悪循環で、これでは水分補給が上手くいかない状態です。

「ジュースやアイスでのどが渇く」というのは夏の水分補給の「よくある失敗」なので、誰でも一度くらいは経験があるのではないでしょうか?

甘いものの摂り過ぎはビタミンB1を消耗する

さらに、ジュース・スイーツなどの甘いものをたくさん摂ると、「ビタミンB1」の消費量が増大して、不足しやすくなることにも注意が必要。

発汗」+「甘いものの摂り過ぎ」が「ビタミンB1不足」につながり、それが「疲れ・バテ」や「熱中症」を招く原因にもなるということですね。

好きなものを飲食するのはOK、でも程ほどを意識して

サイクリング中にはエネルギー補給も必要だし、グルメ・おやつが楽しみな人も多いと思います。必要なもの・好きなものを飲食するのはもちろんOK

ソフトクリーム
淡路島にある「びわ」と「淡路島牛乳」をあわせた「びわミックスソフトクリーム」はめちゃくちゃ美味しい。

でも、ついついジュースを飲み過ぎたり、アイスクリームを何個も食べるなど、甘いものの摂り過ぎには少しだけ注意しておきましょう。

ソフトクリームの写真
京都大原にある「赤しそを使ったソフトクリーム」もとても美味しかった。

暑い時に食べるジェラート・アイスクリームなどは本当に美味しいので、好きな人にとっては自制するのはなかなか難しいもの…。

私もアイス・ジェラートなどが大好きで食べまくります。

▼下記のサイクリングリポート記事でも、アイスを食べまくる様子をご紹介しています。

私も、甘いものをもう少し我慢したほうが良さそうですね…(泣)

11. 走行ペースを抑える

サイクリングは有酸素運動。体の中から熱が湧き上がってきます。

暑い時には、体の熱を逃がして温度を下げることが難しくなるので、同じ運動量でも気温が低い時に比べて余計に暑く感じるのです。

夏のサイクリングの風景

体からの発熱量はコントロールできる

夏の空気や陽射しが熱いのはどうにもなりませんが、体の中から湧き上がってくる暑さ運動量でコントロールできますよね。

暑くてたまらない!」という時は、まずはペースを少し落として運動負荷を下げてみましょう。

体の中から噴き出すような暑さが引くまで、吐く息の温度が下がるまで、意識的にクールダウンしてみましょう。

風の冷却効果も活用する

急に止まったり、スピードを落とし過ぎると、風による冷却効果が無くなるので、異様な暑さを感じてカラダ中から汗が吹き出します。

風による冷却効果・涼しさが保てるちょうどいい速度を見つけて、上手にクールダウン走行をしましょう。

夏のサイクリングの風景

そうやって、体からの発熱量を抑えて、なおかつ風による冷却効果を使える「バランス」を見つけると、ふと暑さが和らぐ瞬間が戻ってきますよ。

やっぱり暑い時は無理せず・ゆっくりが良いと思います。

12. 自転車を止めて体を冷やす(新事実も)

いろいろな熱中症対策をした上で、それでもサイクリング中に熱中症の危険を感じた時は、自転車を止めて体を冷やすことも必要です。

日陰に入って、冷たいもので体温を下げる

「暑くてフラフラ…」「熱中症になりそう、やばいかも…」と思ったら、速やかに自転車を止めて、日陰に入って休憩しましょう。

日陰で休憩する様子

ちょうど近くに「クーラーが効いたコンビニ」などがあれば最高ですが、無ければ最寄りの建物の陰とか、木陰などでも十分です。少しでも涼しそうなところに入りましょう。

そしたらまずは「水分補給」。無理にゴクゴク飲む必要はないので、飲めるぶんずつ口に含みましょう。

次に「体温を下げる」ための工夫をしましょう。

この時、『買ったばかりの冷たい飲み物』とか、叩くと冷える『瞬間冷却材』があると体温を下げるのに役立ちます。

冷たいものを首に当てる」というのが一般的な対処法で、「冷たい水を頭にかける」のも効果的。できる範囲で、体温を下げる工夫をしてみましょう。

叩くと冷える「瞬間冷却材」が便利

叩くと冷える「瞬間冷却材」は、冷たくて気持ち良いだけでなく、コンビニや自販機が無い所でもすぐに冷たいものを用意できるというのが真価です。

私は自分や仲間に熱中症の危険が迫った時に備えて、夏のサイクリング時には「瞬間冷却材」を1~2個持って行くようにしています。また、転倒時の打撲の応急処置にも使えますよ(冷やすと内出血が広がりにくい)。

「瞬間冷却材」は、冷却が急に必要になった時にあると本当に便利で、私は魚釣りにも持って行ってます。

叩くと冷える『瞬間冷却材』は薬局チェーン店などで売られていますよ。

新事実!手の平を冷やすと体温が下がる

体温を下げるためには、冷たいものを「首」などに当てるというのが一般的ですが、

最近では「手の平を冷やすと体温が下がる」という新事実が注目されています。

手の平のイラスト

体には、体温を下げるための仕組みがいろいろあって、手の平にはクルマでいう「ラジエーター」のような冷却用の血管(AVAと呼ばれる)があるそうです。

その冷却用の血管「AVA」はふだんは閉じていて、暑くなると冷却のために大量の血液を流して放熱する仕組み。

そのため暑い時には「手の平を冷やすと、速やかに体温を下げることができる」ということ。

冷却用の血管「AVA」は、手の平のほかに、ほっぺた・足の裏などにあるそうです。

しかも、首・脇の下・脚の付け根などを冷やすよりも、冷却用の血管がある手の平・ほっぺた・足の裏を冷やした方が、体温を下げる効果が大きいという実験結果があります。

実験結果のグラフ
NHKのWebページより引用 ©NHK

この冷却用の血管「AVA」は冷やし過ぎると閉じてしまうので、冷やす時の温度は冷たすぎないように注意する必要があるそうです。

冷やす時の最適な温度は「15℃前後」と言われています。「自販機」や「冷蔵庫」から出したばかりの飲み物の温度は通常5℃くらいなので、少し経ったくらいの温度が適温ということ。

「手の平を冷やす」のに使うものは「冷えたペットボトル飲料」がちょうど良いですね。

要は「冷えたペットボトルを握れば、体温が下がる」のです。

ペットボトルの水を手で持っている様子

首を冷やすよりも簡単なので、「体温を下げたい時には冷たいペットボトルを握る」ということも覚えておきたいですね。

参考情報

「手の平を冷やすと体温が下がる」ということは、NHKのテレビ番組でも詳しく紹介されていました。

下記のページに内容がまとめられているので、興味のある人は読んでみてはいかがでしょう。

まとめ

ということで今回は、

  • 私がサイクリング中の熱中症を予防するために意識・実践していること
  • 夏のサイクリングや熱中症対策に役立つアイテム&豆知識

などをアレコレまとめてご紹介してみました。

サイクリングにおける熱中症対策の参考にしていただければと思います。

暑さに負けずに、サイクリングを楽しみましょう

夏のサイクリングの風景

夏や暑い時期には、サイクリング中のカラダへの負担が大きくなり、夏バテ・脱水症・熱中症などのリスクが高まります。

とはいえ、夏バテや熱中症の予防・対策はじつは「簡単なこと」や「ちょっと意識するだけ」で出来ることも多いです。

みなさんも、夏や暑い時のサイクリングでは「熱中症」などにならないように、自分なりの対策を実践して、お体を大事にしてくださいね。

そのために、今回ご紹介した内容が一部でもお役に立てれば幸いです。

暑さに負けず、無理をしないで、元気に自転車を楽しみましょう。

それでは、楽しいサイクリングを!

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